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安全保障の新思考 [平和外交]

 昨年11月に当ブログで、「安全保障は抑止と安心供与」の記事を掲載した。今回は安全保障の新思考ともいうべき「共通の安全保障2.0」(遠藤乾著・グローバル・コモンズ参照)について述べる。

 コモンズとは共有地と訳され、海洋、宇宙、サイバー空間などの、有限で、だれでもアクセス可能な領域のことであるが、常に、過剰使用やダダ乗りによる枯渇の危険にさらされている。

 そこで、グローバル・コモンズに対する排外的で乱暴なアクセスを防止し、ともに耕すような、多国間の相互信頼の枠組み作りが必要である。

 日本は食料、水、環境、高齢化などの安全保障分野で、課題先進国として、この枠組み作りに貢献できると思う。これは当ブログのテーマである共同体づくりにつながっていくはずである。




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日本国憲法9条は北極星 [平和外交]

 日本国憲法は1946年にアメリカ占領軍によって制定され、9条により、戦争を放棄し、軍隊を持たないこととなった。その後安全保障環境の変化に応じて、自衛隊を持ったが、自衛権の範囲内で合憲と解釈されてきた。
 日本の平和憲法は、制定経緯はどうであれ、世界初の理想の憲法として、戦争の悲惨をいやというほど経験した日本人に受け入れられてきた。いわば、北極星のように日本人の道しるべとして、高いところに輝く「究極の理想」の憲法とされてきた。自信をもって世界に広めていきたいものだ。
 安倍政権は任期中に憲法を変えると宣言している。現在、違憲とされている集団的自衛権による安全保障政策を正当化するため、憲法9条の方を現状に合わせたいと考えているようだ。今後も、政権が変わるたびにその政策に合わせて、憲法の理想を貶めるつもりであろうか。
 筆者は、平和憲法の象徴である「9条」は変えない方が良いと思っている。「究極の理想」の憲法は現状に合わなくなっても、ずるずると現状追認の改憲をするくらいなら、多少の違憲状態は我慢しよう。違憲の政策採用に対して、政権へのしっかりとした心理的歯止めになると期待している。
 憲法を変えるより、現状の安全保障環境の方を、粘り強く変えてくれる政治家の出現を願っている。


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軍備拡張競争はやめよう [平和外交]

 いま、アジアで軍備拡張競争が進行している。プレイヤーは日本と中国である。

 日本では安倍政権が、アメリカと約束した安全保障法案を、昨年9月に強引に通し、集団的自衛権を行使できるようにした。中国を仮想敵国と定めて、日米同盟を強化し、抑止力を高めるという。

一方、中国は南シナ海に軍事施設を作り、ミサイルを配備するなど、海洋進出を強化している。日米同盟を仮想敵と定め、自国を防衛するため、最前線を前に構築したつもりであろう。質は異なるが、日本と同じことをしている。

自衛と称して防衛ラインを前に、前に進めると、それは相手から侵略とみなされ、戦争につながることは歴史が証明している。

戦後の東西冷戦はソ連対欧米であったが、日米対中国の東西冷戦は、願い下げにしたいものだ。対策は平和外交による、アジア共同体の創設しかない。


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軍拡競争の緩和は安心供与から [平和外交]

 安倍政権は中国を仮想敵国とみなした抑止政策に熱心である。日米同盟を強化して抑止のばねをきかそうとしているが、これが逆にアジアの安全保障環境の緊張を高めている。
 安全保障は抑止と安心供与が車の両輪である。(当ブログの「安全保障は抑止と安心供与」の記事参照)。

いま、日中間で必要なことは外交による安心供与である。外交専門家は、外交は力と力のぶつかり合いであって、軍事力をバックに持たない外交は外交にならないと言う。本当だろうか。

外交による安心供与政策について、素人ではあるが、次の3点を提案する。

  対米独立についてアメリカの理解を得る
日本がアジアで、共同体創設を目標に、責任ある外交をすることに理解と協力を求める。そのために、友好関係を維持しながら、徐々に対米独立を目指すことを表明する。親日の人脈を使った戦略的なアプローチが必要である。

  中国を説得するためのアクションをとる。
日本がアジアで、共同体を創設し、アジアのことはアジアで解決する姿勢をアピールする。対米独立を視野に入れていることも表明する。こちらでも親日の人脈を使った戦略的なアプローチが必要である。5月に開催される日中外相会議でも議題にしてほしい。

  民間外交を強力に進める

  中国には公共外交という言葉がある。日本の民間外交と同義だが、国の外交を補完するものとして、重要視されている。日本にも、日中文化交流、東京・北京フォーラムなど、民間交流組織がたくさんあるが、間欠的にバラバラで開催されているので今一つ成果が出ていない。既存の民間交流組織を統合し、強化して、実効性あるものにしてほしい。




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対米独立の外交政策とアメリカの説得法 [平和外交]

 安倍政権は中国を仮想敵とみなし、日米同盟強化一本やりの政策で、アジアの安全保障環境を悪化させていることは、前回の記事で述べた。

 軍拡競争を緩和するための、外交による安心供与政策の第一弾は、日本の対米独立についてアメリカの理解を得ることである。

筆者は昨年10月に「世界政治経済の理想システム」という記事を書いた。国連を頂点とした地域連合の構築である(軍事に関しては下図「地球防衛軍のスキーム」参照)。

アメリカは日本駐留をやめ、NATOからも抜けて、国連軍の中核として存在感を示してもらう。アメリカをトップに据えることで、アジアへの関与は国連を通して間接的なものになる。

