自民党改憲4項目の論点 ② 緊急事態条項 [政治・社会]
自民党は、憲法改正のテーマを、自衛隊明記、緊急事態条項、教育無償化、合区解消の4つに絞り、2020年までに改憲を実現するという。緊急事態条項の論点を整理し、是非を考えてみよう。
1.緊急事態条項の賛否両論
大災害が発生した時、緊急事態にどう対応すべきか。自民党は、議院の任期延長と内閣への権限集中の二つの案件について、憲法改正に取り組もうとしている。
緊急事態条項の改憲について、賛成、反対論をまとめると下表のとおりである。
対象 |
自民党・緊急事態条項の改憲案 |
改憲不要論 |
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大災害 テロ 内乱 外国からの武力攻撃 |
任期延長 |
緊急時に、衆院又は参院が解散中で、選挙が適正にできないときは、出席議員の三分の二以上の多数で、その任期を延長できる。 |
長期間選挙ができない事態は想定しにくい。非改選の参議院議員は必ず残るので、立法に大きな支障はない。 よって、改憲は必要ない。 |
権限集中 |
国家緊急権の行使のため、内閣の判断で、国会の手続きを経ず、法律と同じ効力を持つ政令を出すことができる。(内閣に権限を集中し、必要なら私権も制限する) |
災害対策基本法(注1)の「災害緊急事態の措置」の項で、政令を出して必要な処置をとると規定しており、改憲は必要ない。 |
注1:災害対策基本法は、伊勢湾台風を契機として1961年に制定された、災害対策関係法律の一般法である。1995年の阪神・淡路大震災の後、その教訓を踏まえて大幅に改正された。
2.自民党・緊急事態条項の憲法改正条文案(3月20日に自民党総務会に提示)
任期延長:64条の2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又(また)は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
権限集中:73条の2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
②内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。
3.まとめ(筆者コメント)
①安倍政権には、災害対応を名目にした、「憲法改正ありき」の思いが透けて見える。
②内閣への権限集中は、私権制限と表裏一体。安易な改憲は、禍根を残す恐れがある。
③過激なテロが世界を脅かしているが、日本は、海外で実力行使をしない自衛隊を維持すれば、緊急事態を招くことはない。
深く考えなければ、自民党案はそうかな?と思う方もいるでしょう
全てNOですが特に緊急事態条項は平和憲法のワイマール憲法がありながら、独裁政権になったドイツのナチスの真似では?
アソウさんも言いましたね。ナチスに学べと
by majyo (2018-04-20 19:01)