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経団連は庶民の敵 [詩・俳句・エッセー]

経団連は庶民の敵

 経団連が、9月11日、少子化対策など社会保障財源として、消費税の引き上げが“優良な選択肢”だと提言した。

 7月の調査で、実質賃金は前年同月比2.5%減、6か月連続マイナスという発表があったばかりのこの時期にである。

筆者の意見:

①消費税は庶民にとって逆進性があり公正性を損なう税制である。

➁経団連は消費税増税と法人税減税をセットで、ごり押ししており身勝手である。

③企業にとって消費税増税は消費の冷え込みで業績悪化につながるはず。経営者はデフレのほうが楽なのだろうか?

④輸出企業は消費税増税により、輸出還付金を沢山受け取るが、庶民から見て納得できない。

 

俳句 題: 彼岸花(曼殊沙華)

曼殊沙華命を燃やす二倍速

青空に生命賛歌曼殊沙華

世の中は嘘八百や曼殊沙華

腹中に蔓延る「あやつ」彼岸花


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財政破綻論者の脱成長論を斬る [詩・俳句・エッセー]

 先日の朝日新聞「多事奏論」欄に編集委員・原真人氏が「今こそ小日本主義」の記事を出し、岸田政権は、防衛費や少子化対策に対し無謀なバラマキをやって財政破綻や円暴落リスクを高めていると書いている。


筆者の意見:


①財政破綻論者は完全論破されてずいぶん減ってきているが、原真人氏は貨幣の機能をまるで理解しようとせず、新聞という公器を使って読者を惑わせている。


➁石橋湛山が唱えた小日本主義は、戦前の好戦的な軍部をいさめたもので、国民を豊かにするマクロ経済政策に異を唱えたものではない。


③他国が経済成長している中で、日本だけ世界で唯一30年間も経済停滞を続けることは、国民への裏切りであり政府の不作為である。


④脱成長論は敗北主義者の言説である。国民を豊かにし、格差を是正して自殺者を減らし、財政再建を果たし、安全保障を確保し、国際社会で一定の役割を果たすには経済成長を継続するしかない。


⑤地球環境保全や、アフリカの人口爆発が問題なら、経済成長の成果の一部を対策費に充当すればよい。


 俳句 題: 旅


池を抱く合掌造りや月さやか


雪しんしん白川郷の明かり窓



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少子高齢化対策と日本復活 [詩・俳句・エッセー]

 先日の「マイあさ」ラジオに「経済の長期停滞と少子高齢化」というテーマで、慶大教授・小林慶一郎氏が出演した。長期停滞の原因の一つは少子高齢化で、2065年には65歳以上の高齢者率は40%に達し、2070年には総人口が8700万人に減少するという。現行の異次元少子化対策も効果は乏しく、鍵は移民の受け入れとイノベーションの実行力であるとしている。

筆者コメント:

①長期停滞の理由は少子高齢化ではない。少子高齢化でも立派に経済成長している国はいくつもある。

➁小林教授は政府の諮問会議に参加していて政策提言できる立場にあるにもかかわらず、帰納的な人口推計をなぞるだけなのは情けない。

③移民に頼る論者は経団連の犬である。移民は国民を低賃金におとしめ、格差を拡大し、日本をさらに衰退させる。

筆者の提案:

①貨幣観を是正し、財務省が拘る財政均衡至上主義を克服しよう

➁不況期の積極財政(政府が国債を出してデフレギャップを埋めること)と好況期の緊縮財政(インフレ抑制のため歳出削減、増税)を上手に使い分けて、30年間の長期停滞を脱しよう。少子化などは自然に解決する。

③政府がマクロ経済に責任を持ち、自然災害に強い国、生産性が高い国、技術力が世界一の国を作り次世代に引き渡そう

 

俳句 題: 花野

花野ゆく浴衣姿の二人連れ

丘埋めるパステルカラーの秋桜よ


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遺伝子組み変え食品の危険性 [詩・俳句・エッセー]

1.遺伝子組み換え種子の脅威

 米国では、1996年から、遺伝子組み変え種子の商業利用が始まり、大豆・綿花・トウモロコシの9割以上が遺伝子組み替え種子に置き換わってしまった。

米バイオ企業・モンサント社(独バイエル社が買収)は、除草剤・「グリホサート」(商品名ラウンドアップ)を開発した。さらに、ラウンドアップだけに耐性を持つ遺伝子組み換え種子を開発し、種子と農薬をセットで販売して大儲けをしている。

 他社の農薬を使用すると苗が枯れてしまうので、農家はモンサントの種子と農薬をセットで購入するほかに選択肢を持たない。

年々、雑草が耐性を持ち、ますます強い農薬を使う羽目になり、特許使用料を延々と払わされることになる。そして、悪循環の末農地が荒廃し、農民はタダ同然で農地を手放し、ますます農地の大規模化が進むことになる。

2.遺伝子組み変え食品の薬害

 グリホサートの蓄積は、がん、白血病、肝臓病、アレルギー、奇形の発生などの健康リスクがあるとする報告もある。2016年、欧州委員会はラウンドアップの使用延長をしないと決定した。

 そんな中で、日本政府だけがアメリカ産輸入大豆のグリホサート残留基準を5倍に引き上げた。ほくそ笑むのは、おいしいところを攫ってゆくグローバル多国籍企業で、新自由主義に基づくグローバリズムの行き着く先である。