 これによって、アジアに平和がもたらされる。すなわち、日本は対米独立を果たし、中国は軍拡を抑制でき、北朝鮮は火遊びをしなくなるであろう。この理想を熱く語ればアメリカの要人にも理解者は多いと思う。

 

[地球防衛軍のスキーム]

    国連軍を改組(アメリカを中核として、各国が参加) 


     ―――― 欧州連合軍 (NATO、欧州中東諸国の軍)

     ―――― 米州連合軍 (米、カナダ、ブラジルなどの軍)

     ―――― アジア・オセアニア連合軍(自衛隊、アジア、オセアニアの軍)

     ---- ロシア、アフリカの扱いは別途検討

   


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共同体へ向けて中国説得の切り札 [平和外交]

 軍拡競争を緩和するための、外交による安心供与政策の第二は、アジア共同体の創設に向けて中国を説得することである。日本が対米独立を考えていると表明するだけで、説得は半ば成功も同然である。

 昨年12月に当ブログに掲載した「共同体の求心力は何か」で述べたように、共同体は近隣諸国が、地域で、信頼、友好、協同、平和な関係を築く枠組みである。

 当面、経済成長戦略、安全保障、気候変動、防災対策などの相互に関心の高い課題について、他のアジア諸国とともに協同の取り組みをするよう説得するのである。中国は必ず乗ってくると思う。

 中国説得の切り札(使いたくはないが)は、尖閣諸島の共同開発の提案である。漁業や鉱物資源の共同開発を通じて、日中は戦略的互恵関係をより深化させることができる。日中関係は、EUにおけるドイツとフランスの関係にまで高めることができよう。

領土にこだわらない日本の姿勢は、台湾やチベットに対する中国の姿勢にも、少しづつ変化を引き起こすであろう。


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民間外交の力を活用しよう [平和外交]

 軍拡競争を緩和するための、外交による安心供与政策の第三は、民間外交の力を活用することである。

日本向けの中国情報サイトに ”Record China” がある。時事、国際、社会、文化、広場など、12のカテゴリーに分けて中国、韓国などの情報が満載である。記事ごとにコメントを書く欄が用意されており、交流に役立っている。

 一方、日本では、1950年に“日中友好協会”が設立され、文化・学術交流、青年・文化人交流、中国語普及、留学生派遣、地方都市交流などの事業を継続的に実施してきた。日中外交を補完する役割を立派に果たしてきたといえる。


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中国にも民主化を望む声 [平和外交]

 中国の情報サイトを見ていたら、下記のようなネットユーザーの記事を発見した。

 「独裁は家族だった韓国と北朝鮮を引き裂き、敵同士にさせた。民主主義は敵だった韓国と日本を結び付け友人関係を築かせた。独裁国家では国は独裁者の所有物で、戦争の犠牲になるのはいつも国民だ。民主主義はグローバル化の手助けをし、人を活かす存在である。中国も民主化すべきである」

 共産党一党独裁の体制を転換する力になるのは民衆の意識の総和である。

 日本が帝国主義から民主主義に変革するのに、結局、完膚なきまでの敗戦を待たねばならなかった。体制の変革は大変な困難を伴うものだ。だが、80年前と現在の大きな違いは情報化社会の到来である。

  ネットを通じた民間交流が、中国国民の意識を変えて、内戦を回避しながら、一党独裁体制の転換をもたらす力になろう。
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権力にくさびを打ち込む 京都大学 [平和外交]

 「自由と平和のための京大有志の会」のサイトでは、「安保法制、言論への威圧発言、大学への君が代、日の丸の強制、等、この間の安倍政権による平和の破壊、学問の愚弄、憲法の蹂躙を止めさせ、新時代の自由と平和を創造する」と主張している。

 サイト内記載の「声明書」に感銘を受けたので、その一部を転載する。

 「戦争は、防衛を名目に始まる、兵器産業に富をもたらす、すぐに制御が効かなくなる、始めるよりも終え方が難しい。

精神は、操作の対象物ではない。生命は、誰かの持ち駒ではない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない、商売の道具ではない、権力の下僕ではない。

私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。」

 筆者は、安倍政権に対し、抑止力強化に偏った外交ではなく、安心供与を優先する平和外交を期待している。


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北朝鮮とどう向き合うか [平和外交]

 最近北朝鮮は、核とミサイルの実験を繰り返していて、ますます危険な国になった。かつてのように中国の手厚い支援が得られなくなり、「窮鼠猫を噛む」の境地に陥っているようである。やけになって、戦争を仕掛けてくるのではないかと危惧される。

 北朝鮮の金正恩政権がいま一番欲しいのは、自身の身の安全と、国の体制の維持に対するアメリカの保証である。(虫が良すぎると思うが)

 戦略的平和外交の立場から、アメリカがやるべきことは、北朝鮮に条件を付けないで、会談の申し出を受けることである。核廃棄を迫って圧力をかけるだけでは、事態を悪化させるだけである。これは、独裁体制や人権侵害を容認することではなく、話し合いの中から時間をかけて氷を溶かすことである。

70年前、多くの日本人が一夜で軍国主義の衣を民主主義の衣に着替えたように、北朝鮮の多くの善良な国民もそれを待っているに違いない。安倍政権は心を込めて、アメリカに進言すべきである。


