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世界共同体⑬ まとめ(政治の課題) [平和外交]

1.世界共同体の理念と構成

 

(1)世界共同体の理念

政治の究極の目的は、「人が自分らしく生きる」ためのお膳立てである。ところが現実は、敵を探してバランス・オブ・パワーで凌ごうとする強権政治が、いま氾濫していて、それが軍拡競争を招き、世界平和にとって脅威となっている。世界共同体は、そのような脅威を乗り越えて、共存共栄の精神で平和を創造する、国際協調の枠組みである。

 

(2)世界共同体の求心力

世界共同体創設の動機となるものは、自由貿易の推進、地域連合(地域共同体)の平和共存、各国国民の人権擁護、核兵器廃絶、地球環境保全である。 

 

(3)世界共同体の構成

国連に、世界政府機能を付加して、恒久的な世界平和を実現する仕組みを作ろう。国連行政府は世界政府、国連行政委員長は世界政府の大統領である。

現在の安全保障理事会は平和創造理事会と改名し、地球防衛軍ともに、世界平和を担う機関とする。



2.世界政府の在り方

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能を創設する。世界政府、世界行政府、世界政府議会などに必要な諸機能を新しくデザインしよう。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

世界憲法は重要で、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

ジャック・アタリ氏が提案する世界共同体構想は良いが、安保理の拒否権を温存する案には賛成しかねる。EUが採用する「特殊多数決方式」を意思決定に取り入れるなどの工夫が必要である。

 

3.アジア連合(アジア共同体)構築の条件

 

(1)歴史修正主義の清算

安倍首相は、過去に、「侵略の定義は定まっていない」、「植民地で良いこともした」などの発言があった。地球俯瞰外交を自慢するが、衣の下に鎧を隠すような態度では、東アジアでは、外交をさせてもらえない。安倍首相にとって、歴史清算の象徴的な行動は、南京慰霊訪問である。南京を弔問するだけで、中国はもちろん、アジアの人々の態度がガラッと変わると思う。

 

(2)近隣外交の改善

 米中貿易戦争の影響もあって、最近は、日中雪解けムードの気配が感じられるようになった。この機に乗じて、下記施策を実行し、一気に、アジア共同体構築のキックオフに持ち込もう。

●中国の「一帯一路」構想に参加表明 

AIIBアジアインフラ投資銀行)加入の表明

 

ここまで信頼醸成ができてくれば、日本の憲法九条2項(戦力不保持、交戦権否認)を削除する憲法改正の条件が整う。九条1項(戦争放棄)さえ堅持すれば、国民からも、アジア各国からも、九条2項削除の賛同は得られると思う。

 

(3)アメリカの説得

アメリカに敵対するのではない。日本の、東アジアの平和構築に向けた行動に対し、アメリカに見守ってくれるよう要請するのである。アメリカの、心ある要人への根回しが必須である。

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①中国を仮想敵とせず、共同体に本気で取り組めば、歴史認識や靖国問題などは、霧消すると思う。

 

②謝罪談話は、村山、河野、小泉、安倍など何回も繰り返されている。日本は、アメリカに従属し、アジアで、自ら「よそ者」に身をやつしているせいだ。別の道がある。

 

③日米同盟は敵を作り出している。軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るもので、賢明な選択とは言えない。

 

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