3.世界の失敗事例

 米国アグリビジネスの巧妙な手法によって、インド、イラク、アルゼンチン、メキシコ、ブラジル、オーストラリアなどの農業がバイオ企業の軍門に下った。自然災害に付け込まれて、「復興支援」の名のもとに遺伝子組み換え作物に転換させられた国もあった。

 大規模農場で、最新農機具やドローンなどを使えば、農薬散布などに人間の労働力は要らなくなる。農民は土地を失い経済難民となって、都市のスラムに流れていくことになる。

 

俳句 題: 啄木鳥(きつつき、てらつつき、けらつつき)

改革の至上主義者やてらつつき

「貨幣とは何か」知らぬ学者らけらつつき


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「種子法」を取り戻そう [詩・俳句・エッセー]

「種子法廃止」が日本の経済・社会に何をもたらすか考えてみよう。

1.「種子法」は食の安全保障

 1952年、「主要農作物種子法」が導入された。日本の主食である「コメ・麦・大豆」という3大農作物の「種子」の安定的な生産と普及を目指した法律である。

コメを例にとると、自治体の農業試験場が原種を栽培し、種子栽培農家で手間暇かけて栽培され、JAに集められ、「公共種子」として安定価格で一般農家に供給されてきた。この結果、奨励品種だけで300種以上のコメが「日本人の公共資産」として受け継がれてきたのである。

 地味な「種子法」だが、日本人の食の安全保障にとって、極めて重要な法律であった。

2.種子法廃止の経緯

2016年、内閣府の「規制改革推進会議」は「民間の品種開発意欲を阻害している『種子法』を廃止する」と決め、2018年、国会は大した議論もなしに「種子法の廃止」を決めてしった。

結局、種子事業を民営化して、「国産種子・農民種子」を多国籍国際企業が開発した「特許種子」に置き換える企みであった。

3.「種子の開発データ」の民間解放

政府は、2017年、「良質かつ低廉な農業資材(種子を含む)の供給に関する施策」と銘打って、「農業競争力強化支援法」を制定した。

条文には、民間事業者が行う種子の技術開発、新品種育成を促進するため、都道府県が有する「種苗の生産に関する知見」を、外国を含む民間事業者に提供するという規定も入っている。

自治体が、長年蓄積してきた「種子の開発データ」を無料で民間企業に公開する羽目になったが、驚いたことにほとんど議論もなかったという。

4 まとめ

①「種子法廃止」は、モンサント社(現バイエル)など、ハゲタカ巨大企業の市場開放要求に屈した代表事例である。

②「農業競争力強化支援法」の制定は、農業所得の向上や、農業の競争力強化という美名のもとで、農業資材を扱う地場産業を衰退させ、地方を切り捨てる政策であった。

 

俳句 題: 家族

伴侶など求めぬ孫や蝸牛

少子化の予算倍増かたつむり


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水道民営化に反対 [詩・俳句・エッセー]

 グローバリズムの行き過ぎの事例の第一は水道民営化である。欧米の水道民営化は1990年代に始まり、水道料金高騰や、サービス・水質低下などの理由で、2000年以降、世界37か国235都市が、水道事業を公営化に戻している。

 水道民営化を周回遅れで始めたのが日本である。2017年、浜松市が日本で初めて下水道運営権を仏ヴェオリア社に売却した。現在までに8.8%の企業体が運営権や検針業務の民営化を実施している。

 有名なのは宮城県で、全国で初めて県単位の上下水道の運営権を20年間10億円で民間企業に売却し、昨年4月より民営化を開始した。村井嘉浩県知事は民営化により337億円のコスト削減が見込めるというが、実現の見通しはなく、逆に県民の負担増が懸念される。

日本のような災害大国では、国民の命にかかわる水道事業の民営化はやってはいけない。

 

俳句 題: 朝顔

人生は短し朝顔の如し

朝顔は深紅訪ねる蟻は黒


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日本を売り渡す、構造改革に反対 [詩・俳句・エッセー]

 行き過ぎたグローバリズムは、国民の命を守るべき「国民国家」の働きを損なってしまうものである。現に、移民法、種子法、水道法、IR推進法、漁業法など、自民党政権は、ろくな審議もせずに法改正を行った。米国などからの圧力に屈したとはいえ、国際金融資本に日本を売り払ったに等しい。


例えば農協つぶしを見てみよう。農家が集まって農協を、農協が集まって全国農業協同組合連合会(全中)を構成していた。グローバリストは、農協に「既得権益」のレッテルを張って、構造改革・規制緩和を押し付け、利益を寄こせと迫ってきた。結果、日本の良き共同体の文化が壊されつつある。


最近の国会を見ていると、国民を代表するはずの立法府(議会)が行政府のしもべとなっている。日本の地域経済の存立を危うくする法改正について、内容をもう一度見直して、過当競争を回避し、適正な賃金を払い、国民を大切にする日本を取り戻そう。


ただし、国際主義(インターナショナリズム)や多国間連携は大事であり、グローバリズムとは異なる。


 俳句 題: 夏休み


夏のラジオ体操競うはシール


残りたる宿題の山8月尽



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脱・グローバリズムの動き [詩・俳句・エッセー]

 貿易は必要ではあるが、移民の増加などのグローバル化の行き過ぎで、国民の間に分断が生じ、「米国第一」のトランプ大統領出現、英国EU離脱、フランスの黄色いベスト運動などの反・グローバリズムの動きが起きている。

