国民の知る権利③ 情報公開と説明責任 [政治・社会]
安倍政権下で、「国民の知る権利」が蔑ろにされている現状は、看過できないところまで来ていて、現に安倍内閣の支持率は30%前後に落ち込んでいる。
国民の知る権利の現状とあるべき姿について、新聞の役割や、情報公開などを題材に、数回に分けて考えてみよう。
1.PKOの日報をめぐる経緯(2016年7月から2017年7月まで)
南スーダンのPKOで、「戦闘」と記された日報の開示請求に対し、下記の通り、情報公開と説明責任において、防衛省と稲田大臣の対応に齟齬があった。
月 |
日報関連の事実 |
月 |
防衛省と稲田大臣の対応 |
7/12 |
南スーダンのジュバで、 「戦闘」と日報に記載 |
|
省内で、日報は1~23日で廃棄可能な文書とされている |
9/30 |
フリージャーナリストが、 上記日報の開示を請求 |
12/2
12/16 |
日報は廃棄済みとして、防衛省が不開示を決定(大問題) 稲田氏、日報の再調査を指示 |
12/26 |
統合幕僚監部に、日報の電子データがあることが判明 |
1/27
2/7 |
稲田氏に統合幕僚監部での、日報発見を報告 統幕発見の日報を公表 |
1/ |
陸自でも日報の電子データを確認(陸自のリークか) |
|
(これから後は、稲田氏の虚偽答弁の問題) |
2/15 |
陸自のデータの対応を、幹部会で公文書ではないとして、非公表を決めた。 |
3/16 |
稲田氏は、陸自のデータがあったことについて、報告を受けていないと答弁 (虚偽答弁?) |
3/17 |
陸自の情報管理に批判あり、稲田氏が特別防衛監察を指示 |
7/19 |
指示した稲田氏も監察を受け、「日報があったという報告は受けていない」と繰り返し答弁。 |
2.防衛省の情報公開と説明責任の問題
防衛省の過去の情報隠ぺい問題は枚挙にいとまがない。安全保障や外交に深くかかわる防衛省では、情報公開について難しい問題があることは認めるが、障害を乗り越えないと国民の信頼は得られない。
防衛省は、いま、①隠蔽体質にどっぷり浸かっており、②シビリアンコントロールが欠如し、求心力が喪失していて、危機的状況である。
防衛省のホームページには、日本の防衛最前線の活動状況が掲載されていて、頼もしく感じているが、 統合幕僚監部の報道発表資料を見ると、南スーダンPKOについては、要員交代や、車両事故などの限られた報告のみで、進んで情報開示する積極性が見られないように思われる。
国民の安全に直結する活動ゆえに、その内容や結果について、利害関係者(国民)に真摯に報告する説明責任がある。
3.提案 :防衛省の情報公開と説明責任の在り方
①南スーダンのPKOなど、国民の反対の多い活動こそ、丁寧な報道が必要。日報を一か月ごとに月報にまとめて報告するなどの配慮を期待。(すでに撤収したので、次回に期待)
②他の自衛隊の活動についても、原則公開として透明性を確保し、国民に考える材料を提供。
③シビリアンコントロールが正常に機能するよう、大臣、背広組、制服組の情報伝達を万全に。
4.追伸 : 7月26日から27日にかけて、岡部陸幕長、黒江事務次官、稲田防衛相が相次いで辞任を表明した。28日に特別防衛監察の結果発表があり、情報公開法5条の情報開示違反が指摘された。情報公開と説明責任の重要性が改めて確認された辞任劇であった。
これだけ反対された南スーダンでの活動こそ
丁寧な報道ですね。それが隠蔽とは
稲田さん、話せば話すほどボロが出る。アベさんと同じです。
わかりやすい表ですね。見るのは良いけど作るのは大変です
ありがとうございます。
by majyo (2017-07-29 18:42)
トップが3人揃って辞任ですか?
隠蔽を認めたということですね
by gonntan (2017-07-29 22:50)
よくまとめてあるのでわかりやすいですね。
情報開示はしっかりなされるべきですが、問題は、イナダ発言「戦闘があっては憲法違反になるから武力衝突でなければならない」にあるように、部隊の派遣という政治判断に無理があり、その無理に現場が従わされるため、真実の日報が歪んで取り扱われるところにあると思います。
これ、まったく変です。
かつてコイズミは「どこが戦闘地域か非戦闘地域か、私に分かるわけがない。自衛隊が活動しているところが非戦闘地域なんです。なぜなら自衛隊は非戦闘地域にしか派遣しないことになっているからです」こんな発言をしたように記憶してます。政治家の間違った論法が、現場のレポートを歪めてしまっている、「おかしな国、日本」なんですね、大バカですよね!
by momotaro (2017-08-01 04:51)