地球環境⑮ 地球温暖化の論点 [環境問題]
1.地球温暖化の否定・肯定論
地球温暖化は複雑な事象なので、すっきりした科学的証明が難しいことは事実である。環境対策コストや、経済成長阻害の恐れなどが引き金になって、環境対策を拒否したり、先延ばししたりしようとする勢力が少なからずいる。
日本では、丸山茂徳、武田邦彦、藤井厳喜・・・、世界では、トランプ大統領などが代表である。彼らが主張する否定論と、それに対する反論をまとめて見た。
論点 |
地球温暖化否定論 |
地球温暖化肯定論 |
地球は温暖化しているか? |
・温暖化しているか疑問 ・地球の温度は、ほぼ30年ごとに上下しており、2000~2030年は寒冷期に当たる
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・工業化前から0.7℃上昇は科学的に証明されている ・工業化前と比較して2100年には、対応の仕方によっては最悪で4.8℃上昇すると予想されている |
CO2は温暖化の犯人か? |
・1940~1980頃CO2が急上昇したが、気温は下がった。 ・大気中のCO2濃度は0.038%で影響は小さい |
・CO2の保温効果は科学的に証明済み ・CO2の他に量は少ないが強力な温暖化ガスがあり、油断は禁物 |
地球温暖化は良いことが多い |
・温暖化の方が生物にはよい ・高緯度地帯の住環境が良くなり、熱帯地帯から移住できる ・海洋性気候の日本は温暖化の影響を受けにくい |
・蚊やダニが繁殖して感染症が増える ・洪水などの自然災害が多発する ・日本だけ良ければよいのか? |
地球は寒冷化に向かう |
・1万年前から寒冷化しており、今は間氷期である ・現在の間氷期はお終わりつつあり、これから寒冷化に向かう ・2030年からミニ氷河期に入るという説もある。 |
・氷河期の周期は5万年で、あと4万年は今の間氷期というのが正解とされている。 ・不確かな寒冷化説で、温暖化対策逃れは許されない。 |
2.地球温暖化に関わる事象
地球温暖化は、人為的、自然的要因により様々な影響を受ける。主な要因は下記。
①地球温暖化ガス:温室効果ガスの種類別構成比は、二酸化炭素76.0%、メタン15.8%、一酸化二窒素6.2%、フロンその他2.0%となっている。
温暖化ガスが増えると、北極などの氷が融けて、温暖化の原因となる。
②宇宙線:宇宙線は雲を作り温暖化の原因になる。ただし、宇宙線はここ140年間減少しており、雲が減少して温度を下げ方向に働いている
③太陽の黒点:11年周期で増減していると言われている。黒点が増えると太陽放射光が増える一方で、宇宙線を吹き飛ばし、地球に到達する宇宙線を減らす。
④火山噴火:例えば、1993年ピナツボ火山が噴火し、雲が増えて、温暖化の原因となった
3.まとめ(筆者コメント)
①武田邦彦氏は、地球温暖化に関わる科学者のうち、寒冷化を主張20%、温暖化を主張10%、分からないと答える科学者は70%と推測しているが、筆者は、温暖化を心配する学者はもっと多いと思う。
②温暖化対策を考える際には、予防原則が大事である。科学的証明が得られない場合も、取り返しがつかない事態を避けるための対策は打つべきで、「後悔先に立たず」である。
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