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世界共同体⑧ 経済連携③ [平和外交]

 世界共同体の創設を目指すにあたって、日本が外交的に主導権を発揮するには、国力の増強が必要である。そこで、前回は国力増強策を考えてみた。

今回は、安倍内閣の新自由主義に基づくグローバリズムの政策が、日本の未来にどのような害をもたらすか検討してみよう。

 

1.新自由主義と構造改革の経緯

 新自由主義は、競争志向の市場原理主義に基づいた、グローバルな資本主義経済体制で、小さな政府を指向する。米のレーガン大統領が採用したレーガノミックスが始まりで、日本では中曽根康弘、小泉純一郎が追随した。

 

 小泉純一郎元首相が「構造改革」の名のもとに、「小さな政府」、「官から民へ」、「中央から地方へ」などのキャッチフレーズを唱え、既得権の排除や、規制緩和により、道路公団や郵政の民営化を断行し、経済再生を目指した。

 「構造改革」の弊害として、国民生活の格差拡大、行き過ぎた市場・競争原理による拝金主義の台頭、社会保障での弱者切り捨てなどが起きた。今、「構造改革」への批判が高まり、見直しの動きが出ている。

 

2.日本を売り渡す構造改革に反対

 

(1)改正水道法(水道民営化)の問題点 

201812月、水道事業を民営化しやすくする「改正水道法」が強行採決で可決された。水道管の老朽化による維持費の高騰、人口減少による料金収入の減少で、自治体の運営に限界があるとして、民間企業の参入でコスト削減を図るとされている。今回は、自治体が施設の所有権を持ったまま、民間企業に運営権を委託するコンセッション方式が導入された。

 

【想定される問題】

●民間企業は営利団体で、利益を優先するあまり、住民サービスは二の次になる

●地方の小さな自治体は見捨てられる。

●グローバルなハゲタカ多国籍企業の餌食になる。

●高額役員報酬が料金に上乗せされる。

●政府は水道料金に上限を設けるというが、利益確保のため、水質が低下する。

 

最近15年間に37か国235都市で公営に戻し、違約金や損害賠償を請求されるという失敗事例が多数発生している。政府は失敗例を3例だけ挙げてお茶を濁した。

 

(2)種子法廃止に反対

1952年に、米、麦、大豆などの種子の安定的な生産と普及を目指す「種子法」が制定され、日本は、食の危機を免れてきた。ところが2018年、政府は「種子法の廃止」を決定した。そのうえ、長年蓄積してきた「種子の開発データ」を無料で民間企業に公開する「農業競争力支援法」を導入した。

 

 すべては、モンサント(現バイエル)など、ハゲタカ巨大企業の市場開放要求に屈した結果である。日本の農家は、遺伝子組み換え種子と、それとセットになった農薬の購入を毎年強いられ、いずれ大量の農薬に汚染された国土を前に立ち尽くすことになる。

 ほくそ笑むのは、おいしいところを攫ってゆくグローバル多国籍企業で、新自由主義に基づくグローバリズムの行き着く先である。

 

(3)その他の「売国」に反対

農業協同組合解体や、土地、教育、福祉、医療などの分野を過度に市場開放し、多国籍企業の餌食になるのに反対する。

(堤未果著「日本が売られる」参照)

 

3.チャイナ・グローバリズムにどう向き合うか(後述)

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①グローバリズムには長短がある。行き過ぎたグローバル化は国民国家の良さを台無しにする。

 

②日本のような災害大国では、国民の命にかかわる水道事業の民営化はやってはいけない。

 

③ハゲタカ多国籍企業は、金にあかせて米政府などを抱き込み、日本を食い物にしている。

 

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