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地球環境④ 水資源管理 [環境問題]

1.世界の水資源の現況

 地球は「水の星」と言われ、14兆㎥もの水が存在している。ほとんどは海水で97.5%、淡水は2.5%に過ぎない。淡水の70%は北極、南極の氷の状態なので、使える水は全体の0.01%である。

 国連主導の「持続可能な開発目標」17項目の6番目が「安全な水とトイレを世界中に」で、2030年までに、すべての人々の水と衛生の利用可能性と、持続可能な管理を確保するとしている。

 

2.日本の水資源の現況

日本の年間の降水量は約6,400m31981年から2010年までの30年間の平均値)ですが、その内、約2,300m336%) は蒸発散してしまう。

残りの約4,100m3 は理論上人間が最大限利用可能な量であり、これを水資源賦存量という。

降水量が少ない年では、水資源賦存量は減少し、10年に1回程度発生する渇水年では約2,800m3 となっている。

年間降水量 約6,400億㎥

蒸発散 2,300億㎥

利用可能量 4,100億㎥

 

 

 

 

3.日本の水使用量

実際に使用している水量は、2011年の取水量ベースで年間約809m3 であり、平均的な水資源賦存量の約20に相当する。この比率を水資源使用率という。

使用されない3,000 m3 以上の水は洪水などで海へ流出したり、地下水として貯えられている。

利用可能量 4,100億㎥

使用量809億㎥

残りは海や地下水へ

 

 

 

 

4.水の用途別使用量

水の用途別の使用状況(2011年)は、農業用水が約544m3 で全体の約67%、工業用水が約113m3で全体の約14%、生活用水が約152m3 で約19%となっている。

 日本の水資源使用率を地域別に見ると、大都市が集中する関東、近畿で高い値となっている。

 

 環境・水使用量.png

5.仮想水使用量(食料等の輸入品が、生産地で使用した水を、輸入したと見做した量)

 食料等の輸入品を日本で作ったと仮定した場合の水使用量を仮想水という。

日本の仮想水使用量は年間640億㎥である。水使用量809億㎥に迫る量である。

 

6.改正水道法(水道民営化)の問題点

201812月、水道事業を民営化しやすくする「改正水道法」が強行採決で可決された。民営化すれば利益を優先するあまり、水質は低下し、住民サービスは二の次になる。多国籍国際資本に、おいしいところだけ持って行かれる結果に終わりそうである。

 

7.まとめ(筆者コメント)

 

①今上天皇は「水問題」をご研究のテーマにされていて、最近、「水運史から世界の水へ」の著書を出版された。また、3年ごと開催の「世界水フォーラム」で講演をされている。心強いことと思う。

 

②温暖化がこのまま続くと、亜熱帯地域の砂漠化、赤道と高緯度地域の多雨が進行し、人が住みにくい地球になると思われる。一人一人が、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出抑制に取り組もう。

 

③日本の年間降水量1718mmは世界平均880㎜の2倍だが、人口密度が高く、一人当たりに換算すると決して潤沢ではない。雨水を上手に貯留する工夫が大事である。

 

④水道民営化について、最近15年間に37か国235都市で公営に戻し、違約金や損害賠償を請求されるという失敗事例が多数発生している。日本は同じ轍を踏まないよう、見直しをしよう。

 

IMG_20190921_7.jpg


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