当ブログ「外交に物申す会」からのご報告 [詩・俳句・エッセー]
1.当ブログの経緯
当ブログの活動を始めて、丸5年経過しました。これも、読者の皆様のお陰と考え、感謝しております。特に、xml-xslさんには、毎回「いいね」をしていただき有難うございました。
5年間の来し方を思い返しますと、主に下記のテーマについて、毎週一回のペースで投稿してまいりました。
平和外交:世界共同体、アジア共同体、中国との付き合い方
国際問題:地球環境、核廃絶、脱グローバリズム
国内問題:日本再生、保守とリベラル、憲法改正
筆者は、すでに米寿を超える老齢者となりましたので、この機会に投稿方針を転換したいと考えております。
2.当ブログのこれから
自作の俳句・詩・エッセイなどを取り混ぜて、毎週金曜日に投稿を続ける予定です。引き続き閲覧をお願い致します。
キビタキ 撮影:鳥好閑人さん
青春時代 [詩・俳句・エッセー]
筆者は、碓氷峠のふもとの町に生を受けました。中学高校は、往復5時間かけて、横川駅から高崎駅まで汽車通学しました。おかげで足腰が丈夫になりました。
早稲田大学を経て、昭和31年に、当時新興のオートメーションの会社に入り、主に情報化の業務に就きました。ここまでが筆者の青春時代です。
当時、故郷では、草野球が流行っていて、近隣のチームと交流試合をやりました。応援団の前で、ホームランを打てたときはうれしかったです。
炎天下 君の目を背に ホームラン
ミソサザイ 撮影:鳥好閑人さん
小鳥の生態系を守ろう [詩・俳句・エッセー]
留鳥は一年中日本にとどまるタイプの鳥で、カラス、ハト、スズメ、ムクドリなど見慣れた鳥たちである。
渡り鳥は季節によって住む場所を変える鳥で、夏鳥と冬鳥に分かれる。夏鳥は夏日本に来る鳥で、ツバメ、オオルリ、キビタキ、サシバなど。冬鳥は夏シベリアで繁殖し、越冬のため日本に来るハクチョウやシギなどが代表である。
作物を食い荒らす迷惑な鳥もいるが、うまく共存を図る知恵が大事である。鳥害を減らすために、「毛沢東」の指令で鳥追放作戦をやったことがある。農民がリレー式にバケツをたたいて鳥を追い立て、疲れ果てた鳥が大量に死んだ事で生態系が変わり、3年間大凶作が続いて大勢の餓死者が出たと言われている。
鳥と言えば、自宅の庭に小鳥が良く来る。ひまわりの実を庭木に括り付けてやると、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリなどが、集団でかわるがわる来てくれる。
種をついばみ、枝の上で皮をむいて食べる姿が本当にかわいい。
ひまわりの実の食べごろよ小鳥来よ
アカウソ 撮影:鳥好閑人さん
モクセイの香る散歩道 [詩・俳句・エッセー]
秋の夕暮れに散歩していると、路地の奥から甘く芳醇な香りが漂ってきた。今年もまた、キンモクセイの季節がやってきたのだなと感慨を覚えた。近づいてみると、オレンジ色の小さい花が、濃い緑色の葉っぱの陰に、びっしり咲いていた。
キンモクセイの花言葉は「謙虚・謙遜」、「気高い人」、「真実」、「陶酔」、「初恋」と言われている。昔から人に愛されてきたせいか、花言葉も多彩である。
たまたま、すれ違ったご婦人に「良い香りですね」と声を掛けたら、にっこりと同意してくださった。
木犀や佳人にめぐり合う夕べ
シマエナガ 撮影:鳥好閑人さん
みんなの願い [詩・俳句・エッセー]
日本人が、日ごろ願っていると思われることを、詩のようなものにまとめて見た。
要点は下記。
●安全保障:安倍政権が主唱した「開かれたインド太平洋」にちなんで、最近「アジア版NATO」が提唱されている。これには中国包囲網の意図が隠されている。筆者は、中国も含めた「アジア版NATO」が構築できれば、アジアに平和がもたらされると思う。今進行中の軍事費増強競争は不毛だ。
