野党再編④ 受け皿新党のアイデンティティ [政治・社会]
反自民受け皿新党が、過半数の国民の支持を得るために、核になる考え方、すなわち新党のアイデンティティを考えてみよう
1.受け皿新党の安全保障政策
争点はたくさんあるが、最重要争点は安全保障であろう。安全保障に関わるいくつかのテーマについて、受け皿新党のとるべき政策を、安倍政権のそれと比較しながら考えてみよう。
最重要争点 |
自民党・安倍政権 |
反自民・受け皿新党 |
1.安全保障は抑止より安心供与 |
安倍政権は、抑止政策に熱心である。安保法を強引に通し、集団的自衛権を行使できるようにした。すなわち、海外でも武力行使ができる国になり、周辺国の軍拡をあおる結果を招いた。かつての軍事大国回帰路線は最悪である。 |
憲法九条が許容する、専守防衛を堅持し、抑止より、平和外交による安心供与政策に専念する。すなわち、日本は、平和大国・国際協調主義のブランドを確立し、「人間の安全保障」(注1)のフロントランナーになる。 |
2.日米同盟一辺倒より、アジア外交最優先 |
安倍政権は、中国、北朝鮮を仮想敵と定め、アメリカの軍事力に縋りついて対抗しようとしている。日米同盟強化一辺倒で、それ以外の選択肢は眼中にない。 力には力の外交姿勢のため、東アジア外交はさせてもらえていない。 |
日本は近隣諸国の懐に飛び込んで、地域のことは地域で解決するための、地域共同体(注2)の創設という大きな目標に向かって外交力を結集する。地域ごとの平和の総和が世界の平和につながるのだと思う。 |
3.美しい国より、人にやさしい国 |
安倍首相は、祖父・岸信介元首相を裁いた東京裁判への恨みが強く、ナショナリズムをあおるような、歴史修正主義的な言論が絶えない。アジアの人々から警戒感や不快感を持たれている。 |
日本は安倍首相流の強くてコワモテの大国になるより、小さくてもカワイイ国、人にやさしい国、世界中から愛される国になりたい。また、アジアで頼りにされる国になりたい。 |
4.北朝鮮脅威論は捨てる |
米国は、核とミサイルの実験を繰り返す北朝鮮に対し、軍事的な威嚇を繰り返している。安倍政権はそんな米国を支持し、圧力の強化を催促している。 核廃棄を迫って武力をちらつかせるだけでは、事態を悪化させるだけである。 |
最近北朝鮮は、大変危険な国になったが、いま必要なのは米国を説得して、対話を再開することである。これは、独裁体制を容認することではなく、対話の中から時間をかけて氷を溶かすことである。時間稼ぎをされるという心配は当たらない。 |
注1:「人間の安全保障」 :国家の安全保障を補完する概念で、人間一人ひとりに着目し、人々が恐怖と欠乏から解放され、尊厳ある生命を全うできるような社会づくりを目的とするもの。1994年の国連開発計画で提起された理念である。日本では、故小渕恵三元首相、森喜朗元首相らが、人間の安全保障のための基金や委員会設立に注力した。日本は軍事を捨て、平和大国・中級国家として、この分野で先導すべきである。
注2:「地域共同体」 :近隣諸国が、地域で、信頼、友好、協同、平和な関係を築く枠組みである。当面、経済成長戦略、安全保障、気候変動、防災対策などの相互に関心の高い課題について、共同で問題解決を目指すことになる。対象国は、日、中、韓、東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどである。将来、インドやロシアなどを含めたアジア連合へつながっていく。
2.まとめ 受け皿新党の外交戦略
①日本は国際協調主義をモットーとし、平和大国として、世界から頼りにされる国になる。
②アジアでは、近隣諸国と協調して、地域連合創設の世話役を担う。時間をかけて、対米独立を図る。
③軍事大国への夢は捨て、中級国家として、人にやさしい国、世界から愛される国になる。
④対話を大事にする国に、ミサイルを打ち込む国はない。北朝鮮の脅威をあおるのはやめよう。そして日本は、対話に向け米国を説得しよう。
まとめにすべて書かれていますね
対話を大事にする国にミサイルは打ち込まれません
賛成です
by majyo (2017-08-25 20:02)