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武器輸出で中国包囲網? [平和外交]

 安倍政権は、20144月、武器輸出を原則禁止している「武器輸出三原則」の代わりに、一定の条件を満たせば、武器輸出を認める方針を閣議決定した。その後、アジア各国に武器と周辺技術を提供することで、安全保障関係の強化を図っている。

念頭に置いているのは中国である。中国は、南シナ海を経て地中海に至る、1万キロに及ぶ海上交通ルートを、「海のシルクロード」あるいは「真珠の首飾り」と呼んで、開発に取り組んでいる。(当ブログ・中国の「一帯一路構想」参照)

安倍政権はこれにくさびを打つように、沿岸国に武器の提供を進めている。

まず南シナ海の南沙諸島の領有をめぐって中国と対立しているフィリピンには、海上自衛隊の練習機TC90を5機前後、貸与する方針を決めた。インドネシアやベトナムには巡視船の供与、インドには海自の救難飛行艇US2の輸出交渉を進めている。

 周辺各国の自衛力強化を支援することが悪いわけではないが、日本が中国包囲網の中核にみえるような外交は避けるべきである。抑止力強化より、共同体創設などの安心供与政策を早急に進めてほしい。


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憲法の「立憲主義」は譲れない [平和外交]

 憲法の立憲主義は、基本的人権の保障と三権分立を定めた憲法の下で、この憲法を守って国を治める仕組みである。権力者の恣意によってではなく、法の支配の下で、権力が行使されるべきであるという政治原理である。

 安倍政権は20147月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、20159月に安保関連法案を強引に議決した。憲法違反として批判する多くの声に耳を貸さず、憲法解釈の「最高責任者は私」言い放った。これは、立憲主義を無視して、「非立憲」に踏み込んだ証拠である。

 権力者が立憲主義を壊しても罰則はないので、国民は言論や選挙権によって、権力の暴走を止めるしかない。憲法の立憲主義は決して譲ってはならないと思っている。
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九条をめぐる対立の構図 [平和外交]

 憲法九条にどう向き合うかについては、護憲、改憲以外にも様々な考え方がある。横軸を平和と軍事、縦軸を国際主義と一国主義にとると、四つの象限の政治思想を次のように整理できると思う。
  A象限は平和と国際主義を志向する「平和優先主義」。
  B象限は軍事と国際主義を志向する「軍事的国家主義」。
  C象限は軍事と一国主義を志向する「復古型国家主義」。
  D象限は平和と一国主義を志向する「非武装中立主義」。
 四つの政治思想の概要については、添付の図表「九条をめぐる対立の構図」を参照願いたい。(図表を右クリックして、新しいウインドウで開くと拡大表示できます)

 B,Cは改憲派で、軍事、国家、従米を志向していて、安倍首相は、今はBに属するが、本音はCの方に近い。その証拠に、伝統と誇りある日本を取り戻すと主張する保守の右派団体である「日本会議」と近い関係にある。
 A,Dは護憲派で、平和、国際、地域を基軸にしている。非武装中立論者はいまは少ないので、今後、アジア共同体などの創設を目指してADは連携できると思われる。本稿は加藤典洋著「戦後入門」を参考に筆者が作成した。

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憲法9条の平和主義を壊すな [平和外交]

 自民党憲法改正草案によると、憲法9条について、戦力不保持を決めた2項を削除し、戦争の放棄を決めた1項に「自衛権の発動を妨げるものではない」という文言を追加している。これは、集団的自衛権の行使を可能にする意図である。

 5月18日の自民・民進の党首討論で、民進の岡田党首は集団的自衛権の行使で9条の平和主義は壊れると述べた。筆者も同意見である。

 これに対し、安倍首相は「必要な自衛の措置しか我々はとらない。侵略は二度としない」と述べ、平和主義は貫かれていると主張した。

 筆者は、安倍首相が何と言訳しようと、集団的自衛権行使の行き着く先は、日米同盟の強化、軍備拡張競争の激化、世界で戦争ができる「普通の国」造りに向かうと思う。

 ローマ法王が、平和は「対話」と「ともに歩む心」によって実現すると言われた。日本が平和外交によって、アジア共同体の創設を目指すことは、ローマ法王の教えにもかなうと思う。


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憲法における国民の義務 [平和外交]

 自民党は憲法改正草案を作るにあたって、国民の権利に比べて義務の記述が少ないとして、義務の規定を大幅に増やしている。一例をあげると次のとおりである。

1.すべて国民は、この憲法を尊重しなければならない。(102条)

2.日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない(3条2)

3.自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、公益及び公の秩序に反してはならない(12条)

4.日本国民は・・・和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する(前文)

 人権を認めてほしければ、まず義務を果たせと、上から国民に迫る政治家の姿勢には違和感を覚える。憲法は権力から国民の権利を守る法なので、本来、義務を規定する必要はない。これでは国民は、主人(主権者)から下僕になり下がってしまうのではないか。

 安倍首相は、「個人の自由を担保するのは国家である」というが、政権の危険なかじ取りで、国防のため団結や貢献を迫られるのは困る。平和外交に徹していただきたい。


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安倍晋三首相に注文する [平和外交]

 第二次安倍内閣における安倍晋三首相の外交努力を、筆者は高く評価している。世界各国への訪問外交は見事で、ご体が心配になるくらいである。しかし、惜しむらくは、東アジア外交が遅滞していることである。

