フェイクニュース① 病理と典型例 [政治・社会]
当ブログでは7月に、「国民の知る権利」シリーズを掲載した。フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、国民を誤った方向に導く元凶なので、何回かに分けて考えてみよう。
1.フェイクニュースの病理
インターネットニュース、フェイスブック、ツイッターなどのメディアに投稿されたフェイクニュース(虚偽情報)は、いま、雲霞のごとく世界中に蔓延している。
検証を経ない投稿、真否を確認しないままの拡散(リツート)、安易な引用が元凶である。
信じたいものだけ信じ、自分が好む情報だけを受け取る性向が、社会の分断を生み、多様な意見に心を開く寛容性がむしばまれてきている。
2.フェイクニュースの典型的な事例(下表参照)
区分 |
フェイクニュースの内容 |
米大統領選におけるトランプ陣営の虚偽戦略 |
ローマ法王がトランプ候補支持を表明 |
クリントン候補が児童買春組織に関係。 (信じた男がレストラン襲撃) |
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クリントン候補がISに武器売却 |
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クリントン候補のメール問題を捜査するFBI捜査官が無理心中 |
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クリントン候補が得票率で上回ったのは、数百万票を操作したから |
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クリントンが講演で「若者は負け犬だ」と発言。 (大手メディア引用) |
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秘密の世論調査でトランプ候補リード |
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オバマ大統領がホワイトハウスに自分に銅像を建てた (偽写真付き) |
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社会分断 |
米警官の黒人射殺事件現場にポケモンGOのプレイを呼びかけ。ロシア関連企業の影。フェイクとは言えないが米社会分断の意図。 Blacktivism(注1)の一例。 |
千人のシリア人の暴徒が警察を襲撃、ドイツ最古の教会に放火。 (米保守系サイト「ブライトバート」が普通の記事を引用し、悪意の改竄をした。結果、移民の放火事件として、非難のメッセージ多数) |
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ビジネス・ 金儲け |
マケドニアの小さな街「ベレス」で、小遣い稼ぎのFBの政治ネタサイトが繁盛。アクセスがおおく、ネット上の金鉱という。 |
大手IT企業DENA、記事の間違いが多く指摘された。肩こりに霊が関係している。日焼けにはぬれタオルで冷やすのがいい。 (医療情報サイト「WELQ」が閉鎖された) |
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アクセスが集まるような、見出しで引っ張る記事を、安価で募集するクラウドソーシング。 |
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愉快犯 |
海水温の急激な変化は大地震の予兆だ |
福岡の陥没事故で出来た穴は、放射能汚染された土で埋めれられた |
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WHOが大麻は有害だという根拠はないと発表した |
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日本人の女の子が韓国でレイプされたが裁判で無罪になった |
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熊本地震で、動物園からライオンが逃げ出した。 (都内の男性10万人のフォロワーに拡散、逮捕、立件見送り釈放) (動物園への問い合わせ100件) |
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立憲民主党はフォロワーをカネで買った(証拠はなかった) |
注1 Blacktivism 黒人と社会運動をかけた言葉。警官の黒人暴行事件を批判して、共感を呼んだ。その後の調査で、ロシア関連企業に運営されていたことが判明。米社会分断の意図が見える。
コラム 用語の定義:フェイクニュース(インターネットを通じて、事実でないことを発信する偽のニュース)、ファクトチェック(事実の確認) ポスト・トゥルース(脱真実・真実は二の次とし、個人の感情や信念に訴えることを重視)オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実・不実の言い訳)
フェイクニュースは瞬く間にリツイートされて広がります。
それが選挙を左右することになれば、とても怖いです。
悪意のあるものは何らかの処罰をしなくてはならないですね
by majyo (2017-11-04 17:05)