日本では、「令和ピボット」のような運動が始まった。経世済民の精神を放棄し、緊縮財政と「小さな政府」に固執し、日本を長期低迷に導いた自民党政権に対し、「反・緊縮」、「反・グローバリズム」、「反・構造改革」へと政策の転換(ピボット)を促す国民運動である。

国民の一割がこの運動に理解を示せば日本は変わることができると思う。しかし、多くの既成政党は、与党も野党もグローバル化を信奉し、規制改革、構造改革、緊縮財政を採用して、日本の衰退に加担している。

れいわ新選組だけが、グローバル化の行き過ぎを自覚し、反・緊縮など国民の方を向いた政策を掲げていると思う。

 

俳句 題: 酷暑

酷暑日の真昼や溶けるアスファルト

極暑日や木陰であえぐ牛の群れ


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日本維新の会と身を切る改革 [詩・俳句・エッセー]

 日本維新の会は「身を切る改革」を党是に掲げて勢力を伸ばし、今や野党第一党の地位を確保した。この党是は新自由主義の権化のようなスローガンで、国民の不満(ルサンチマン)を巧妙に掬い取り、党勢拡大に役立ててきた。


しかし、国力を失い衰退する日本にとっては毒薬である。


1.議員定数の削減はポピュリズムへ道を開く


 維新の主導により、大阪府議や市議の定数削減が進んでいる。中選挙区制から実質的な小選挙区制への移行により、勢いのある維新の議席独占を狙っている。これは地方議会に多様な民意を届ける道を閉ざすものである。歳費はGDPの一部で全く無駄というわけではない。僅かばかり削っても割に逢わない。


2.大阪都構想は新自由主義の申し子


維新が過去2回、住民投票で敗れた大阪都構想は、新自由主義の小さい政府を志向している。こんな考え方の首長がいる地方都市は、GDPを減らし、行政サービスを劣化させる。現に大阪府はそうなっている。脱グローバリズムを模索する日本の現状に合わない政策である。


3.新自由主義バリバリの維新の公約


①身を切る改革 国会と地方議会の議員数と人件費について、国会は3割、地方は2割削減すると公約している。


筆者の意見:維新は改革至上主義の右派ポピュリズム政党で、不況を克服できない今の日本にとって全く相応しくない政党である。貨幣観を根本的に間違えているからこそ出てくる政策ばかりです。


➁経済成長戦略 市場競争原理を徹底し、民間の創意工夫でイノベーションを創出し成長産業を伸ばすと公約している。


筆者の意見:需要不足に喘ぐ産業界に自由競争を強いるだけでは成長産業は作れない。不況期には政府と自治体が積極財政で需要不足を解消するのが先だ。


 


俳句 題: アイス


おやつ時赤いアイスをじゃんけんで


駄菓子屋のアイス売り切れ子らは悲鳴


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グローバリズムの病理 [詩・俳句・エッセー]

1.グローバリズムとその経緯


①グローバリゼーション歴史: 1914年の第一次世界大戦を契機に終わった第一次グローバル化の後、現在は、1980年代に始まった第二次グローバル化が、2008年のリーマンショックをピークに転換期を迎えている。


➁主導者と勝者: ミルトン・フリードマンの新自由主義に悪乗りし、物・人・金の移動を自由化して、世界の富を独占してやろうというのが、国際金融資本・軍産複合体・戦争屋である。


2.グローバリズムの構造


①自由貿易


「モノ」「サービス」「ヒト」「カネ」が国境を越えて自由に移動すること。政府による産業保護、経済活動の規制が非効率の源泉であり、正義に反するとして、「小さい政府」・「規制緩和」、さらには「国境の廃止」を指向する。自由貿易は必要だが、程度や限度というものがる。


➁規制緩和


 産業保護をはぎ取って、競争を促進し、国際金融資本に門戸を開放し、自由貿易を促進することになる。


これが過当競争を生み、国内産業を疲弊させ、勝者と敗者の経済格差を拡大させる。最後の勝者は国際金融資本だけという事態を招く。現に、アメリカなどの帝国主義国家が、軍産複合体や多国籍企業を操って、世界の富を吸い上げる戦略を実行している。


③緊縮財政


「小さい政府」は緊縮財政と親和性が高く、所得の中間層を減少させ、貧困層の大量発生につながっている。


 俳句 題: 梅雨明け


コロンとカップイン梅雨明けの青空


完治せし口内炎や梅雨明くる



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新自由主義とミルトン・フリードマン [詩・俳句・エッセー]

 ミルトン・フリードマン: 1912年ニューヨーク生まれでシカゴ学派の重鎮。1976年ノーベル経済学賞受賞。


 彼は自由市場、自由貿易を重視し、市場競争が経済の繁栄をもたらすとして新自由主義を提唱した。具体的には、規制緩和、官から民へ(民営化)、小さい政府、自己責任、福祉の切り捨て、緊縮財政等の政策が推奨された。


筆者の意見:


この政策は、インフレ時には弊害が少ないが、デフレ時にはデフレスパイラルを昂進し、経済的格差を拡大し、自然災害への対応力を損なって、社会の不安定化を助長すると思う。


また、国際金融資本が好むグローバリゼーションと合体して世界的な富の収奪に加担している。


俳句 題: 虹


運命の妻との出会い虹二重


父母の子に生まれきて虹の朝



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経済学者の財政意識調査 [詩・俳句・エッセー]