 そこで、たくさんの中から5点に絞って、安倍首相に注文したい。詳細は後続記事で述べる。

1. 南シナ海問題に対応するための対中国外交を進めてください
 中国の覇権主義的海洋進出は迷惑で、アジアに大変な緊張をもたらしている。日本はアメリカに従属した力の外交でなく、アジアに正面から向き合う新機軸の外交を進めてほしい。

2. 日米同盟強化一辺倒の対米外交を見直してください。
 日本は大国となった中国を仮想敵と定め、日米同盟強化で対抗しようとしている。アメリカに縋りつくのではなく、距離を置いて、遠くの親戚のおじさんのような関係に、徐々に変えていってください。

3. 国連改革を先頭に立って進めてください。

 国連は常任理事国の拒否権によって、機能不全に陥っている。国連が世界平和の中枢機能を担えるような組織構造改革に向けて、日本はリーダーシップを発揮してください。

4. 歴史修正主義的な言論は封印してください
 祖父・岸信介元首相を平和に対する罪で裁いた東京裁判を批判するなどで、アジアの人々から警戒感や不快感を持たれている。ナショナリズムをあおるような言動は抑制してください。

5. 靖国神社に代わる国立追悼施設を作ってください
 安倍総理は、201312月に靖国神社に参拝して世界中から総スカンを食った。参拝は日本の伝統文化で内政問題だというが世界には通用しない。誰でも心おきなく参拝できる追悼施設を作って下さい。

 

 安倍晋三首相は、歴代総理の中でも抜きんでた名宰相になる能力があり、日本を変えてくれると期待している。



 


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南シナ海問題への対中国平和外交 [平和外交]

 安倍首相に注文したいことの第一は、南シナ海問題に対する日本の対中国平和外交である。南シナ海問題は現在アジアで最も緊迫したテーマである。この解決にはアメリカに従属した力の外交ではなく、アジアのためのアジア人による、次のような新機軸の外交を進めてほしい。

1. 南シナ海をアジアのグローバル・コモンズと位置付ける。(当ブログの「安全保障の新思考」参照)

明確な根拠もなく、中国の領土と宣言し、力による現状変更をごり押しすることは、地域の平和を損なうもので、中国にとっても結局高くつくことになる。南シナ海は関係国の共有地として、資源や便益を共用するのが、大国となった中国の未来志向のふるまいである。

2.尖閣諸島について領土問題の棚上げを宣言する。

前項と引き換えに、日本は尖閣棚上げを提案する。これは保守右派の安倍首相にしかできない政策課題である。痛みは伴うが、清水の舞台から飛び降りるほどの新機軸の外交になる。

3.東アジア共同体創設を提案する。(当ブログの「共同体へ向けて中国説得の切り札」参照)

  周辺国と協同して東アジア共同体の創設を提案すれば、経済の減速に直面した中国は、必ず乗ってくると思われる。また、日中の戦略的互恵関係をさらに深めることができる。

 

 近隣国の間には困難な問題が山ほどあるのが普通である。小さな問題の解決に手間取るよりも、大きな問題に一気に取り組むアプローチのほうが、難しいだけに成果は大きくなるものだ。

中国にも良識派はたくさんいるはずである。韓国も巻き込んで、互いの心を知り合うことから始めよう。


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日米同盟強化一辺倒の外交を見直してください。 [平和外交]

 安倍首相に注文したいことの第二は、日米同盟強化一辺倒は正しい選択であるか、次の観点から見直すことである。

1.日米同盟の問題点

  日米同盟は、抑止になっていない

日米安保条約上、米は日本防衛の義務がなく、米議会の承認を条件に米軍を使用できるという文言になっている。ミサイル防衛システムも、有効性はゼロに近いといわれている。安倍首相は、逃げるアメリカに縋りついて日本防衛を果たそうとしているが、日米の思惑には大きな落差がある。

  日米同盟は、敵を作り出している

軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るものだ。冷戦終結後、国と国の戦争はできなくなってきている現代、この日米同盟強化は賢明な選択とは言えない。

  米の軍産共同体から、日本は獲物にされてきた

冷戦終結後、アメリカの世界戦略は、一強体制を維持するため、イラン、イラク、北朝鮮(最近は中国も)を仮想敵と定め、世界の緊張を高めることであった。これは、米の軍産共同体(国防総省、防衛産業、防衛関連研究所)の既得権維持を目指す戦略で、日本は嘘とプロパガンダに翻弄されて、軍事予算を支出し、獲物にされてきた。

2.対米独立のシナリオ

樋口レポートの轍を踏むな

冷戦後の世界情勢の変化を先取りして、1994年に細川元首相が、防衛問題懇談会を立ち上げた。座長はアサヒビール会長(当時)で、「日本の安全保障と防衛力のあり方」(通称樋口レポート)が作成された。樋口レポートの核心は「多角的安全保障協力(=共同体)の促進」であったが、米の戦略と一致せずつぶされた。日本はこの経験を活かさなければならない。

対米独立についてアメリカの理解を得る

 (本年3月、当ブログ「軍拡競争の緩和は安心供与から」参照)

日本がアジアで、共同体創設を目指して、責任ある外交をすることに理解と協力を求める。そのために、友好関係を維持しながら、徐々に対米独立を目指すことを表明する。

米・国際政治学者のアイケンベリー氏は「自立、自己主張する日本のほうが、米に従う日本よりも東アジアに貢献すると期待できる」と述べ、日本の自立を支持している。また、昨年12月の東南アジア共同体発足は、東アジア共同体に向かう日本を勇気づける事例である。

