自民党改憲4項目の論点 ⑥ 国民投票法の問題点 [政治・社会]
自民党は、憲法改正のテーマを、自衛隊明記、緊急事態条項、教育無償化、合区解消の4つに絞り、2020年までに改憲を実現するという。国民投票法の問題点と、改正必要事項を考えてみよう。
1.憲法改正国民投票法の現状
正式名称は「日本国憲法の改正手続きに関する法律」で、2007年5月に成立、2014/年6月に一部改正された。憲法改正は、国会議員の三分の二の賛成で発議し、国民投票において有効投票数の過半数で改憲できることになっている。
2.憲法改正国民投票法の問題点と改正必要事項
項目 |
現行、憲法改正国民投票法の問題点 |
改正が望ましい事項 |
個別 一括 投票 |
改憲項目が複数の場合、法は個別と一括の投票を認めている。自民党は、国民受けする項目を餌にして、一括投票を目論むに違いない |
国民から見て、複数の改憲項目のそれぞれには軽重がある。憲法改正国民投票はすべて、項目ごとに、賛否を問うべきである |
最低 投票率 |
法は有効投票数の過半数としていて、最低投票率の規定がない。有権者のうち、わずかな賛成票で採択されては、正当性を問われ、事後、国民の間に分断を生む恐れがある |
最低投票率70%を成立要件と規定すれば、過半数は35%である。 賛成35%は、許容できる最低限度ではないか |
周知 期間 |
発議から投票までの周知期間は、法では2~6か月と規定しているが、2か月では短すぎるのではないか |
最低を3か月とし、3~6か月に改訂すべき |
テレビCM 規制 |
現行法は、テレビCMの総量、回数の規定がない。発議から投票の15日前までは、放送は無制限である。 自民党は、豊富な政党交付金や経団連の寄付を財源に、電通をフルに使って、CM攻勢を企むに違いない。 14日前から投票日までは、勧誘すなわち、賛否を呼びかける放送を禁じていが、賛成しますという意見表明は禁じていない。有名タレントを起用して、賛成意見の表明をさせるに違いない |
国民投票の際に、英仏伊は有料CM放送を禁じている。 日本も、公平公正に憲法改正を実現し、瓢箪から駒など出さないよう、下記法改正が望まれる。 ①有料CM放送禁止 ②改憲内容周知のため国の費用で、NHKと民放各社に無料放送枠を設け、賛成論と反対論を募集して、期間中、公平に放送する |
投票日 |
投票率を高めるため、衆院選、または参院選と国民投票を同日に行う意見がある |
公職選挙法と国民投票法は仕組みが全く違うので、同日選は避けた方が良い |
4.まとめ(筆者コメント)
①憲法改正は、国会議員の熟議と、国民の十分な納得の上で、公平公正な手続きを経て決められなければならない。
②札束に物を言わせたり、催眠術を使ったりすると、事後に、国民の間に修復できない分断を生む恐れがある。
③国民投票の費用は600億円を超えると言われている。「力」による安全保障から、現行憲法を生かす政治に転換し、改憲を回避する政策を期待する。
知っているのもあれば知らないのもありました。
一番心配しているのは
テレビCM規制が無い事です。これやられたら
お金のある与党が有利です。
意見表明を禁じていないのですか。
有名タレント使いますね
by majyo (2018-05-19 18:17)