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世界共同体⑰ 総まとめ(未来の明かり) [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。前回は、総まとめとして、現在の世界が抱えている問題の闇の部分を取り上げた。今回は、世界共同体の明るい未来図を描いてみよう。下図「 未来の明り 連関図 」参照

 

1.世界政府の在り方

 地域紛争の多発と難民流出などによる現世の闇を終わらせるのは、世界政府をおいてほかにはない。米一極支配や米中二極支配から、世界政府の一極支配に転換すべきである。

世界政府は多国間協調主義の理念を基礎にしている。特殊多数決などを用いた、透明で、正義に適った意思決定の仕組みが必須。官僚機構の腐敗防止も重要な課題である。

 

2.格差・分断社会の是正

 ()グローバリズムの政策を取り入れて、過度なグローバリズムの弊害を取り除こう。そうすれば、格差を縮小し、分断を協調に変えることができると思う。

 

3.新冷戦の解決

 新冷戦の争点は、中国による先端技術等の知的財産権の剽窃、補助金等の不公平貿易慣行などとなっている。解決策としては、①先端技術について、地球規模の取引市場の創設、②次世代通信の世界統一規格の設定などが考えられる。

 

4.核兵器等の軍備縮小

 核保有国の核兵器の半分を、世界政府に有償で移管しよう。世界政府が大きな核の傘の提供者として定着してきたら、核軍縮を、少しずつ計画的に実行する土壌ができると思う。

 ミサイルや宇宙兵器については、世界政府直轄の管理委員会を作って、削減策を講じよう。

 

5.フェイク・プロパガンダの統制

 フェイクやプロパガンダの害を制御するため、適切な管理組織を設置して対処しよう。

 

6.日本再生戦略

 日本は、生産性向上と先端技術開発のための投資が全く不足している。財政破綻論は財務省の嘘なので、第四次産業革命を目指して積極財政に転換しよう。消費税は5%に戻そう。

 

未来の明り連関図.jpg

 

 

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日本再生① 政治・経済・社会の再生総論 [平和外交]

 世界共同体と、世界政府や地域連合の在り方を、17回にわたって述べてきた。今回は、日本国内に目を転じて「日本再生」の戦略を考えてみよう。下図は、前回掲示した「未来の明り連関図」の一部。

 

日本再生連関図.jpg

 

 

1.日本経済の再生 (詳細は後述)

 政府と財務省の誤った経済財政政策のおかげで、日本は失われた30年とも言われる長期低迷に陥っている。正しい政策で緊縮財政の呪縛を脱していれば、日本のGDPは今の3倍になっていたはずである。

 デフレ期の緊縮財政は毒薬である。改元を契機に、デフレ脱却のための正しい政策を実行し、実質GDP3%程度の成長を達成して、国力を増強し、国民を豊かにしたい。

そうすれば、国際社会においてリーダーシップを発揮できる外交力を手にできる。

 

2.日本政治の再生 (詳細は後述)

 戦後74年、対米従属を続け、いわゆる「永続敗戦」状態の日本を、自主独立の国に変えるには、強力な政治・外交力が必要である。

 また、行政の透明化や、国民の知る権利をどう守るかも重要課題である。

 

3.日本社会の再生 (詳細は後述)

 少子高齢化、災害対策、エネルギー改革など、日本社会の明るい将来を考えてみよう。

 

コラム1 反・緊縮を唱える個人と団体 (敬称略)

 財務省のプロパガンダを見破り、反・緊縮政策を唱える、主な個人と団体を紹介しよう。

 

1.「令和ピボット」(政策集団) 発起人:三橋貴明、藤井聡、堤未果 

 経世済民の精神を放棄し、緊縮財政と「小さな政府」に固執し、日本を長期低迷に導いた現政権に対し、「反・緊縮」、「反・グローバリズム」、「反・構造改革」へと政策の転換(ピボット)を促す国民運動。

 20196月現在、呼びかけ人、20人、賛同者、17,800

2.「新」経世済民新聞」 所長:三橋貴明

3.「日本の未来を考える勉強会」 代表:衆議院議員・安藤裕 

4.「れいわ新選組」(新党) 代表:参議員議員、山本太郎

反緊縮、積極財政出動(インフレ率が2%になるまで)、消費税減税などを掲げて新党結成。

5.政治家:西田昌司、安藤裕、他

6.言論人:藤井聡、三橋貴明、中野剛志、青木泰樹、佐藤健志、他

 

コラム2 MMT理論(現代貨幣理論)

今年1月、米民主党議員・オカシオコルテス氏がMMT理論への支持を表明し、全米で論争が巻き起こった。ポイントは、「自国通貨建て国債を発行できる政府は破綻しない」、だから日本は、財政累積赤字を気にせず、積極的に財政出動してよいということである。

コラム1の人々は、MMTが出る前から反・緊縮、積極財政を唱えるいた。MMTは彼らには勇気を与えたが、財務省と御用学者には大変な試練を与えている。何十年も信じて採用したPB黒字化目標と緊縮財政政策が、全くの誤りで、30年間のゼロ成長の責任を問われているのだから。

 

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日本再生② 財政破綻論のウソ [平和外交]