東京財団政策研究所が昨年末、経済学者(回答282人)を対象に財政意識調査を実施した。設問の一部を取り上げ、回答率を記載した。右の欄は筆者のコメントである。  


設問

選択肢

回答率

筆者のコメント

日本経済は将来成長できるか

成長はできない

50.0

経済は政治で動かせることがわかっていない。積極財政派は3%位しかいないことが分かった

構造改革をすればできる

36.9

大規模財政支出でできる

3.2

財政赤字は問題か

大変な問題である

44.3

学者のくせに貨幣観を間違えている。不況期の財政赤字は当然のことである。

ある程度問題である

42.2

問題ではない

6.0

借金増加で何が起きるか

増税と歳出カット

44.3

いまだに財政破綻を言う学者が11%、ハイパーインフレが21%もいる。

高インフレ

21.3

国債のデフォルト

11.3

消費税の増税は必要か

15%~20%への増税が必要

48.2

経団連や財務省の犬が大勢いる。消費税が日本衰退の原因であることを理解していない。

10%の現状維持

30.9

減税が必要

8.5

政策の優先順位は何か

規制改革

60.3

角を矯めて牛を殺すような規制改革頼みはダメだ。財政再建を主目的にすると財政が硬直化し永遠に達成できない目標になる。

分配政策

18.1

財政再建

12.8

大規模財政出動

3.9


文藝春秋の5月号に斎藤次郎元事務次官が「財政規律至上主義」の記事を掲載した。日本経済のパフォーマンスより、省益が大事だという。人格が疑われる寄稿であった。政治家が財務省を管理できないと、日本経済復活の道は大変険しい。


 


俳句 題:七夕


七夕の短冊赤し我卒寿


願いより重き祈りの星祭


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財源は自然増収 [詩・俳句・エッセー]

 国会では延々と不毛な財源論が飛び交っている。しかし、正しい財源論は、スペンディングファーストでまず国債を財源とし、経済成長による税の自然増収をもって埋め合わせることだ。

そのための政策の要点は下記である。

1.骨太の方針からプライマリーバランス黒字化目標を削除
国の政策課題は経世済民であり、国民を豊かにし幸せにすることだ。財政均衡一辺倒な財務省の省益は、好況期はともかく、不況期や横ばい期には国益である経世済民と一致しない。

2.奪い合いから富の創造へ 
分配を先にし、デフレギャップを埋めて、成長とパイの拡大を実現しよう。歳出改革というパイの奪い合いは人を不幸にし、デフレ圧力を高めて成長を妨げる。

3.大規模、長期、計画的な財政政策、成長戦略の実行
アベノミクスは、金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を掲げたが、ほぼ金融政策の一本槍で成功しなかった。
経済成長は需要が供給を上回った時に起こる。需要不足で民間が苦しんでいるときは、貨幣発行の主体である政府が需要不足分にプラスアルファーを載せて支出することで好況と成長が実現できる。
財政支出先と規模、成長する技術分野について、10年計画を公表し毎年見直しをしよう。政府の失政による失われた30年を取り戻すには20年はかかるだろう。

4.経済成長と税の自然増収についてシミュレーションを公表
成長すれば税収が自然にどれだけ増えるか試算できる。現行の累進税率を改定して、儲かって所得が増えた人からより多く納税してもらうのは無理がなく理にかなっている。

 国民の99%が財務省の財政破綻のプロパガンダに騙されているが、シミュレーションの結果を見れば安心することができる。

 

俳句 題:ホトトギス(不如帰、時鳥)

亡き父の寝物語やほととぎす

老いてなお来年もまた不如帰


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緊縮財政と積極財政の論点整理 [詩・俳句・エッセー]

 国会では延々と不毛な財源論が飛び交っている。国債を大量発行して後世にツケを残すなというが、国債は貨幣発行であって後世へのツケではない。財政健全化・PB黒字化を目的化して、投資チャンスを逃し、後世に衰退国家を残すほうこそ悪いツケである。財政健全化一辺倒な財務省の省益は、好況期はともかく、不況期と横ばい期には国益と一致しない。

ここで、緊縮財政派と積極財政派の論点整理をしてみよう。

 

 

