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野党再編⑦ 受け皿新党の金融政策 [政治・社会]

 日本は1000兆円、一人当たり800万円の借金を抱えており、財政破たんの可能性があると、まことしやかに語られている。これは国民の納税意識を高め、増税を受け入れさせるための、財務省のプロパガンダである。財務省の本音は、豊富な財源を持って、歳出権を行使することで、大きな顔をして天下りしたいだけである。

借金は、国でも、国民でもなく、政府の負債であり、国民は債権者である。公表されている最新の公表データは2015年度(2016/3/31現在)である。これを使って、本当の負債を算出してみよう。

 

1.政府の負債を資産と対比して見る(下図参照)
負債残高は1,193兆円、資産残高672兆円を差し引くと、純負債は521兆円である。

資産のうち、一部、換金が難しい資産もあるが、破たんに直面すれば、奥に手は出せる。

負債残高1,193兆円(うち国債918兆円)

資産残高672兆円(換金容易365兆円)

純負債521兆円

 

2.政府と独立行政法人等の子会社の連結決算

 負債残高は1,424兆円、資産残高959兆円を差し引くと、純負債は465兆円である。

負債残高1,424兆円(うち国債780兆円)

資産残高959兆円

純負債465兆円

 

3.日本銀行の単独決算(2015年度末現在)

下記の当座預金は市中金融機関の準備金や国債売却高。3兆円は純資産で資本金等。

負債402兆円(うち日銀券発行高95兆円、当座預金275兆円)

3兆円

資産405兆円(うち日銀保有国債349兆円)

 

4.政府と日本銀行の連結決算

 政府は日本銀行に5割以上出資しており、子会社として監督権限を持っている。政府と日銀を合わせて統合政府と呼んでおり、欧米でも使われている考え方である。

日銀保有国債349兆円は、政府の純負債と相殺が可能である。相殺すると、政府純負債は116兆円となる。これは国内総生産(GDP)の22%に過ぎず、大問題ではない。

 

純負債465兆円―日銀保有国債349兆円=政府純負債116兆円

 (日銀の負債である日銀券や当座預金は、無利子で償還期限もなく、純粋の負債ではない。)

 

5.まとめ 政府が財政破綻しない三つの理由

  1. 国債の金利が世界一低い(0.018%)

  2. 国債の最終的な債権者は日本国民

  3. 国債は円建てで、円通貨を発行する日銀を子会社に持つ

以上、三つの理由から、日本政府が発行する国債で、財政破綻を起こす可能性はゼロである。

 

コラム 異次元緩和で国債市場に閑古鳥

 日銀の国債保有残高は、173月末現在430兆円で、発行残高の40%を占める。日銀の買い占めで国債の価額は上がり、長期金利は下がった。一部の国債はマイナス金利になっている。商売にならないとして、三菱東京UFJは国債取引の資格を返上した。異次元緩和から4年で、民間銀行の国債保有率は7%に半減し、取引部署には閑古鳥が鳴いている。

アベノミクス第一の矢で、「2年程度で物価上昇率2%」としたが、達成期限は6度も先送りされた。第三の矢である成長戦略が十分に機能しないこと、消費増税でマッチポンプをやったことが、誤算の原因である。ノーベル賞受賞者が多い日本は、10年もすると中国に抜かれそうである。技術開発投資の重点的投入と、一人当たりの生産性向上のための、思い切った投資が待たれる。

 

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