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人生の意味とは何か① 人の道 [哲学]

 最近、「人生の意味とは何か」を考えることが多くなった。働けるうちは忙しさにかまけてやり過ごしてきたが、残りがせいぜい23年となった今、じっくり考えて見たくなった。ユヴァル・ノア・ハラリ著、「21 Lessons」を参考にしながら、読者の皆さんと一緒に人生の意味を考えて見よう。

どの生き物にも、果たすべき特有の機能がある。

良い人生を送るとは、その機能を果たすことだ。

壮大な宇宙のサイクルの中で、それぞれの生き物には、

たどらなければならない「道がある。

どんな道も選ばずにさまよえば、

宇宙の均衡を乱し、平穏も喜びも決して見出せない。

永遠などは幻想だ。死ぬまでより良く生きるしかない。

さてどうしたものか。

コラム 道とは(広辞苑)

 人が考えたり、行ったりする事柄の道理(例:人のに背く)。

儒教・仏教などの特定の教義(例:仏の

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クロガモ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か② 人類が生み出した物語 [哲学]

「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。


人類は、文化や宗教や部族が歴史を通して、


たくさんの「物語」を生み出してきたが、


どれもただの創作に過ぎない。


人はなぜそのような虚構を信じるのだろうか。


それは一つには、個人が渇望するアイデンティティ(存立基盤)が


物語の上に築かれるからだ。


もう一つは、疑おうとする人は排除され、迫害されかねないからだ。


異端者や、はみ出し者にならずに、


人生を意味付ける「道」を見つけることは可能だろうか。


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コノドジロムシクイ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か③ 信仰の意味 [哲学]

 


「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。


「命の輪」が繋がり循環する物語は、この世にいくつでもある。


イスラム教の物語では、最初にアッラーが全宇宙を創り、
この世の様々な戒律を定めた。
イスラム教徒は毎日5回祈りをささげ、モスク建設のために寄付をする。
最後の審判の日にアッラーが、一人ひとりに楽園と地獄行きの裁きを下す。


シオニズムの物語では、旧約聖書時代のユダヤ民族の神話をもとに、
イスラエル建国と民族の発展を望み、
典型的なナショナリズムが実行された。


異端者や、はみ出し者にならずに、
人生を意味付ける「道」を見つけることは可能だろうか。
 


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ヘラサギ 撮影:鳥好閑人さん



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人生の意味とは何か④ ナショナリズム [哲学]

 「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。

 

ナショナリズムとは何か。それは国家への肯定的なこだわりである。
守りに入りすぎて排他的になると、
後ろ向き、内向きのナショナリズムになる。

1930年代の日本は、経済的逼塞、外交の失敗、
政党政治の堕落などもあって、国民は閉塞感に陥っていた。
人々は自己の力不足感を埋め合わせるため強い国家を求め、
思考停止に陥り一体性へのこだわりにがんじがらめになった。

そんな時に5.15事件(1932年・昭和7年)が発生し、
犬養毅首相が海軍青年将校に暗殺された。
4
年後、2.26事件が発生した。陸軍将校と兵士1500人弱が反乱を起こし、
高橋是清大蔵大臣ら要人を暗殺した。

ナショナリズムに埋没してしまう人生では、
「道」を見つけ、より良く生きるなどはとても無理だ。

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オオワシ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑤ ファシズム [哲学]

 「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。

 歴史には時折、凶暴なファシズムが登場した。
国家は至上であり、国益に奉仕する以外の
アイデンティティーを持つことを阻むのがファシズムだ。

戦前、戦中の日本では、敵に仕向けられたとはいえ、
「一億総火の玉」になって戦った時期があった。
「戦争に負けたがアジアを欧米の植民地から解放した」、
と主張する者もいるが、後付けの議論だ。

ファシズムは一時期、日本の他に、ドイツ、イタリア、ロシアにも生起し、
世界に莫大な負の遺産を残した。
中国がいま、同じ轍を踏まないよう願う。

ファシズムに同調する人生では、「道」を見つけ、
より良く生きるなどはとても無理だ。

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オグロシギ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑥ 信教の自由と自由主義 [哲学]