論点

緊縮財政派

積極財政派

1

成長不要論(脱成長論)は正しいか

環境保護の立場から現状維持が精々で経済成長は望むべきでない

日本だけ30年間も成長できないのは大問題。これは政治の失敗であって、絶対に容認できない

2

成長不能論は正しいか

人口減など、成熟社会に入った日本はもはや成長は望めない

人口減で成長する国はある。また人口減少は政治の失敗で、解決策はある。インフラ整備等に政府の投資が必要

3

積極財政の効果はあるか

政府が支出を増やす積極財政をやっても、成長するとは限らない

政府支出はGDPの構成要素である。政府が財政をふかせばその分GDPは増える。支出の量が足りないだけだ。

4

積極財政一辺倒で大丈夫か

国民の借金である国債残高がこれ以上増えると返せなくなり財政破綻する。

国債は国民の負債ではなく政府の貨幣発行だ。また積極財政一辺倒ではなく好況期には緊縮財政に転ずる。

5

国債は次世代へのつけか

財源の国債依存を高めると、次世代に大きなつけを残すことになる。

国債は政府の負債となっているが、貨幣発行であって、次世代のつけではない。好況時の自然増収で残高は減る

6

横ばいはデフレなのか

デフレは経済の病気というが、日本経済は横ばいであってデフレとは言えない

横ばいでは他国に負ける。人的物的資源を120%活用する高圧経済を実現するまで、政府は需要不足を埋めよ。

7

成熟社会で成長しにくい現場がある

国民はモノ余り、工場は海外逃避の現状で衰退は必然

家電は行き渡っているが、イノベーションで需要は変化するもの。新規需要創出と工場の国内回帰はできる。

8

少子高齢化は止められないか

家庭を持つコスト高騰で、非婚化、少子化は止められない

教育国債を発行し、非婚化、少子化対策を厚くすれば少子化は止められる

9

アベノミクスは成功したといえるか

失業率を改善し、デフレとは言えない経済を作った

非正規雇用を増やし、格差を広げて分断が深まった。2度も消費税を上げて、横ばいの経済を続けた。

10

非効率な中小企業は淘汰すべきか

企業の競争力強化のため、規制緩和、構造改革が必要。

非効率な中小企業はつぶれてもやむをえない

新自由主義者(アトキンソンら)がMAなどのビジネスで儲けている。

高圧経済を実現すれば自然淘汰で中小企業問題を小さくできる

 

俳句 題:雷(別名 はたたがみ)

老木を燃やす力のはたたがみ

雷鳴やプレー急がすゴルフ場


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投資先⑦ 小さい政府から大きい政府へ

成熟社会で経済成長するため、小さい政府を大きい政府にするための投資を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。


①公務員・地方公務員の増強:  一例として国有の土地公社(不動産屋)を考えてみよう。地主が土地を売りに出した時、外国資本が買い手の時は土地公社が優先的に買い取る制度を作る。北海道の水源地や沖縄の離島を中国資本が買い取るのを防ぐことができる。


➁ 株主資本主義脱却のための政策誘導: 配当に偏った利益処分を賃金などにも回すための政策減税


③基礎技術研究: 政府が人・金を出して、リスクの高い基礎技術研究を行う。成果を民間企業に売却し、ユニコーン企業創出の可能性を高める。


AI等の進歩に伴う転職支援: AIの普及でなくなる、運転手、小売店員、作業員、銀行員、ライター等の従事者を円滑に転職させる。


上記に対し、政府による長期・大規模・計画的な投資と、その周知が必要である。


 


俳句 題:料理


帰省子をもてなす母の冷し汁


もてなしの流しそうめん子らの声


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投資先⑥ 国内企業支援 [詩・俳句・エッセー]

 成熟社会で経済成長するため、国内企業への政府の投資を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。

①海外進出の工場の国内回帰: 欧米が金融引き締めをし、円安になった今が国内回帰のチャンス

➁ベンチャー育成: 大学発ベンチャー、企業内ベンチャーへのファンド創設

③先端技術: 人工知能(AI)、ロボット工学、3Dプリンター、ブロックチェーン、IOT、量子コンピューター、バイオテクノロギー、ナノテクノロジー、ビッグデータ解析、

仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、宇宙開発など、失敗のリスクがあり民間企業では手が出せないが、成功すると日本の国際競争力を高める基礎技術分野

上記に対し、政府の長期・大規模・計画的な投資と、その周知が必要である。

 

俳句 題:万緑

万緑や天元に置く黒い石

万緑や木々の影なす散歩道


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投資先⑤ GX関連投資 [詩・俳句・エッセー]

成熟社会で経済成長するため、GX(グリーントランスフォーメーション)関連分野への政府の投資先を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。


①再エネ活用: 太陽光、風力、原子力、水素・アンモニア、バイオマス発電等


 ➁エネルギー効率改善: 蓄電池活用、省エネ機材の開発、断熱性能向上、地産地消の促進


 ③運輸システム改革: 次世代自動車、航空機、鉄道、物流、水素ステーション設置


④カーボンニュートラル促進: 企業、家庭、公共のCO2削減


 ⑤資源外交の強化: 省エネしても不足する資源を安価に調達するための外交


上記の投資には官民協力が必要だが、財源は奪い合うものでなく、作り出すものである。


特に、政府には長期・大規模な投資計画の発表を期待する。


俳句 題:南風

 黒南風(くろばえ)は梅雨のころ吹く南風で、湿度が高い。白南風(しろばえ)は梅雨明けに吹く南風。

黒南風ややおら取り出す扇風機

白南風や雲の流れる富士の嶺


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投資先④ DX関連投資 [詩・俳句・エッセー]

政府は成長戦略の一環としてデジタル庁を作り、デジタルトランスフォーメーション(Ⅾ✕)に力を入れている。


成熟社会で経済成長するため、DX関連分野への政府の投資先を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。


①自治体情報システム構築: 自治体間のシステム標準化支援、AI活用支援、テレワーク推進支援、セキュリティ対策支援など


➁地域社会のDX化: 地域団体と自治体を結ぶ情報システムの支援、デジタルデバイド解消支援など


③情報通信インフラ: 多数同時接続や超低遅延のための5G,Gの技術開発、携帯電話料金低廉化、ブロックチェーン技術の開発などへの投資


④リスキリング: 人工知能(AI)の発達で無くなる仕事は運転手、小売店員、作業員、銀行員、ライターなど、AIで残る仕事は医師・看護師、弁護士、保育士、教師といわれている。


技術革新で失業者を出さないためには、リスキリングに対し政府の支援が必要である。


 俳句 題: 蛍


闇の中手をつなぎ合う蛍の夜


幽玄の炎を燃やす蛍かな


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投資先③ 食糧自給率向上 [詩・俳句・エッセー]

