フェイクニュース② フェイクニュースの原因と対策 [政治・社会]
当ブログでは7月に、「国民の知る権利」シリーズを掲載した。フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、国民を誤った方向に導く元凶なので、何回かに分けて考えてみよう。
1.フェイクニュースが蔓延するわけ
ブログやソーシャルメディアで、フェイクニュースが蔓延するにはいくつか理由がある。
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情報発信、流通コストが低廉で、誰でも簡単に発信できるため、質の悪い情報も流される。
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視聴者が情報を受け取るコストも安価で、時には、ただほど高いものはない現象が起きる。
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膨大な情報量に圧倒されて、リアルタイムの法的規制が事実上不可能である。
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結果、まじめな報道機関が、人材調達難と財政難に苦しみ、質の悪化に拍車がかかる。
2.ニュースの信頼度低下、影響、対策
ギャラップ調査によると、ニュースメディアを信頼すると答えた人は2005年50%、2015年40%、2016年32%と、信頼度が年々低下している。
フェイクニュースの蔓延は、この地球上に、民主主義の棄損、人種差別の助長、社会の分断をもたらしている。
フェイクニュースに対する最善の防衛策は、結局は、質の高いジャーナリズムである。ジャーナリズムが生き残るには、読者にその価値を分かってもらう必要がある。
3.フェイクニュース対策、10のチェックポイント
NY私立大学准教授のバーバラ・グレイ氏が提言した、「フェイクニュース対策 10のチェックポイント」を紹介しよう。筆者が大幅に改定したリストである。
<<読む側の7つのポイント>>
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項目 |
内容 |
1 |
疑う心 |
シェアする前に疑ってみて、検証する |
2 |
事実確認 |
事実を調べる習慣を作る |
3 |
情報源確認 |
誰の発言か、矛盾する情報はないか |
4 |
信憑性テスト |
信じてもよいか確認 |
5 |
情報源開示 |
元の情報源を挙げているか |
6 |
潜在意識 |
信じようとする潜在意識はないか |
7 |
落とし穴 |
偏見をあおるためのねつ造に嵌っていないか |
<<書く側の3つのポイント>>
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項目 |
内容 |
1 |
事実確認 |
ファクトチェックを確実にやる |
2 |
チェックリスト |
信頼できる情報源や、ファクトチェックサイトのリストを用意して置き、いつでも参照できるようにする |
3 |
署名 |
記事に書き手の所属を明記し、署名する |
コラム フィルターバブルとは
インターネットで、利用者が好ましいと思う情報ばかりが、選択的に提示されてしまう現象。検索エンジンなどの学習機能によって、自身の作り出したフィルターで、泡(バブル)のようにつつまれて、思想的に社会から孤立するさまを表す。(ディジタル大辞泉より)
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