アメリカの役割は他にある

 (本年3月、当ブログ「対米独立の外交政策とアメリカの説得」参照)

最近のアメリカは世界の警察の役割を捨てて、内向きなったといわれている。共和党大統領候補のトランプ氏の主張とも一脈相通じている。そんな中で、地域のことは地域に任せて、アメリカには世界を統合する世界政府ともいうべき機関の中核を担ってもらうよう、お願いすべきと思う。

 (昨年10月、当ブログ「世界政治経済の理想システム」参照)


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国際構造多極化時代の日本の対応 [平和外交]

 安倍首相に注文したいことの第二の記事の続きとして、その補足を述べる。

1. 日本はアメリカだけに頼れない

 ソ連崩壊後一強となった米は1992年に、ひそかに一極覇権戦略を決定し実行した。その後、イラク戦争などの失敗がたたって、財政が悪化し、いまや中国からの巨額な借金(米国債)で賄う事態になった。帝国の衰退は何度も繰り替えされた歴史の真実で、しかもスピードは速くなってきた。

 米の戦略拠点は、ヨーロッパ、中東、東アジアであるが、陸軍と海兵隊では、同時に二か所を守れない事態になったといわれている。現に、2006年には、朝鮮半島で戦争があっても対戦する兵力がないという報告が上がったくらいである。

 日本は安保法や、集団的自衛権行使で日米同盟強化を図っても、もはや、対米依存は続けられないと気付くべきである。

2. 国際構造の多極化に、日本はどう対応すべきか

アジアでは米中二強が語られるが、世界では、アメリカ、ヨーロッパ、中国、ロシア、インド、日本の6極時代になったと思う。多極化時代に有効な外交戦略はバランス・オブ・パワー(勢力均衡)である。日本は自主防衛力を持ち、アメリカ以外の国とも同盟関係や協商関係を構築することが不可欠になる。勢力拡張を目指さない専守防衛なら、重武装は必要ない。

 バランス・オブ・パワーというと、往々にして、遠方の国と同盟して隣国を牽制するパターンがみられるが、日本は、地域連携をキーワードに隣の中国との同盟を真っ先に考えるべきである。

遠くの親戚より近くの他人のことわざがある。中国嫌いを卒業し、韓国を誘って、東アジア共同体を志向するのが日本の最優先課題であると思う。


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南シナ海問題について、中国国民に告ぐ [平和外交]

 筆者は貴国が大好きな、平和を愛する日本人で、東アジアで永続的な友好関係が構築されることを願っています。

 貴国は南シナ海で領有権を主張し、岩礁を埋め立てて軍事施設を建設し、軍事力で領有権を守ろうとしています。最近、フィリッピンの訴えを受けて、常設仲裁裁判所が貴国のいわゆる「九段線」に基づく過剰な歴史的権利を否定する判決を出しました。貴国はどこへ向かおうとしているのでしょうか。世界の多くの国がこの判決を支持し、貴国の対応を見守っています。

 

南シナ海問題を根本的に解決するために、筆者は次の通り提案します。

 南シナ海の「シーレーンの確保」は、アジアの多くの国にとっても死活問題であり、相互利益にかかわる重要テーマです。船舶や航空機の安全な航行のために、港湾や飛行場は有用です。

そこで、南シナ海をアジアのグローバル・コモンズと位置付け、周辺諸国の共有地として、資源や便益を共用するのです。「南シナ海シーレーン基金」を作って、各国に応分の出資を求めるのです。貴国がすでに支出した費用の一部を肩代わりすることになります。日本は航行の自由以外の権利は主張せず、海域の平和増進のための支援を惜しみません。

このような提案を快く受け入れるのが、大国となった貴国の未来志向のふるまいではないでしょうか。

 

提案理由は下記のとおりです。貴国の国民の皆さんの声が、政府と軍に伝わることを願っています。

1. 領有権の主張には正当性がない

南シナ海における貴国の行為は判決が示すように正当性がありません。貴国が14億人近い国民を養うために様々な施策を講ずるにはよいが、国際ルールを無視するのは貴国のためになりません。

2. 周辺国への配慮が足りない

「みんなの物は自分のもの、自分のものは自分のもの」というような行き方は正義にかなうでしょうか。威嚇と札束で他国を従わせるやり方は穏当ではありません。貴国は正義を大事にする人々が住んでいる国と信じています。

3. 戦前の日本の轍を踏んでいる

日本は1930年代に、時代の空気に流されて帝国主義的行動に走りました。世界の圧力に抵抗し、見えを切って当時の国際連盟を脱退して、戦争から敗戦への道を進みました。いまは帝国主義の時代ではありません。貴国は日本の轍を踏まないでください。

 

本稿は安倍首相に注文したいことの第一の記事「南シナ海問題への対中国平和外交」の続編として投稿しました。中国の人々に伝える方法を検討しています。


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歴史修正主義的な言論は封印してください [平和外交]

 安倍首相に注文したいことの第四は歴史修正主義的な発言を抑制することです。

1.歴史修正主義とは

歴史修正主義は、すでに確定している歴史事実について、自身のイデオロギーに沿って、なかったように主張したり、誇張、ねつ造、改ざんしたりすることで、歴史否認主義ともいう。