 2021年の食糧自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースで63%となっている。

成熟社会で経済成長するため、食糧自給率向上の投資先を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。

 ①生産性向上策: 農地の集約化、農業の工業化、スマート農業の普及、作物の多様化などに政府が補助金を出す。

 ➁食品ロスの削減策: 計画的食材調達。料理を少なめに作り不足したらレトルトを使う。大量に余ったらフードバンクやチャリティ団体に寄付する。

 ③労働力不足対策: 労賃の一定割合を政府が補助し、農業従事者の報酬をアップする

 ④農業協同組合の再活性化: 政府が農協を財政的に支援し、必要なら農地法を改正する

 

俳句 題: ファッション

流行は追わずいつもの夏帽子

出会いたる友は濃いめのサングラス

 


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投資先➁ 公共投資 [詩・俳句・エッセー]

成熟社会で経済成長するための投資先を考えてみよう。(4月21日の当ブログ参照)。


日本の公共投資は緊縮財政と新自由主義志向によって、1996年から2020年にかけて半減した。結果、日本の生産・供給能力の維持向上に欠かせない道路、橋、港湾などのインフラが老朽化し、災害対応も危機的状況にある。


岸田首相は外国経営者との会合で、「インベスト岸田」と叫んで、外国資本の導入を勧誘したが見当違いである。外国に頼らなくとも、国内に財源はいくらでもある。貨幣観の間違いを正して国債を財源とすればよい。


実質経済成長率3%程度を安定的に実現するまでは、政府が国債を発行して財政出動をすべきである。経済成長が継続すれば、国民が豊かになり、税の自然増収で歳入が増えるはずである。


要するに、財源は自然増収であり、経済成長の余禄である。成長なくして財政健全化はない


 俳句 題: 羅(うすもの)


羅や京の五条の夕まぐれ


羅や浮世絵美人の腰の線


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投資先① 非婚化の対策 [詩・俳句・エッセー]

 国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50才時の未婚率は下記のようになっている。



 

2022

2000

倍率

男性

28.25

12.57

2.2

女性

17.81

5.82

3.1



 結婚は個人の自由とはいえ、未婚化による人口減少を放置すべきではない。人への投資の一分野として、下記、未婚化対策が必要である
4月21日の当ブログ参照)。



①デフレ期の積極財政で高圧経済を実現する。
➁非正規を減らし、正規社員を増やすため政府が企業に補助金を出す。
③政府の子育て支援を拡充する。
④東京一極集中を是正する
⑤家族に対する価値観を転換するため、イメージアップ作戦をする



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少子高齢化はチャンス [詩・俳句・エッセー]

 日本は少子高齢化が進んで労働力人口が減少し、経済成長できない国になったと思われている。しかし、この悲観論は2つの点で間違えている。


 ①少子高齢化が低成長の原因ではない。現に欧米で少子高齢化に向かっていて、ちゃんと経済成長している国は多い。政治の失敗が低成長の原因であって、少子高齢化はその結果である。原因と結果を取り違えてはだめだ。
 だからデフレ不況期にデフレギャップを埋める積極財政をすれば、この問題は長い時間がかかるが緩和される。


 ➁少子高齢化は日本にとって逆にチャンスである。労働力不足に直面した企業は、デフレギャップさえ埋まれば、人への投資や労働生産性向上投資で切り抜けようとするはずで、成長と分配の好循環がもたらされる。
 ところが、経団連は労働力不足に直面して、安易に移民に依存しようとしているが、移民は治安の悪化や労働者の賃金引き下げにつながる。国民を不幸にする、取り返しのつかない政策はやってはいけない。


 俳句 題: 四十雀(しじゅうから)


せわしなく餌場に通う四十雀


四十雀遊ぶやバラの棘の中





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成熟社会と経済成長 [詩・俳句・エッセー]

日本のような成熟社会では、経済成長は望めないし、望むべきではないという言説がある。本当だろうか。成熟した日本社会の現状と、経済成長のための方策を考えてみよう。悲観は不要。


項目

成塾化した日本社会の現状

経済成長するためのキーワード

少子高齢化、草食男子、チャレンジ精神喪失、貧富の格差拡大

少子化対策予算増と、非婚化対策の実施、人への投資拡大、所得税の累進強化

物余り、需要衰退、災害対応インフラの不備

公共投資、AI関連新製品開発、省エネ新製品開発、サービス経済へのシフト

貨幣観の誤解、バラマキ=財政破綻の悪宣伝

国債は借金でなく貨幣発行、貨幣は信用創造、政府赤字=民間黒字、デフレ期は積極財政推進

技術

先端技術、情報技術の出遅れ、研究者の海外流出、投資先の選択と集中(大化け製品の不発)

