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21世紀、日本の針路 ⑭世界政府創設の段取り [平和外交]

 前回の当ブログで述べた、世界政府の理念を実現するための、世界政府創設はどのような段取りになるか考えてみよう。

 

1.世界政府創設の準備組織

 意外かもしれないが、いま世界で一番問題の難民予防を入口のテーマにしよう。難民流出は世界の困難の多くの割合を占めている。

日本が主導して、国連内に難民予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

 

2.世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。

コラム1の国連憲章の問題点や、コラム2の世界憲法予備草案などを参考にして、画期的な世界憲法を作りたい。

 

3.世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。(前回ブログ記載の「世界政府の組織図」参照)国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

 

4.まとめ(筆者のコメント)

 

①英・アクトン卿の格言:「あらゆる権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する。世界帝国(一極覇権国家)による安定した平和は危険。世界政府による不安定な平和はまだまし。」

 

②難民の流出は、アフガニスタン、南スーダン、シリア、ミャンマー、ソマリアなどからが多く、流入先において、社会の分断と紛争引き起こしている。流出を予防する活動が切望される。

 

コラム1 国連憲章の問題点

国連憲章は、前文と111条からなる。目的・原則、加盟国の地位、機関、総会、安保理、紛争の平和的解決、経済的・社会的国際協力などを規定している。

国連は、加盟国から国連軍に兵力提供を受けるための「特別協定」が、米ソ対立で草案の作成に失敗し、いまだに締結されていない。そのため、常備軍の編成の失敗で、国連軍の実態がなく、紛争解決をPKOに頼っているのが実情である。

 加盟国が急増したにもかかわらず、国連は、地球規模の諸問題に適切に対応できていない。拒否権を手放さない安保理常任理事会の改革や、経済・社会理事会の強化など、多くの問題を抱えている。

また、国連憲章には、いまだに敵国条項なるものがあり、日本やドイツがその対象になっている。直ちに削除しなければならない。

 

コラム2 世界憲法予備草案

 「世界連邦運動」の理念を表明したものに、世界憲法予備草案がある。19483月に世界憲法審議委員会によって発表された世界連邦の憲法草案である。

草案は、前文と全47条からなり、戦争防止のための権能と、正義と人権の保障を表明した。また、基本義務及び権利に関する宣言では、下記のような画期的考え方を含んでいた。

①「貧困の束縛からの解放、隷属的・搾取的労働からの解放」、

②「人種的・民族的な征服からの個人・集団の保護」

③「土地・水・空気・エネルギーを人類共通の財産と位置付ける」

 この草案の考え方には、一部批判もあるが、世界憲法の起草の際に、参考になる。


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