地球環境⑧ 海洋汚染 [環境問題]
1.世界のプラスチック汚染の現状
図のように、世界のプラスチック年間生産量は、1980年頃から急激に増えて、2016年に3億9600万トンに達した。世界人口一人当たりに換算して53キログラムとなる。
生産されたプラスチックの75%が最終的に「プラスチック廃棄物」となり、その3分に1が海洋、河川等の環境を汚染している。2050年には海のプラスチックごみは魚の重量を上回るとされている。
具体的には、2019年3月、フィリピンの海岸に打ち上げられたくじらの胃から40kgものビニール袋が出てきたというニュースがあった。くじらだけでなく、ウミガメ、イルカ、海鳥などもプラスチックごみを食べたり、網が絡んだりして死ぬ例が報告されている。
「捨てればごみ、分ければ資源」は至言。日本のプラスチック廃棄物のリサイクル率は28%で、あまり進んでいない。(図はWWFのホームページより)
2.日本の海洋汚染確認件数
日本における、2018年の海洋汚染確認件数は414件で、過去10年の平均423件からわずかに減少した。内訳は下表のとおりである。
汚染物質 |
確認件数 |
構成比% |
備考 |
油 |
283 |
68 |
船舶から165件、漁船64件、作業船20件 |
廃棄物 |
113 |
27 |
不法投棄109件 |
有害液体物質 |
5 |
1 |
|
その他 |
13 |
3 |
|
合計 |
414 |
100 |
|
3.4Rを心がけよう(下表)
Reduce |
ゴミになるものを減らす (リデュース) |
マイバッグを使う。使い捨て容器を減らす。 生分解性プラスチックを使う |
Reuse |
繰り返し使う(リユース) |
詰め替え容器を使う。ボトル再利用 |
Recycle |
再利用する(リサイクル) |
ゴミの分別回収、原材料として再利用。 |
Refuse |
レジ袋などを辞退する (リフューズ) |
ゴミになるものの受け取りを拒否する |
4.海洋汚染削減への、期待される取り組み
政府 |
過剰包装規制、削減目標の策定、代替品開発政策支援、企業と市民の協働の仕組み、環境保全投資 |
産業界 |
リサイクル推進、代替品開発、ごみ管理システム構築への投資 |
家庭 |
政府の対策に協力、使用削減・分別・再利用(4Rの実践) |
5.まとめ(筆者コメント)
①海洋汚染や温暖化防止のための投資は、政府が先導しなければ進まない。日本政府は、緊縮財政論の間違いを反省して、積極的に環境保全投資を推進すべきである。
②地球は2030年からミニ氷河期に入るという説がある。論者も自信はないようだ。氷河期の周期は5万年で、あと4万年は今の間氷期というのが正解とされている。温暖化対策逃れは許されない。
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