「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。日本再生論を、まず、経済財政政策から始めよう。

 

1.「国の借金1000億円」はウソ

 国の長期債務残高は、2017年度末で893兆円。地方自治体のそれを含めると1087兆円となっている。国の借金が1000兆円になるのは時間の問題だが、脅威をあおるのは間違っている。

下表のように、貸借対照表でみると資産と負債を相殺して、純負債は492兆円となり見え方が変わってくる。政府と、子会社である日銀を連結した統合政府で見れば、なおさらである。

 

 2017年度末 国の貸借対照表(要約版)

資産の部

金額(兆円)

負債の部

金額(兆円)

資産合計

1001

負債合計

1493

純負債

492

(うち公債)

(893)

資産+純負債の合計

1493

負債合計

1493

 

2.「日本の財政は破綻する」はウソ

「自国通貨建て国債を発行できる政府は破綻しない」は、今や常識になっている(下表参照)。MMT理論(現代貨幣理論)が主張するように、日本は、財政累積赤字を気にせず、積極的に財政出動してよいということである。

 

財政破綻論の間違った理屈

正しい常識

景気が良くなると金利が上昇し、利息で借金が膨らみ、返済できなくなって破綻する。

景気が良くなり金利が上昇することは悪くない。GDPも税収も増える。

国債の利息が増えても、資産から得られる利息もあり、影響は軽微。

借金をして需要を増やすと、供給が追い付かず、ハイパーインフレになる。

敗戦で焦土となり、軽度のインフレが起きたことがあるが、デフレ下の日本ではハイパーインフレの心配はない。

 

3.デフレを放置する害悪

 財政政策の目的は、デフレを脱却して、経済を健全化することである。だから、デフレ下で、財政の健全化を志向するのは、悪である。デフ対策とインフレ対策は真逆なのである。

 財政収支-民間収支+(輸出-輸入)=0 という等式がある。簡単のため、貿易収支を除外すると、財政赤字=民間貯蓄の黒字と言い換えることができる。

 反・緊縮政策で、積極的に財政出動すると、その財政赤字分だけ、民間の貯蓄(所得)が増加し、経済成長につながる。間違った緊縮政策で、長期にわたる経済の低迷をもたらした政府の責任は重い。

 

4.日本経済を成長軌道に乗せる処方箋 (次回詳述)

 

5.まとめ(筆者提案)

 

①財務省は、財政赤字を嫌い、PB黒字化に固執している。黒字化に努力する役人が出世する風土があるようだ。財政法4条(赤字国債を認めない)の規定に縛られているせいではないか。法改正が必要。

 

②消費税増税はやめるべきだ。2014年の8%増税時と同様、デフレが深刻になる。安易な軽減税率採用などの対策では救えないと思う。

 

③アベノミクスは異次元金融緩和で、円安、株高をもたらしたのは良いが、弊害も多く金融政策だけでは手詰まりである。積極的な財政政策が待たれる。

 

2~3%の物価上昇(適度なインフレ)、3~5%の経済成長を5年続ければ、日本は復活する。

 

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日本再生③ 緊縮財政政策の罪 [平和外交]

 「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。日本経済衰退の現状とその原因を探ってみよう。

 

1.デフレ対策を誤って、衰退した日本

 

図は名目GDPの推移である。1996年~2015年までの20年間、米国は2.5倍、中国は10倍以上になったが、日本はマイナス成長である。もしも日本が米国並みの成長を遂げていれば、現在の名目GDPは、円換算で1000兆円を優に超え、社会保障の財源問題などは生じなかった。

名目GDPの推移.png 

 

20年間何をしてきたのか?橋本内閣以降、デフレにもかかわらず、財政再建一辺倒。リーマンショックや消費税増税でマイナス成長になると、小出しの財政出動を繰り返してきた。

 デフレ時に、正しく積極財政を採用していれば、GDPで中国に抜かれず、世界2位を維持できたはず。まさに失われた20年である。

 

2.緊縮財政政策の罪

 

図は、OECD加盟33か国における、年平均財政支出伸び率と、年平均GDP成長率の相関図である。財政支出伸び率とGDP成長率はほぼ比例しており、相関関係は非常に高い。

 日本の「緊縮財政・ゼロ成長」が大変に痛々しい。原因は、少子高齢化ではなく、政府の緊縮財政政策と構造改革路線の誤りである。

GDP成長率と財政支出伸び率の相関.png

 

3.日本経済再生と構造改革路線の罪(次回詳述)


4.まとめ(筆者提案)

 

①黒田日銀総裁に代表されるリフレ派は、金融をじゃぶじゃぶにすれば、金利が低下し、経済が活性化して、物価が上昇すると主張するが、間違いである。積極財政政策との併用が必須だった。

 

②日本の人口減少は年0.15%程度。人口がもっと大きく減少している国が、ジョージアなど十数か国あるが、経済は成長している。ゼロ成長を人口減少の精にはできない。

  

③日本は生産年齢人口が減少して、確かに人手不足である。人手不足は世界的に稀で、実はチャンスである。政府の投資が先導し、民間の投資が追従する、一人当たり生産性向上で解決するのが良策。

 

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