SSブログ
2024年03月| 2024年04月 |- ブログトップ

国債発行は麻薬? [詩・俳句・エッセー]

元財務大臣の伊吹文明氏が、最近、「国債発行は麻薬中毒」と発言した。「国民は助けたいが、国にはお金がない」、「借金を将来世代に残してはいけない」、「税金の2割は借金の元利払いに消えている」とも。伊吹氏は議員を引退しているが、財務大臣までやった人がこんな認識では情けない。


筆者の意見:


①貨幣プール論:


「国にはお金がない」というのは典型的な貨幣プール論で、貨幣の信用創造の仕組みを理解していない。そもそも財源問題はなく、過度なインフレを管理することだけである。 


➁次世代への付けではない:


 国債発行残高は貨幣発行残高であって、減らすものでも、将来世代へのツケでもない。経済成長を続ければ自然にゼロになることはある。政治家がマクロ経済政策を失敗して、失われた30年を作ったが、失敗がなければ国債残高ゼロはあり得た。


③国債償還の元利払い: 


今年度の国債関連費は27兆円で、内訳は国債元本の償還費が17.5兆円、利払い費は2兆円増えて9.5兆円となった.


④国債60年償還ルールは偽計:


 政府は毎年、国債発行残高の60分の1(今期は17.5兆円)を歳出予算に計上している。これが国債60年償還ルールは、必要もないのに世界で唯一日本だけがやっている。


 満期の国債は、毎年「国債借り換え」で済ましているので、国債60年償還ルールは実態と異なる会計制度となっている。


 財務省の狙いは、歳出を見かけ上膨らませて(いわゆる鰐の口)、歳出カットの圧力に使いたいのであろう。


 俳句 題: 蒲公英


蒲公英の絮は気ままに風に乗る


たんぽぽの原に漕ぎ出す三輪車


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

長期需給予測の重要性 [詩・俳句・エッセー]

 先日の「マイあさ」ラジオに「長期見通しのための『独立財政機関』の設立」というテーマで、慶大教授・小林慶一郎氏が出演した。



①国債の利子負担の増大
マイナス金利の見直しなど、日銀の金融政策変更が発表された。これから徐々に長期金利の上昇が見込まれ、国債の利子負担の増大、国の借金の膨張が予想される。



➁ハイパーインフレの心配
財政健全性の低下、インフレの昂進、物価上昇、国民の預貯金の目減り、ハイパーインフレの発生で国民生活が混乱する恐れがある。



③「独立財政機関」の設立
財政の健全性を担保し、3050年先の長期の財政見通しを立てるための、「独立財政機関」の設立を提案する。



筆者の意見:



①国債の利子はGDP
長期金利の上昇により国債の利子負担が増えるが、㋐半分以上の国債は子会社の日銀が保有しており、連結されて実質負担にならない。㋑利息分は民間の所得となりGDPを押し上げる。



➁インフレはデフレより良い
小林慶一郎氏はハイパーインフレを心配しているが、それは日本では起こらない。適度なインフレは欠点より利点が何倍も大きく管理も可能である。



③長期需給予測の重要性
政府の仕事は国民を豊かにする経世済民である。「独立財政機関」で債務残高の圧縮にこだわって経済成長の足を引っ張っては元も子もない。


それよりも、長期の需要予測と長期の潜在供給能力予測を担当する部署を設けてほしい。長期需給予測が指針になって民間投資が活発になり、経済成長が持続する


俳句 題: 磯遊

枕もとのリュック明日は磯遊

海なし県より江の島の磯遊


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

財務省のプロパガンダ [詩・俳句・エッセー]

 財務省は、財政制度等審議会に提出した下図の統計資料で、「政府が債務残高を増やしても、GDPは成長しない」という印象操作を行った。


 横軸に政府債務残高対GDP比(%)を取ったために逆相関関係となり、「借金するほど成長しない」と印象付けている。こうやって審議委員や国民はころりとだまされてしまう。


2024-04-15.png



 筆者の意見:


①財務省の印象操作


財務省提出の図(上図)は、2022年現在、日本の政府債務残高対GDP比が突出して高く、成長率は低いことを印象付ける狙いがあるが、この図は消費税増税を繰り返して財政政策に失敗し、GDPが低迷したことを示しているだけである。


➁財務省が使うべき正しい図 当ブログの図参照


世界の多くの国で財政支出伸び率と経済成長率はほぼ比例することが確認されている。財務官僚は見たくないだろうが、この図にはすべての問題と解答が含まれている。


すなわち、不況期に積極財政で財政支出を増やして民間の経済活動を刺激し、好況期の緊縮財政と歳入増で債務残高を減らすというマクロ経済運営をすればよい。やってはいけないのはアベノミクスでやった消費税増税のような早すぎる緊縮財政への転換である。


③政治家と財務官僚の責任は重い


 財政健全化を至上命題にして、国民の豊かさと幸福を度外視した財務省の財政政策は間違っている。財務官僚の言いなりの政治家の責任は重大で、自覚がないのがもっと悪い。


 


俳句 題: 磯遊


枕もとのリュック明日は磯遊



海なし県より江の島の磯遊



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コロナ禍でも冷たい政府 [詩・俳句・エッセー]

 コロナ禍において最も国民に冷たかったのは、G7の中では日本が一番であった。2018年に比べ、コロナがピークを迎えた2021年までに増やした財政赤字を調べてみると、1位のカナダは1.4倍、2位のアメリカが1.34倍、3位のイギリスが1.31倍で、6位のドイツが1.21倍、日本は7位・最下位の1.1倍であった。(三橋貴明氏の調査)


筆者の意見:


①緊縮財政の罠: 財務省がコロナ禍でも財政の膨張を嫌い、他国に比べて国民を救う意識が低いために、日本は危機からの脱出に手間取り、国民を苦しめている。


➁財政支出をやりすぎたアメリカ: アメリカはコロナ対策の大胆な財政出動でインフレをこじらせ苦しんでいるが、おかげで国民は豊になっている。日本は危機対策の際にもっと外国のやり方を学ぶべきである。


③円安はチャンス: コロナ禍の財政拡大が円安をもたらしたという説があるがそれはウソ。円安は日米金利差の拡大が原因であり、日本は円安を好機ととらえて海外工場の国内回帰などに生かすべきである。


 俳句 題: 菜虫


手料理の虫を目ざとく探す子ら


虫の好く小松菜明日を待たず摘む


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

2024年03月|2024年04月 |- ブログトップ