2.歴史修正主義の問題点

 安倍首相とその周辺から、「侵略戦争の定義は定まっていない」、「慰安婦の強制はなかった」、「植民地でよいこともした」など、歴史認識を問われる発言があった。向き会いたくない過去があるからこそ、人は攻撃的になり、自己正当化したくなるものだ。しかしこの気持ちを前向き、外向きに転換しない限り、平和外交はさせてもらえない。欧米からさえ危惧の声が聞こえてきている。

3.ナショナリズムとその制御

 歴史修正主義の寄ってくる元は、誰の心にもあるナショナリズムである。ナショナリズムは歴史や伝統への「こだわり」であり、「こだわり」の背後には「認知の欲求」がある。これらはすべて、徳の力で制御されるべきもので、制御出来ない人から、ぽろぽろ出てきて物議をかもすことになる。安倍首相には日本の名宰相になってほしいので、歴史修正主義やナショナリズムに基づく言動を抑制していただきたい。

4.平和外交のための筆者の提案

日本国民としての戦争責任の総括
日本は1951年に対日講和条約に調印して、一応独立国となった。東京裁判において戦勝国によって戦争責任を裁かれたが、日本人として、戦争責任を問う機会を失って、歴史認識に齟齬をきたしたと思う。いまからでも遅くはない。歴史を卒業するためにも、日本人として戦争責任に決着をつけるべきである。

 日中韓の歴史共同研究
南京大虐殺や従軍慰安婦問題などが、時々くすぶりだして近隣外交を台無しにすることが多い。この際、①と連動する形で、日中韓の有識者間で、東アジアの歴史を共同研究すべきである。研究成果は各国の教科書に載せて、正しい歴史認識を持った未来志向のアジア人を育てたい。




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閣僚の歴史認識にかかわる言動を管理してください [平和外交]

 安倍首相は、第3次安倍改造内閣の防衛大臣に、元政調会長の稲田朋美氏を起用した。稲田氏は自民党の最右派で、安倍首相にとっては自分の本音をズバズバ言ってくれる僚友である。終戦記念日には必ず靖国神社に参拝し、日本が核保有を検討すべきだと発言したこともある。

こうした言動が、中国、韓国を刺激し、関係を悪化させないか、政府与党内からも不安視する声が出ている。米国務省トナー副報道官は、稲田氏の防衛大臣起用を受けて、「米国は歴史問題には癒しと和解を促進するアプローチが重要だと強調し続ける」と述べて、自制を促している。

 

 筆者は、稲田氏の防衛大臣起用は、近隣外交をさらに難しくするのではないかと危惧している。右派の人々から自分たちのエースをけなすなという声が聞こえてきそうだが、稲田防衛大臣はなぜそんな狭い道を突き進もうとしているのか、もっと広い道を見つけて進んでほしいといいたい。安倍首相には、ご自身も含めて閣僚の歴史認識にかかわる言動を、しっかり管理していただきたい。

安倍首相に注文したいことの第四の記事の続きとして、その補足を述べた。




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靖国神社に代わる国立の追悼施設を作ってください [平和外交]

 安倍首相に注文したいことの第五は国立追悼施設を作ることです。

1.遺族は怒っている 

兄がペリリュー島で戦死したが、靖国神社にはいないと思っている。兄は戦争指導者に騙されて殺されたのだ。遺族の多くは、「靖国で会おう」を合言葉にして、戦争遂行に重大な役割を果たした靖国神社に対し、強い怒りを感じている。

(昨年12月のブログ「私は遺族だが靖国は認めない」参照)

2.靖国神社は追悼に名を借りたカルトである

靖国神社は今でも境内にある遊就館で、戦争はやむを得なかったと主張し、英霊の顕彰をしている。1978年には時の松平宮司が、反対を押し切ってA級戦犯を合祀した。これが今でも、日本外交の大変な障害になっている。

政治家がもっともらしいことを言って、大挙して靖国神社に参拝するのは、遺族や一部の右派勢力の票がほしいためだけではないか。いまや、靖国神社は国会議員をはじめ熱狂的な信者に支えられたカルトである。

3.国立追悼施設の建立

本来、靖国神社は戦後すぐに解体すべきであった。いまからでも遅くはない。だれでも、わだかまりなく参拝でき、戦没者とすべての戦災死者を心から追悼し、戦争の反省と不戦の誓いができる国立の追悼施設を建立してほしい。

4.アーリントン墓地を見習おう

アーリントン墓地はアメリカ合衆国のために尽くした戦没者300万基を祀っている。宗教については、無宗教というより、どんな宗教でも宗教不問で受け入れている。

毎年5月最終月曜日の、戦没将兵追悼記念日には、多くの参拝者が集まって追悼行事が行われている。外国要人も含めて、いつでもだれでも、参拝できる施設となっている。日本も見習ってほしい。

(昨年12月の当ブログ「靖国問題をどう乗り切るか」参照)


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核廃絶を先頭に立って進めてください [平和外交]

安倍首相に注文したいことの第六は、核廃絶について、世界でリーダーシップを発揮することです。

1.核兵器禁止条約作りの現状と日本の対応

 国連核軍縮作業部会が、今秋の国連総会に勧告する報告書を採択した。「核兵器のない世界」に向けて大きな一歩である。

 100か国以上の非核保有国が条約を支持する中、日本は「現在の安全保障環境を考えれば、条約の交渉開始は時期尚早」と主張し、報告書の採決は棄権した。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、誠に残念である。