 「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。
 今回は、信教の自由と自由主義信奉について考える。


あまたの宗教が頼りにできないことは歴史が証明している。
原理主義に染まって、既製品の宗教に付き従うのは、精神的隷属であると思う。


現代人は神仏を信じない自由を手に入れた。
自分の自由な選択で、全てのものに意味を吹き込むことができるはずだ。


欲望の制御は可能である。自分を相対化してみる、或いは、
もう一人の自分から自分を見る術を身につければよい。


自由主義を至上とする人々は、芸術や事業などの創造と、
社会的な一切の束縛からの解放への戦に向かうべきだ。
そこに人生の意味が見えてくると思う。


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カラシラサギ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑦ さまよう心と瞑想 [哲学]

「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみよう。
 今回は、「さまよう心と瞑想」について考える。


多くの人は、心と脳を混同しがちだが両者は全く違う。
脳は外界の刺激に反応して、身体を動かすハードウエアである。


一方、心は、脳で変換された刺激に反応して、
感情をつかさどるソフトウエアである。
愛や怒りや苦しみといった感情は
自分の心によって生み出される精神的反応だ。


心は自由奔放で短気で、常に思考や記憶や夢の中をさまよう。
心のありようを知るには、「瞑想」が最適だ。
瞑想は雑念を排除しながら自分の息に注意を集中し観察する「行」である。


多くの人は、自分が人生の主人であると思い込んでいるが、
自分を完全に制御できている人はいない。
瞑想を実践して、さまよう心の観察と制御の術を学ぼう。


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リュウキュウアカショウビン 撮影:鳥好閑人さん



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人生の意味とは何か⑧ 人はいかに生きるべきか  [哲学]

「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみる。

今回は、鈴木剛介氏の著書「人はなぜ生きるのか 答えよ」を参考に、「人はいかに生きるべきか」について考えてみよう。

人間とは何か。人間は言葉を持つ動物であり、
社会的存在であって、一人では生きられない
そこで、人間社会の中で、人は
いかに生きるべきか、
どうすれば幸福になれるかが最大のテーマになる。

人生は夢の実現への道のりである。
夢は生きがいであり、人生の目的でもある。
夢を持つには、「好きなもの(趣味)」を持ち、
「上手なこと(得意)」を伸ばす情熱を持つことだ。
夢の花を咲かせるには肥沃な土壌と水、
すなわち健康な体と燃える情熱が必要である。

自殺を考えている方へ告ぐ。自殺をひとまず一年延期すると決めよう。
一年後に死ぬと決めたら怖いものなしだ。明日は明日の風が吹く 

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メリケンキアシシギ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑨ 生きがい [哲学]

「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみる。

今回は、神谷美恵子氏(愛生園で、らい患者のケアを担当した精神科医)の著書「生きがいについて」を参考に「生きがい」について考えてみよう。

人が生きてゆくために、生きがいほど必要なものはない。
生きがいは人さまざまで、自分の「生きがい」を求める際に、
人は次のような問題にぶつかる。
・自分はなぜ生きるか、誰かの役に立っているか
・生きてゆく目標は何か、それに忠実に生きているか
・自分は生きている資格があるか

生きる喜びや「生きがい」の典型的な例を挙げると、
母親が生んだ赤ちゃんを初めて抱いたとき、
授乳や育児で無償の愛を感じたときだと言われている。

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ミゾゴイ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑩ 宗教と生きがい [哲学]

 今回は、神谷美恵子氏の著書「生きがいについて」を参考に「宗教と生きがい」について考えてみよう。

宗教の役割は、人格に新しい統合を与え、
生きがい感をもたらすこと。
恐怖や不安の防衛として始まった宗教も、
人間心理の解放、生きる力の付与にまで洗練されれば本物だ。
人が、神によって生かされている、
使命を与えられていると思えるようになれば宗教の存在価値はある。

