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アジアの平和 ⑥中国の非核化 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回の、「北東アジア非核兵器地帯構想」に続いて、中国の非核化ついて述べよう。

 

1.中国の核保有の経緯は次の通り

 1955年中ソ原子力協力協定締結、

  1957年ソ連が原子爆弾のサンプルとデータ提供、

1959年中ソ対立で原子力協定破棄・ソ連の専門家が帰国、

1960年中国が原子力自主開発開始、1964年初の核実験実施、

19652度目の核実験実施、

1966年核ミサイル発射実験成功、 1967年水爆実験に成功。

 

 核兵器数は2017年初めの時点で、米6800個、ロ7000個、中国270個、世界合計14,935個。

 

2.核軍縮へ、中国の取り組み

①核兵器先制不使用

1964年、中国は非核保有国及び非核兵器地帯に対し、核兵器の先制使用をしないと公約した。公約し、それを守っている唯一の核保有国であると主張している。

 1994年、中国は核兵器の先制不使用に関する、多国間条約の草案を提出し、核保有国に協議を呼び掛けているが、合意はされていない。

 

②非核兵器地帯の設置

 中国は、非核兵器地帯条約の締約を支持し、議定書に積極的に調印してきた。また、朝鮮半島、南アジア、中東などの非核地帯の設置をも支持している。

 

③核兵器不拡散条約

1984年、国際原子力機関(IAEA)に加盟し、1992年、「核兵器不拡散条約」に正式加盟した。

1998年、核物質の輸出管理を強化するため、「核両用物質及び、関連技術輸出規制条例」を公布した。

 

④核軍縮

中国は、核大国が、核脅威政策を放棄し、膨大な核兵器を保有する国が、大幅にその核兵器を削減することを主張した。また、核保有国が他国の領土に核兵器を配備することに反対し、その配備した核兵器をすべて自国に撤去することを主張している。

 

⑤核軍縮、核全廃への中国の貢献

 前記4項目はどれも核軍縮、核全廃につながる施策である。中国の取り組みは国際的に評価できるものである。

 

3.中国を非核兵器地帯にする戦略

前回の当ブログで、北朝鮮と日韓の三国が集まって、北東アジア非核兵器地帯の協議の場を作る提案をした。北朝鮮の非核化、在韓米軍の核撤去、日本の非核三原則堅持を実現して、北東アジアを非核兵器地帯にする構想である。

 

この北東アジア非核兵器地帯の協議の土俵に中国を乗せよう。米ロを除いた段階で、中国と合意形成は難しいが、協議開始に意味がある。安倍首相を本気にさせるのは困難だが不可能ではないと思う。

さらにその先、インド、パキスタンを巻き込んで、アジアの非核兵器地帯化が見えてくれば、国連が放ってはおかない。米ロも安閑としてはおられまい。

 

5. まとめ(筆者コメント)

①中国にも、強権体質の人、温厚な人など様々な人がいて、一色ではない。中国の脅威をとなえ、敵に仕立て上げる対応は間違っている。

 

②中国の覇権的な振る舞いを緩和するには、日本は米国から距離を置き、アジアの一員として戦略的互恵を目指して知恵を出し合う必要がある。対米従属一辺倒ではいけない。

 

③安倍首相様、米国の「核の傘」から出る勇気を持ってみましょう。別の世界が見えてくる筈です。

 

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