 日本はアメリカの核の傘に入って、その抑止力に頼っているが、核の抑止力は本当に必要であり、効果があるのだろうか。核の抑止力に頼らない、安心供与の平和外交を進めてほしい。

2.核先制不使用宣言と日本の対応

 「核なき世界」に意欲的なオバマ大統領が、核先制不使用の宣言を検討している模様である。残り任期の少ないオバマ大統領にとって、同宣言が成立すれば、素晴らしい遺産になると思われる。

核先制不使用宣言は核抑止力を損なうとする反対意見がある一方、先制不使用が核軍縮、核廃絶という人類の希望につながると見る意見もある。筆者の意見は後者である。

 日本は抑止力を損なうとしてすぐに反対を表明したが、多くの非核保有国の希望を踏みにじるものである。再考してほしい。


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カントの永遠平和のために③ 法治のシステム [平和外交]

 カントの「永遠平和のために」のエッセンスを3回に分けて述べる

1.カントの形式愛

 前回の当ブログで述べた、公法の状態の実現・維持には、形式(筆者注=システム)の持つ力によるところが大きいとカントは考えた。

法治には公平性、公開性が最重要である。これは、国家内だけでなく、国家と国家の間にも適用される概念である。

2.邪悪な人間社会の公平性

分配は人間社会で重要な操作であるが、邪悪が本性である人間同志では上手に扱へないのがふつうである。ところが、ケーキを分ける場合、切り分けを担当した人が最後にとるルールを採用すれば、均等な切り分けが保障できる。

これは、最後にとるというシステムによって分配の公平性が確保された事例である。

3.公開性は法の最低限の要件

法が法として機能するには、公開されなくてはならない。公開されることで、法は「すべての人のまなざしに耐えうる」ものとなる。特定の人たちだけを、特別扱いする法は「すべての人のまなざしに耐える」ことができない。これもシステムの力である。

今日、アカウンタビリティ(説明責任)が問われることが多いが、法の公開性に由来すると思われる。

 

コラム 独裁国家は公平性と公開性が不十分で、カントの永遠平和の原理に反している。人口が14億人いても、システムの力を使えば統治は可能であり、国民の自由と平等を保障し、世界に平和をもたらす政治はできるはずだ。


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愛国心と愛国主義 [平和外交]

 9224時台のラジオ深夜便で、作詩家のなかにし礼氏が話された内容に感銘を受けたので、ここで取り上げたい。6月の当ブログ「基本的人権と愛国心」参照

 氏は満州からの引揚者で、一年半も苦労を重ねた末、帰国された。戦争体験を糧に3千曲も作詞され、名曲も数多い。

 深夜便で話された内容の要点は下記である。

1. 愛国心は持っているつもりだが、愛国主義となると首肯できない。こだわりも度が過ぎて原理主義的になってはいけない。

2. 体験から、民族共和を大事にしている。日本人は、中国人などと仲良くしたうえで、違いを尊重し合うのが平和につながる。

3. 自分は右翼でも左翼でもない。異端というところだ。(筆者注:ユーモアあり)

 

コラム 愛国心は誰の心の中にもある。強制するものではなく、自然に育つよう計らうものだ。国旗国歌の強制を叫ぶ人を見ると、戦時中の隣組の班長さんの顔がダブって見える。


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北朝鮮に向けた戦略的平和外交 [平和外交]

 北朝鮮が5回目の核実験を強行した。近隣諸国にとって、ならず者国家に凶悪な兵器を持たせるのは大変心配である。安倍信三首相は国連演説で、北朝鮮への制裁を一段と強化するよう懸命に訴えた。

一方、金正恩政権の立場に立ってみれば、核を保有することで、その核抑止力に縋って、政権の延命を図っているわけである。核実験禁止の安保理決議や、核兵器不拡散条約などの、国際法にかまっている余裕はないというのが言い分であろう。

 筆者は、戦略的平和外交の立場から、下記の対北朝鮮政策を提案する。安倍首相に対応をお願いしたい。

1. 制裁一本やりの政策を転換すること。「北風より太陽」はいつでも真理である。

2. 北朝鮮とアメリカの、条件なしの会談をお膳立てすること。北朝鮮の核開発政策の変更は会談の前提ではなく、会談の成果として期待すべきである。

3. 6ヶ国協議を再開し、北東アジアの平和構築を進めること。

6ヶ国は北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア、韓国、日本)

4.政権選択は北朝鮮国民に任せること。北朝鮮を国際場裏に引き出せば、国民は遠からず、目覚めるはずである。イラクをはじめ、アメリカの力による内政干渉で成功した事例はほとんどない。

4月の当ブログ「北朝鮮にどう向き合うか」参照


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保守右派の論点を検証する [平和外交]

 保守主義の政治思想について、6月の当ブログ「日本の保守主義を解剖する」で述べた。保守主義は伝統、歴史、習慣などを尊重するところから、時に、歴史を美化し、捏造する性癖がある。

典型的な保守右派団体である日本会議は、最近、海外メディアから極右ロビー団体と名指しされた。日本会議は日本の政界にも深く浸透しており、安倍政権と持ちつ持たれつの関係にある。

筆者から見ると、その動きは胡散臭く、戦後70年の平和を損なう危険な存在に見える。政治の目的は国民の幸福の最大化である。安倍政権は、国あっての国民などと、上から目線で言わず、最小の防衛力で、最大の国民の幸福を実現する外交をやってもらいたい。

