脱経済成長論は敗北主義 [詩・俳句・エッセー]
1.斎藤幸平の脱成長論(人新世の「資本論」による)
現在の「資本主義」経済システムは、利益のみを追求する資本の論理によって、地球環境を破壊し、貧しい労働者を大量に生み出し、一握りの富裕層に富を集中するシステムになっている。
そこで、人間誰もが必要とする水道、電力、住宅、医療機関、教育施設などを共有財産にして、人々の手で管理し、無償・安価に提供する「コモン」化が必要だと考えている。
コモン化によって経済をスローダウンさせ、地球にやさしい脱成長経済を実現したい。
2.筆者の意見
①脱経済成長を言うなら、国連主導の国際的な取り組みでなければならない。日本は政治の失敗によって、四半世紀にわたって図らずも世界で唯一脱経済成長を実現し、日本国民を貧乏にした。
➁地球環境を言うなら、コモン化でなくても、経済成長の成果の一部を環境保全に回せば済む話である。成熟社会では経済成長はできないという論者は多いが、経済成長の種はいくらでもある。
③日本の政治の失敗は、政府が貨幣観と経済財政政策を間違えた結果である。政府にしかできない仕事を放棄せず、不況期には積極財政、好況期には緊縮財政という正しい経済財政政策に転換すれば日本は復活できる。
俳句 題: 春風
窓開けて卒寿の朝や春の風
春風やぽんと生まれし句の言葉
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