●経済成長:政治家の政策の誤りで、日本は30年間世界で唯一経済成長をしない国になった。正しい財政政策への転換を期待している。
●表現の自由:権力は腐敗するものである。日本学術会議会員の任命拒否問題にしても、権力が誤って使われている。戦前の治安維持法の世界に戻してはならない。
安全安心の暮らしはみんなの願いだ
隣国との紛争は上手にやり過ごし
多国間で連携するチャンスは逃さず
多くの国と戦略的互恵関係を築こう
豊かで希望ある暮らしはみんなの願いだ
少子高齢化で経済成長なんて望めないはウソ
誤った貨幣論を脱却して積極財政に転換し
国民の潜在能力をフルに引き出そう
表現の自由が尊重される暮らしはみんなの願いだ
政策に反対する気に入らない人は遠ざけ
忖度が高じて人がものを言わなくなるような
そんな強権政治は絶対に願い下げだ
オオカラモズ 撮影:鳥好閑人さん
烏瓜の花と実 [詩・俳句・エッセー]
烏瓜は、山野に自生するつる草で、ウリ科の多年草。夏に白いレースのような花を咲かせ、秋に卵型の実をつける。花言葉は「よき便り」、「誠実」となっている。
「実」は、最初は縞模様のある緑色で「うりぼう」と呼ばれるが、成熟すると赤や黄に色づく。散歩道で見かけると、つい触ってみたくなる。
からすうり瓜坊に似て五つ六つ
アラナミキンクロ 撮影:鳥好閑人さん
ウグイスの笹鳴き [詩・俳句・エッセー]
東京のはずれの自宅の近くで、今年初めて、ウグイスの笹鳴きを聞いた。美声には程遠いが、10日ほどあと二度目に聞いたときは、少しメロディーが入っていて、上達の跡が感じられた。
笹鳴や告げたき人のありにけり
うぐいすの声する方へ散歩道
アオサギの漁 [詩・俳句・エッセー]
鷺はペリカン目サギ科の鳥で、コウノトリやツルに姿が似ているが、体系は小型である。サギ科は、世界で65種、日本ではアオサギ、ゴイサギ、ダイサギなど19種が生息しているという。
夏、近くの川でアオサギを見かけることがある。不動の姿勢で魚影を待つ姿を見て、応援したくなる。
青鷺の獲物の重さ量りをり
「たこ焼き器」の活躍 [詩・俳句・エッセー]
楽天市場に注文していたたこ焼き器が30日に届いたので、早速、試作をしてみた。真ん丸ではなく、十三夜の形のたこ焼きができたが、味は悪くはなかった。
31日に1泊で長女一家が、2日に次女一家が来てくれたので、たこ焼きを作って楽しんでもらった。
焼き立てのたこ焼きを、箸で4つに割って食べていたら、行儀が悪く、粋でないと孫にたしなめられた。
手の触れて視線を交わすかるた取り
俳句の中七を「君の眼を見る」としていたが、「視線を交わす」に推敲した。これで、イメージが少し広がったように思われるがいかがでしょう。
オオタカ 撮影:鳥好閑人さん
サンチュの栽培 [詩・俳句・エッセー]
我が家では庭でサンチュを栽培し、お店のレタスを買わないで間に合っている。
サンチュはレタスやサラダ菜の仲間で、一年中収穫できてしかも栄養価が高い。老化防止や美容効果のあるβカロテンがレタスの30倍、ビタミンA,C、鉄分、カリウム、食物繊維などが含まれている。病気や害虫に強く、プランターでも育つなど栽培が簡単である。
サンチュで焼き肉を巻いて食べると、コレステロールの取りすぎを防ぐ効果があるとされている。
初詣振舞酒の身に染みて
この俳句の下五を「歯にしみて」としていたが、「身に染みて」に推敲した。ほかに「香り良し」、「香りかな」、も候補になった。
正月を迎えて、新しい年の淑気、明るさ、希望などを表現したいと思ったが、できただろうか。皆さんはもっと良い表現をお持ちでしょうか。