 日本会議の基本運動方針は、要約すると、皇室尊崇、憲法改正、国防充実、愛国教育などとなっている。この文言をキーワードにして、当ブログの後続の記事で、保守右派の論点を検証してみよう。


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保守右派の論点検証① 皇室尊崇 [平和外交]

 筆者は天皇ご一家を敬愛している一人である。無神論者ではあるが、無限で神秘的な宇宙を考えたとき、人間にとって「祈り」は必要である。天皇は国民一人ひとりの「祈り」を集めて祈ってくださるご存在であると思っている。保守右派の皇室への思いが、果たして正当なのか検証してみよう。

 

論点1.日本は「男系男子による万世一系の天皇」を戴く尊い国である。日本人はこの日本の「国体」に、誇りを持ち、死守すべきだ。

 検証:日本民族に誇りを持つのはよいが、行き過ぎると、他民族より優れていると思い込み、排他的となり、他民族蔑視につながる恐れがある。

 また、社会が日々変化する中で、目的と適応を考えないで伝統的制度に固守するのは、原理主義であり、思考停止である。

 

論点2.戦後、憲法一条の規定のとおり、象徴天皇となったが、保守右派の一部に、天皇は日本の元首に復帰すべきという人が少なからずいる。

 検証:昭和天皇は1946年に「人間宣言」を発し、天皇を神とする考え方を自ら否定し、象徴天皇の道を歩まれることになった。天皇の元首化は、明治憲法の時代に歴史を巻き戻そうとする企みである。

明治以前は、むしろ、天皇は象徴的なご存在であったと言われている。

 

 論点3.男系男子による皇位継承は「血統原理」に基づいたもので、日本の永久に守るべき伝統である。

 検証:少子高齢化の時代に、男系男子にこだわっていては、皇位継承で行き詰まるのは目に見えている。女系・女性天皇もお迎えすべきである。女性天皇は過去に8人おられたという。また継承を円滑にするため、養子をとる制度を設けるなど、皇室典範の大幅改正が望まれる。天皇制は国民と皇室のためにある。いまや、皇室は目的に適った形にデザインされるべき時代である。

 

 論点4.天皇陛下は88日に生前退位のご意向を示された。天皇の生前退位を認めると、国体の破壊につながる。天皇が休息を欲するなら、摂政を設ければよい。陛下は「開かれた皇室」などと言わず、皇居の奥深くにおられるだけで尊い。

 検証:陛下は国民統合の象徴として、一人ひとりの国民に寄り添うお気持ちが強いお方と拝察する。また、陛下は象徴天皇の務めが安定的に続いていくことを願っておられる。国民の9割が陛下のお申し出を理解し、賛成している。政治家は天皇の政治利用をせず、国民も過度な期待を押し付けないで、退位が円滑に進むよう希望している。


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保守右派の論点検証② 憲法改正 [平和外交]

 日本の平和憲法は、制定経緯はどうであれ、世界初の理想の憲法として、戦争の悲惨さをいやというほど経験した日本人に受け入れられてきた。いわば、北極星のように日本人の道しるべとなり、「究極の理想」の憲法とされてきた。自信をもって世界に広めていきたいものだ。

保守右派の憲法改正への執念が、国民に幸福をもたらすものか検証してみよう。

 

論点1.日本国憲法は占領軍に押し付けられたもので、二度と戦争ができないように、日本軍の武装解除を意図したものである。

新しい時代にふさわしい自前の憲法を、日本人の手で作り直すべきだ。

検証:保守右派を代表する、日本会議の創設者で、生長の家の教祖・故谷口雅春氏は、現憲法を大日本帝国憲法に戻したうえで、必要な個所を改訂するというバリバリの憲法改正論者であった。自由民主党にもこの時代錯誤な教祖の信奉者は数多い。

占領軍に押し付けられたとはいえ、その後すぐアメリカが、米ソ冷戦に対応するため日本に再軍備を迫った時、日本人はそれを拒否したが、その時から日本国憲法は自前のものになったのである。憲法改正を考える前に、安全保障環境の方を変える安心供与の平和外交をしてほしい。昨年10月の当ブログ「安全保障は抑止と安心供与」参照

 

 論点2.日本の憲法は戦後すぐ、GHQによって一週間で書き上げられたもので、日本の国柄に合ったものになっていない。

 検証:GHQは戦後すぐ、日本政府に憲法草案の提出を求めたが、出された草案は大日本帝国憲法を部分改訂した代物であった。日本人には任せられないとして、一週間後に出されたのが日本国憲法であるが、日本の敗戦を見越して、十分な時間をかけて作成されたものと思われる。

憲法九条の戦争放棄と戦力不保持(自衛権行使は例外で、国際法で認められている)は、いまや、日本の文化になっている。ノーベル平和賞受賞も近いのではないか。

日本は戦争をしない、戦争の種をまかない、国民の安寧を第一にする平和外交の国になってほしい。

 

コラム 朝日新聞の今年5月のアンケートによると、憲法改正反対は68%、賛成は27%で、3年前の52%、39%より賛否の差が開いている。

憲法は政治権力者を縛り、暴走を防ぐ防波堤である。安保法改正で憲法を捻じ曲げておいて、「憲法を解釈する責任者は私だ」とうそぶく安倍首相は間違っている。

「日本会議」の憲法改正の執念はすごい。洗脳隊を地方議会に派遣して、地方議員を改憲派に作り替えている。


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