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アジアの平和 ➉核抑止力神話は本当か [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、平和の大敵である領土問題について考えてみた。今回は、核兵器を保有すれば、他の保有国からの核攻撃を本当に防げるのか。そもそも、核兵器は使い物になるのか検討してみよう。

 

1.核抑止力有用論

 核兵器は相互に防御不能であり、安易に戦争をできなくしたという意味で、戦争を抑止する力があるという考え方である。本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、大変な金食い虫と思う。核廃絶の努力のあとをたどってみよう。

 

2.核兵器先制不使用宣言と日本の対応

 オバマ元米大統領は在任中、「核なき世界」の理念を掲げ、核兵器先制不使用の宣言を検討してたが、「核抑止力を損ない、同盟国を動揺させ、中ロを利する」とする反対意見によって断念した経緯がある。

 日本はすぐに、抑止力を損なうとして反対したが、先制不使用が核軍縮、核廃絶という人類の希望につながるものであっただけに、多くの非核保有国の希望を踏みにじる対応であった。

 

3.核兵器禁止条約と日本の対応

 2017年、核兵器禁止条約が国連総会において、122か国の賛成で採択された。「核兵器のない世界」に向けて大きな一歩である。

 日本は「現在の安全保障環境を考えれば、条約の交渉開始は時期尚早」と主張し、反対した。世界唯一の被爆国として誠に残念である。

日本はアメリカの核の傘に入って、その抑止力に頼っているが、核の抑止力は本当に必要であり、効果があるのだろうか。核の抑止力に頼らない、安心供与の平和外交を進めてほしい。

 

4.核抑止力有用論の克服(筆者提案)

 

核先制不使用に賛成する核保有国を増やす運動をしよう。核軍縮、核廃絶への近道である。中国は賛成している。また、機能不全に陥っている国連の活性化策を考えよう。

 

非核兵器地帯条約の締約国は現在、6地域、116か国である。非核兵器地帯の面積を増加する国際的な運動を展開しよう。

 

核兵器禁止条約に日本は棄権したが、核拡大抑止は幻想である。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、条約を率先推進しよう。

 

核廃絶の取り組みに消極的な保有国に対し、不買運動含む市民運動を展開しよう。

 

コラム 核兵器を持つ目的の目的を考えてみよう。

 

下の目的展開表で、「先制攻撃する」 がキーワードである。これを禁止にできれば、核兵器保有の意味はなくなり、核廃絶につながってゆくと思う。

 

       核兵器保有    

         ↓

    核兵器を保有し、破壊力を誇示する

      ↓侵略の場合    ↓自衛の場合

    先制攻撃する   攻撃に対し反撃する

      ↓         ↓

    優位に立つ    侵略を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を負かす   損害を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を支配する  平和を守る

      ↓         ↓

     利益を得る   平和を保つ


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