愛生園の住人の半数が、孤独、不安、抑うつ、
ニヒリズム、すてばち、絶望にさいなまれている現実がある。
これらの病める人々の問題は人間みんなの問題でもある。
解決は簡単ではない。新たな光を求めつづけるほかない。

獄舎で正月を迎えたある死刑囚が次のように語ったことが印象的である。
「信仰、芸術、俳句、空の青さなどが生きがいを与え、
慰めてくれることに感謝する」と。

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タンチョウ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑪悟りと神秘体験 [哲学]

今回は、神谷美恵子氏の著書「生きがいについて」を参考に「悟りと神秘体験」について考えてみよう。

ひとたび生きがいを失った人が、
悟りとか神秘的な体験を経て、
新しい生きがいを見出すことが良くある。

これは、人が深い苦悩に落ち込み、
血みどろの探求をつづけた結果起こる。
自力あるいわ「大いなる他者」の力を借りて、
否定的な感情が突然肯定的な感情に置き換わる現象である。

この種の体験を通して、
新しい精神的な生きがいが見つかれば幸いである。
これこそ「大死一番乾坤新たなり」の境地である。

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シベリアジュリン 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑫ 宗教者の生き方の諸相 [哲学]

 今回は、神谷美恵子氏の著書「生きがいについて」を参考に「宗教者の生き方の諸相」について考えてみよう。

キリスト教は、現世に対して伝道精神を発揮することを重要視する。
だから、社会改革の推進者にもなった半面、多くの宗教戦争を引き起こした。

仏教者は現世に対してもっと消極的であった。
法然上人は厳しい戒律の中に身を置き、聖職者の役割を果たした。
親鸞聖人は俗世間にあって妻帯し、
煩悩の矛盾に苦しみながら独自の宗教的境地を開いた。
一遍上人は何もかも捨てて遍歴の旅を送った「捨聖」であった。

岸本英夫は、宗教は現世の利益を求める「請願態」から、
宗教の中で倫理的社会的理想を追い求める「希求態」へ、さらに、
理想世界を現実世界の中に見だそうとする「諦住態」へと進化すると考えた。
「諦住態」とは、現実世界を理想世界へ変革することは簡単ではないので、
現実世界をどう受け取るか
すなわち見方を変えることによって乗り切る考え方である。

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シノリガモ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑬ コヘレトの言葉 [哲学]

「人はなぜ生きるのか」、「より良く生きるにはどうしたらよいか」を模索している。歴史の中に多くのヒントがありそうなので、しばらくネタ探しをしてみる。

今回は、旧約聖書の「コヘレトの言葉」から、「人はいかに生きるべきか」について考えてみよう。コヘレトの言葉は、紀元前3世紀ころ書かれた伝道の書で、人生の虚しさや諸行無常にも言及していて名言が多い。 

すべてのものは一つの場所(死)に行く。
見よ、すべては空である。風を追うようなものである。
だからこの世は、諸行無常であり、人間の自由意志なるものは虚しい。

コヘレトは有名な「時の詩」で言う。
すべての物事に時がある。生きる時があり、死ぬ時がある。
泣くときがあり、笑う時がある。
・・省略・・ 戦う時があり、平和にも時がある。 

つかの間の人生を生き、小さな幸せを見出し、今を生きよ。
これが処世の知恵である。生きる道は
「他人に分けること、他人と分かち合うこと」で生まれる。

すべてに耳を傾けて得た結論は
「神を畏れ、その戒めを守れ」だ。
神を畏れる人は恐れるからこそ幸福になり、
悪人は神を畏れないから長生きできず決して幸福になれない。

追伸:筆者は無神論者だから、
神は「この宇宙の大いなるもの」と読み替える。

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ハシジロアビ 撮影:鳥好閑人さん


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人生の意味とは何か⑭ 釈尊の教え [哲学]

 釈尊は、紀元前5世紀前後の北インドの人で、仏教の開祖である。姓名はサンスクリット語で、ガウタマ・シッダールタ。釈迦牟尼・仏陀(ブツダ)の尊称もある。



29歳で出家し、35歳の時菩提樹の木の下で悟りを開き、80歳で没するまで、ガンジス川流域を周遊して人々を教化した。



釈尊は、大宇宙の創造主のような阿弥陀如来を発見され、
その御心・本願(本当の幸福になれる真理)を
この世に紹介された最初の方である。
そして悟りの最高位である仏覚に到達したのは、
この地球上お釈迦様以外にはない。