千両と万両 [詩・俳句・エッセー]
庭に千両と万両が植わっていて、両者とも冬に赤い実をつけて楽しませてくれるが、千両はセンリョウ科、万両はサクラソウ科と遠縁である。
我が家の千両の実は、毎年、少し赤みがさすとヒヨドリに食べられてしまい残念である。万両の実はいつまでも残っているので、味に大差があるのかもしれない。
気に入りの庭木占領群ら雀
「雀」も「群ら雀」も一年中いるので季語ではないが、雀の子、雀の雛、雀の巣は春の季語になっている。姦しく鳴く「群ら雀」は冬に目立って遭遇するので、筆者は冬の情景として詠んでみた。
ちなみに「群れ雀」はマメ科の落葉低木で、春の季語となっていて、大変ややこしい。
カケス 撮影:鳥好閑人さん
枇杷の花と実 [詩・俳句・エッセー]
庭の枇杷の木に花が咲いている。6月にはたくさんの実をつけて楽しませてくれるが、悩ましいのは獣害である。食べごろになると夜間、ハクビシンが出没して実をくいあらすので、対策に四苦八苦している。
なお、枇杷の葉には薬効がある。葉を煮出した「葉茶」には、脂肪を分解する作用、化粧水として美肌作用、骨粗しょう症を防ぐ効果、血液浄化作用などがあるとされている。
観るものを黄色に染めるミモザかな
隣家のミモザの花が咲き始めた。ミモザはアカシアの一種で、蝶の形をした黄色い花が群がって咲く。香りがよく、香水の原料になる。
ミヤマカケス 撮影:鳥好閑人さん
蕗の薹 [詩・俳句・エッセー]
今年は2月4日が立春である。昨年のようにたまに2月3日のことがある。立春とは、二十四節季の一つで、春の始まりであり、1年の始まりとされる日。
立春のころ、霜柱を押し分けて顔を出すのがフキノトウ。芳香とさわやかな苦みがあり、天ぷらや蕗みそにするとおいしい山菜である。
窓開けて卒寿の朝や蕗の薹
今年は筆者にとって卒寿を迎える年。90まで元気に過ごせたことを万物に感謝し、蕗の薹に託してみた。卒寿の朝、窓を開けた時の清涼感が詠めただろうか。
ホシガラス 撮影:鳥好閑人さん
建国記念の日 [詩・俳句・エッセー]
2月11日は建国記念の日。「紀元節」と呼ばれた昔の祝日に由来している。「紀元節」は、初代天皇とされる神武天皇が即位した日で、紀元前660年の2月11日とされている。
天地開闢神話によると、高天原に神々が降臨し、のちにイザナギとイザナミの二神が、日本列島を造り、最後にアマテラス、スサノオ、ツクヨミの三神が生まれた。
天孫降臨神話によると、天照大御神の孫であるニニギノミコトが、葦原の中つ国を統治するため、高天原(天井)から日向の高千穂峰(地上)にあまくだった(天孫降臨)。
神武東征伝説によると、日の御子たちが日向から船で東に進み、大和の国に侵入した。のち末弟の神武天皇が紀元前660年に橿原に都を定め即位した。
大和てふ建国神話朧の夜
建国記念の日にちなんで、作句してみた。主題に取り合わせる季語として月朧、春霞などを考えたが、朧の夜に落ちついた。
河津桜 [詩・俳句・エッセー]
二十四節季の一つ「雨水」は2月19日ころで、雪よりも雨が多くなり草木が芽を出す季節。この季節で思い出すのは、河津桜である。今年の河津桜まつりは2月1日から2月28日まで。本稿が投稿される2月18日には、桜は、満開に近くなっていると思われる。
うぐいすの初音告げたき人のあり
「うぐいすの初音」は春の季語。まだ、うまくないうぐいすの声を聴いて、もう春なんだなと思った。
ちなみに「うぐいすの谷渡り」は春の季語、「老鶯」は夏の季語、チチッと鳴く「笹鳴き」は冬の季語となっている。
ケリ 撮影:鳥好閑人さん
大宰府の梅 [詩・俳句・エッセー]
太宰府天満宮は、福岡県太宰府市にある神社で、菅原道真をまつる。道真没後の905年に建てられた。
