21世紀、日本の針路 ⑪国連改革の試み [平和外交]
東アジア共同体のような地域連合の構築に引き続くテーマは、世界政府の樹立である。アジア、EU、米州などに、それぞれの地域連合体が首尾よく構築された後、それらを束ねる世界政府をどのように作ってゆくかを考えてみよう。日本の安全保障にも革命的な好影響があると思う。
下図は、このシリーズの初回に掲載した図の一部である。国連の表示を、世界政府に変更させていただいた。
未来 2018~ |
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世界政府 (国連) |
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東アジア共同体 |
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政権 |
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国民 |
1.国連安保理改革の現状
国連改革の最重要課題は、国連安保理改革である。1945年51か国で発足した国際連合(国連)は、現在193か国が加盟する国際機関となっている。
国連の安全保障理事会は常任理事国(戦勝国)の5か国、非常任理事国(任期2年)の10か国で構成され、日本は過去に11回非常任理事国を務めた。
国連安保理改革の一つとして、非常任理事国の数を15か国に増やす案や、日本などを常任理事国に格上げする案などが検討されているようだが、73年たっても実現していない。
最大の問題は常任理事国の拒否権である。中国、ロシアがらみの議題は両国の拒否権発動で、採択されることはなない。世界政府機能を持つなどは夢で、国連は機能停止に陥っている。
2016年7月の当ブログ「国際改革は地域連合から」参照
2.世界連邦政府推進運動の経緯(次回詳報)
世界連邦運動(WFM)は、国際的な非政府組織で、世界のすべての国家を統合した世界連邦の成立を目指している。1946年、国連の戦争抑止能力に失望した世界の有識者が、「世界連邦政府のための世界運動」を起こした。アインシュタイン、チャーチル、湯川秀樹などが賛同した。運動の詳細は、次回の当ブログで述べる。
3.国連中心の安全保障
日本国憲法は1946年に占領軍によって制定され、9条により、戦争を放棄し、軍隊を持たないこととなった。日本はダルマさんになったが、何かあれば国連が守ってくれると期待されていた。
ところが、東西冷戦がはじまり、国連が全くあてにできなくなり、代わりに1952年にアメリカと安全保障条約を締結し、守ってもらうことになった。対米従属の始まりである。
1989年の冷戦終結を機に、アメリカの代わりに国連に安全保障を委ねるとする提案があった。(加藤典洋氏の「戦後入門」参照)
国連軍を増強して、加盟国の安全保障を担ってもらう構想であるが、現行の安保理体制では、実現は難しいと思われる。
4.地域連合と世界政府(筆者の提案)
アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能の創設を提案する。これは、国連の改革というより、世界政府機能を新しく創設し、国連組織のうち、使えるものは利用するという構想である。
詳細は当ブログの後続の記事で述べる。
左端は大山、中央に富士山頂(町田市成瀬尾根道から)
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