教えの中心は、因果の理法(ダルマ)を求めることで、
自我の執着から生じる苦悩から自由になることであった。
そして、この宇宙で人間として生まれた奇跡を活かし、
悟りを得て、人間だけに与えられた使命・目的、
すなわち、「絶対の幸福」を実現することだ。



悟りは発心、修行、菩提(念仏)、涅槃(楽園)を
行き来しながら達成され、ついに彼岸に至る。
しかし彼岸の先にまた彼岸があるという。



「諸行は滅びゆくものである。
怠ることなく精進せよ」が最後の言葉になった。



筆者:死後の世界は誰にもわからない。
死ぬまで真摯に生きるしかない。



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メジロ 撮影:鳥好き閑人さん



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人生の意味とは何か⑮ 親鸞の教え [哲学]

 親鸞は1173年に生まれ、鎌倉時代初期に活躍した浄土真宗の宗祖。法然上人を師とし、浄土往生を説いた。比叡山延暦寺で20年間厳しい修業を積んだ。29歳の時叡山を降り、法然の専修念仏の教えを知り、入門した。

1207年、35歳の時、後鳥羽上皇の怒りに触れ、法然、親鸞を含む7名が流罪に処せられた。親鸞は越後の国(新潟県)に配流された。5年後の1211年に赦免され、1214年から東国(関東)で20年間布教活動を行い、63歳で京都に戻った。1262年に89才で入滅。

親鸞は90年の生涯をかけて、「阿弥陀如来の本願」を説いた。
阿弥陀如来とは、仏教を説かれたお釈迦様に崇められた仏様で、
大宇宙の創造主のようなお方である。

本願は、阿弥陀如来が本当に願っていた御心ということになる。
親鸞が開いた浄土真宗の教えの中心は、
「平生業成」(へいぜいごうじょう)である。
生きている今、人生の目的すなわち「絶対の幸福」を
達成することができ、人は救われるという意味である。

煩悩を持ったまま、そして、いま生きているうちに、
念仏や瞑想を実践することで、
心がガラッと変わる悟りの瞬間を持てるというのだ。
「人間に生まれてよかった。
この「絶対の幸福」になるための人生だった」と
心から喜べるよう導くのが親鸞聖人の教えである。

生きている今、「絶対の幸福」を達成するための親鸞の教えに、
「人生を拓く五つの覚悟」がある。
●自分の人生は大いなる何かに導かれているとの信念・信仰を持つ
●覚悟を定める解釈力(想像力)を持つ
●人生の問題は自分に原因がある、エゴを捨てる
●知恵と慈悲の心を持った「自分」を育てる
●逆境を越える英知は与えられるという信念を持つ

人の煩悩は一生消えない。
名誉欲(人の上に立ちたい)、慢(人を見下げる)、
怒り、愚痴(勝るを妬む)が代表である。
無明の闇(煩悩にとらわれた心)を
無碍の光明(絶対の幸福)へ導き、いざ臨終のとき、
悔恨と畏れを抱かずに済むように、
念仏あるいわ瞑想に力を入れて、今をしっかり生きたいものだ。

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パンダガモ 撮影:鳥好閑人


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人生の意味とは何か⑯まとめ(なぜ生きる) [哲学]

 本シリーズも、いよいよまとめに入った。今回は「人はなぜ生きる・人生の目的は何か」、いわば、WHYWHATである。次回最終回は、どう生きる(HOW)の予定である。

親鸞は、「よくぞ人間に生まれたものぞ」と、生命の歓喜を得て
未来永劫の幸福(絶対の幸福)に生きること説いた。
「人生は苦なり、弥陀の本願(救い)には
老少善悪の人をえらばず、ただ信心を要とするを知るべし」。
「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」
と平等思想を宣言した。