政府による長期技術投資計画の公表、食糧自給率向上投資DX投資GX投資、温暖化対策投資、

企業

工場海外移転、国内産業空洞化、金融経済偏重、チャレンジ精神喪失、今だけ・金だけ・自分だけの蔓延

海外工場の国内回帰、企業内ベンチャー奨励、株主資本主義是正(短期利益・配当)、

働き方改革、生産性向上投資

政府

PB黒字化目標に固執、政府の店じまい、地方衰退

PB黒字化目標を廃止、公務員を3割増強し大きい政府を志向、地方交付税交付金の増額

貿易

グローバリズムの蔓延、自由貿易至上主義、価格競争に敗退

新自由主義の弊害を総括、国際有志連合を作り脱グローバリズムへの転換を進める


 灰色と黄色は特に重要なキーワード。


成熟社会は欧米にいくらでもあり、日本だけの問題ではない。にもかかわらず、日本だけが衰退しているのは政府の失敗が原因である。


上記の表を見れば、経済成長の種はいくらでもあることがわかると思う。


俳句 題: 恋愛


「亀鳴く」は春の季語。亀は鳴かないが、鳴き声を聞いたような気がする春の長閑さを連想する。ゴルフ場の池では、亀が二匹甲羅干していた。


亀鳴くや5番ホールの蓮の池


初恋の思い出淡しれんげ草


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脱経済成長論は敗北主義 [詩・俳句・エッセー]

1.斎藤幸平の脱成長論(人新世の「資本論」による)

現在の「資本主義」経済システムは、利益のみを追求する資本の論理によって、地球環境を破壊し、貧しい労働者を大量に生み出し、一握りの富裕層に富を集中するシステムになっている。

そこで、人間誰もが必要とする水道、電力、住宅、医療機関、教育施設などを共有財産にして、人々の手で管理し、無償・安価に提供する「コモン」化が必要だと考えている。

コモン化によって経済をスローダウンさせ、地球にやさしい脱成長経済を実現したい。

2.筆者の意見

①脱経済成長を言うなら、国連主導の国際的な取り組みでなければならない。日本は政治の失敗によって、四半世紀にわたって図らずも世界で唯一脱経済成長を実現し、日本国民を貧乏にした。

➁地球環境を言うなら、コモン化でなくても、経済成長の成果の一部を環境保全に回せば済む話である。成熟社会では経済成長はできないという論者は多いが、経済成長の種はいくらでもある。

③日本の政治の失敗は、政府が貨幣観と経済財政政策を間違えた結果である。政府にしかできない仕事を放棄せず、不況期には積極財政、好況期には緊縮財政という正しい経済財政政策に転換すれば日本は復活できる。

 

俳句 題: 春風

窓開けて卒寿の朝や春の風

春風やぽんと生まれし句の言葉


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温暖化ガス排出量削減 [詩・俳句・エッセー]

 温暖化ガス排出量を因数分解すると、次の通り①、➁、③の掛け算になる。

温暖化ガス排出量=①人口 X ➁GDP÷人口 X ③温暖化ガス排出量÷GDP

温暖化ガス排出量を削減するには、3要素を減少させればよい。

  人口を減らす

世界の人口は現在約80億人で、2080年代に104億人でピークに達するといわれている。人口の増加は温暖化ガス排出量の増加に直結するので、人口減少の効果は大きい。

脱成長論者は、人口減少は頭から無理と考えているが、アフリカなど発展途上国に対し、国連主導の貧困対策、教育、避妊具の供与などの施策は有効であると思う。人口推計は所与ではない。

➁ 一人当たりGDPを減らす

 脱成長論者は、一人当たりGDPを増やさず、横ばいないし減少を企図している。これこそ脱成長論者の中心テーマであるが、問題の解決にはなっていない。

 先週述べたように、現在の市場経済では世界各国の脱経済成長は進むはずがない。だだし、日本だけが意図せず政治の失敗で脱成長を実現し継続しているのはつらい。

  GDP当たり温暖化ガス排出量を減らす

 GDP一単位を生み出すために、温暖化ガス排出量をいかに減らすかという問題で、これこそが最重要なテーマである。

 生産技術、科学技術、人の生活技術などの向上によって排出量削減は達成される。そのためには、政府の財政支出による積極的な投資が望まれる。

 

俳句 題:燕

4月5日~4月9日は、七十二候の「燕来る」で、二十四節気「清明」の初候にあたる。

赤い口大きく広げる燕の子

南から春を連れ来る燕かな


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脱成長論とその批判 [詩・俳句・エッセー]

1.セルジュ・ラトゥーシュらの脱成長論


 ラトゥーシュによると、現資本主義国の成長至上主義は際限のない消費、自然収奪、環境汚染をもたらし、結果、地球の再生力を奪い、不平等が拡大している。


 そこで、脱成長論者は、「簡素な生活が好循環する社会」「節度ある豊かな社会」を構想する。


具体的には、①人間が資源やインフラを共有する「コモンズ」の復権、➁「成長なきグリーン・ニューディール政策」、③「所得とサービスの保障」④「労働時間の削減」⑤「環境と平等のための公的支出」の5つ改革を提唱している。


2.脱成長論に対する主な批判


①コモンズの復権などの復古的な対応では世界が直面する気候変動問題を解決できない


➁現在の新自由主義的市場経済の浸透力にはあらがえない、と批判している。


 ではどうしたらよいか次週以降のブログで述べる。


俳句 題:桜初めて開く


3月26日~3月30日は、七十二候の「桜初めて開く」で、二十四節気「春分」の次候にあたる。今年は桜の木の下に、マスクなしの素顔の花見客が団欒していた。


花見酒素顔の会話ここそこに


縁日の夜店の明かり花むしろ


 



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菜虫蝶となる [詩・俳句・エッセー]