筆者は、時々、いま生きている自分の過去生を考えてみる。
40
世代も遡ると千年も昔になるが、
親の親をたどってゆくと無限に近い祖先に行き当たる。
一人でも欠けたら今の自分はないことになる。
しかも、この祖先たちは、
無限の宇宙の地球という星の片隅で、
生をつないできたわけで、そこにはドラマティックで、
神秘的な物語があると思う。人生の意味がないはずはない。

人は夢を持とう。人生は夢の実現への道のりである。
夢は生きがいであり、人生の目的でもある。
夢を持つには、「好きなもの(趣味)」を持ち、
「上手なこと(得意)」を伸ばす情熱を持つことだ。
夢の花を咲かせるには肥沃な土壌と水、
すなわち健康な体と燃える情熱が必要である。

夢や生きがいは人さまざまで、
自分の「生きがい」を求める際に、
「自分はなぜ生きるか、誰かの役に立っているか」、
「生きてゆく目標は何か、それに忠実に生きているか」
を自問することが大事である。
生きる目的が明確になり、「生まれてきたのはこのためだった。
いつ死んでも悔いなし」と思えるようになれば大往生である。

イランから日本に帰化したサヘル・ローズは、
「恵まれない子供たちに会うため世界を旅している、
人と会うために私は生まれてきた」といった。
彼女は苦難の幼少期を克服して
素晴らしい人生を歩んでいると思う。

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ウミスズメ 撮影:鳥好閑人


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人生の意味とは何か⑰まとめ(どう生きる) [哲学]

 本シリーズも、いよいよまとめに入った。今回は最終回で、「人はどう生きる(HOW)について考えてみよう。



コヘレトは、「つかの間の人生を生き、
小さな幸せを見出し、今を生きよ」といった。
「他人に分けること、他人と分かち合うこと」とも言った。
これが処世の知恵である。



釈尊の教えの中心は、因果の理法(ダルマ)を求めることで、
自我の執着から生じる苦悩から自由になることであった。
そして、この宇宙で人間として生まれた奇跡を活かし、
悟りを得て、人間だけに与えられた使命・目的、
すなわち、「絶対の幸福」を実現することだと説いた。



釈尊の具体的な教えの内容は次の通り。
正しい生き方をするには、八つの聖なる道(八正道)がある。
八正道とは、正見(正しい観察)、正思(思考)、正語(語る)、
正業(行い)、正命(生活)、正精進(努力)、正念(慈悲心)、
正定(精神統一)の八つである。詳細は省くが、含蓄があると思う。



親鸞の教えに、生きている今、「絶対の幸福」を
達成するための「人生を拓く五つの覚悟」がある。
●自分の人生は大いなる何かに導かれているとの信念・信仰を持つ
●覚悟を定める解釈力(想像力)を持つ
●人生の問題は自分に原因がある、エゴを捨てる
●知恵と慈悲の心を持った「自分」を育てる
●逆境を越える英知は与えられるという信念を持つ



人の煩悩は一生消えない。名誉欲(人の上に立ちたい)、
慢(人を見下げる)、怒り、愚痴(勝るを妬む)が代表である。
無明の闇(煩悩にとらわれた心)を
無碍(ムゲ)の光明(絶対の幸福)へ導き、
いざ臨終のとき、悔恨と畏れを抱かずに済むように、
念仏あるいわ瞑想に力を入れて、今をしっかり生きたいものだ。



人の苦しみは、痛みと抵抗の掛け算である。
抗う心が半分になれば、苦しみも半分になる。
一方、幸せは、快感÷執着で、分母の執着を半分にすれば、
幸せは二倍になる。これは、生き方の参考になると思う。



コラム 念仏と瞑想 


念仏は、南無阿弥陀仏と唱える行のこと。南無は帰依、阿弥陀仏はお釈迦様のこと。



瞑想は、雑念を排除しながら自分の息に注意を集中し観察する「行」。瞑想を実践すると、さまよう心を観察し、制御することができる。


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        ミコアイサ 撮影:鳥好閑人


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