 3月16日~3月20日は、七十二候の「菜虫蝶となる」で、二十四節気「啓蟄」の末候にあたる。


 初蝶や詩人の心鷲掴み


初蝶の光芒となり消えゆきぬ


コラム 財源問題はない


 GDPを収入面から見た、国民総所得(分配)は、個人所得、企業利益、政府の歳入(税など)の合計である。


不況期にはすべてが縮減して放っておくと悪循環を起こし、デフレスパイラルに突入する。だから政府は少ない歳入に赤字国債(実は貨幣発行)を足して、財政支出を増やし、デフレ脱却を図らなければならない。財源は増税ではなく、国債であって財源の心配はない。


需要牽引型(デマンドプル型)の好況になり、名目成長率5%、インフレ率2%程度が続くようになると、国民総所得が増加し、累進課税による税収も増えてくる。民間の活動が活発になるので、その分政府の歳出を減らさなければならない。歳入増、歳出減でPBは黒字となり、国債残高は減少する。


要するに、経済成長をしない限り、財源問題の解決はできない。政府の失政が恨めしい。


追伸:七十二候を題に俳句を披露してちょうど一年になる。目先を変えるため、来週からエッセーをメインにし、俳句をサブにしてブログを続けたい。引き続きご訪問ください。



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桃初めて咲く [詩・俳句・エッセー]

 3月11日~3月15日は、七十二候の「桃初めて咲く」で、二十四節気「啓蟄」の次候にあたる。

床の間や桃の一枝にまかせたり

古民家を借景として桃の花

 

コラム 税は財源か?

 

租税には、所得税、法人税、資産課税(相続、贈与など)、物品税(タバコ、酒など)の国税と、住民税、事業税、固定資産税、不動産取引税などの地方税がある。

ここで税の機能を考えてみよう。

税の機能

説明

1財源調達

租税は、社会資本や公共サービスの財源に供される。しかし、多くの場合、歳出が先で、歳入は後になる。いわゆるスペンディングファーストである。

時間差を埋めるのは国債しかない。

2景気調整

所得税、法人税の累進課税は景気安定化装置として働く。また、好況時の消費税増税や、不況時の減税もスタビライザーである。

3所得再分配

所得税、法人税の累進課税と資産課税は、国民の所得格差緩和に役立つ。

4政策誘導

たばこ税は禁煙推進に、農業やベンチャー育成などのための補助金支給はマイナス課税となり産業保護育成に役立つ。

 国債は貨幣であり、貨幣は信用により創造されることは当ブログですでに述べてきた。だから政府は現金が手元になくても財政支出ができる。いわゆるスペンディングファーストである。

税の財源調達機能を絶対視して、財政健全化・PB黒字化・緊縮財政を目的化にしてしまうと、それは結果的に永遠に達成できない目標になってしまう。不況期の積極財政、好況期の緊縮財政という適切な経済財政政策によって、国民を豊かにしたご褒美に健全財政は達成される。

税は財源ではないという議論があるが、「税は財源か」の結論は、結果としてはイエスではあるが、財源漁りをして国民を苦しめると、健全財政が吹き飛び日本は没落する。


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巣籠虫戸を開く [詩・俳句・エッセー]

3月6日~3月10日は、七十二候の「巣籠虫戸を開く」で、二十四節気「啓蟄」の初候にあたる。


啓蟄やパンデミックを乗り越える


啓蟄や巣籠癖を卒業す


 コラム 国力とは、国の供給能力である


 経済財政政策の目指すところは、国の供給能力の増強であり、それによって国民を豊かにすることである。にもかかわらず、今だけ、金だけ、自分だけの新自由主義に汚染された為政者は、デフレを放置して30年間も日本の国力=供給能力を毀損してきた。大型港湾設備で後れを取り、中国・韓国に置いて行かれたのは、海運業界ではなく政府の責任である。


 国民の年間の成果(GDP)の内容を見ると、総生産(付加価値)、総所得(分配)、総支出(需要)の三つであり、すべて同額である。これを三面等価の原則という。


一番目の国内総生産は、国民が生み出した付加価値の合計であり、付加価値を生み出す生産要素の保有高が潜在供給能力(=潜在GDP)である。


重要なことは、潜在供給能力を100%発揮すること、さらにそれを増強して潜在GDPを増やすことが政治の仕事である。


一方、GDPを支出面から見た国内総支出は、消費+企業投資+政府支出+貿易収支(輸出-輸入)の和で、=総需要である。


総需要が潜在供給能力を下回る需要不足のとき(デフレ時)は、政府支出を増やして民間の投資や消費を刺激しないと経済が沈滞する。日本はGDPの6%、額にして30兆円程度の需要不足を毎年抱えて苦しんできた。政府の積極財政が必要なゆえんである。


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草木芽吹き始める [詩・俳句・エッセー]

3月1日~3月5日は、七十二候の「草木芽吹き始める」で、二十四節気「雨水」の末候にあたる。


天を指す木の芽は赤い萼を脱ぐ


放課後の兄と妹麦を踏む


 コラム  国債発行は貨幣発行


 高齢化社会になって高齢者の預金が取り崩されると国債発行ができなくなると、警鐘を鳴らす有識者が沢山いる。彼らは、金本位制時代の貨幣プール論にはまったとんでもない人たちである。


国債発行は誰かの預貯金を借りて発行するのではなく、信用創造によって発行されるものである。だから原資は事実上無限であり、唯一の制約はインフレ率であり、供給能力(国力)である。


早急に貨幣観を是正してもらいたい。


 


追伸:プロバイダーから提供された容量限度のため、画像の掲載はしばらく見合わせます。長い間写真を提供していただいた「鳥好閑人」さんに感謝します。


 


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