道真が大宰府に左遷されて家を出るときに 、日ごろ親しんだ梅の木に別れを告げた次の歌が有名。「東風吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
匂いが飛んでくるこの歌にちなんで、境内に植えられた梅の木を「飛梅」と呼んでいる。
大宰府や主を恋うる梅の花
数年前、ハウステンボスに行った折に、新幹線の出発時間を気にしながら、太宰府天満宮の梅に会いに行ったことが思い出される。
ライチョウ 撮影:鳥好閑人さん
啓蟄のころの花壇 [詩・俳句・エッセー]
二十四節季の一つ「啓蟄」は3月6日ころで、冬ごもりの地虫たちが穴から這い出して来る季節。ここで言う地虫とは、蟻、蛙、蜥蜴、蛇、蟇蛙などを指す。
春、花壇で手入れをしていると、トカゲが巣穴から周囲を警戒しながら這い出して来た。春を実感した瞬間である。
ソウシチョウ 撮影:鳥好閑人さん
初蝶の飛来 [詩・俳句・エッセー]
今年、2月26日に初蝶飛来の投稿をネットで見た。我が家の庭には、桜草、パンジー、水仙、クリスマスローズなどの花が咲いている。まだ蝶の姿を見ていないが、3月の中旬には蝶の舞が見られそうで楽しみだ。
句を詠めと小さき庭に初蝶来
モンシロチョウが舞う姿を想像し、擬人化して、俳句を作らずにはいられない春の気分を表現してみた。
ガビチョウ 撮影:鳥好閑人さん
桜貝の思い出 [詩・俳句・エッセー]
桜貝は、桜の花びらのような美しい貝殻で、幸せを呼ぶ貝といわれている。冬から春にかけて多くの海岸に打ち寄せられるので、春の季語となっている。
鎌倉の由比ガ浜は、桜貝が拾える名所の一つである。
桜貝遠い記憶を引き寄せり
引出の奥に見つけし桜貝
引出の宝の一つ桜貝
引出の奥で見つけた桜貝を手にとって、だれとどこで拾ったか思い出そうとしてみた。青春時代の淡い恋心が懐かしい。
ヒガラ 撮影:鳥好閑人さん
開花宣言 [詩・俳句・エッセー]
今年は3月20日に、気象庁から桜の開花宣言があった。靖国神社の標本の木に10輪開花したという。例年より4日早い開花となった。
漢字の多い俳句になったが、「風光る」の季語が立っているのではないかと自負している。
卒寿にて見納めとせむ桜かな
花見は楽しい行事だが、年も年だし、これが最後の花見になるつもりで心ゆくまで楽しみたいと思っている。
コガラ 撮影:鳥好閑人さん
二十四節気と七十二候 [詩・俳句・エッセー]
季節の移ろいがはっきりしている日本では、「春」の季節を表わす時候は下表のようになっている。二十四節気は半月毎、七十二候は5日毎に決められていて、季節の変化を美しい言葉で表した農事歴である。
四季 |
二十四節気 |
七十二候(注1) |
旧暦 |
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春 |
初春 |
立春 2月4日 |
春風氷を解く |
如月 |
うぐいす鳴く |
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魚氷を出る |
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雨水 2月19日 |
土潤い起こる |
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霞初めてたなびく |
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草木芽吹き始める |
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仲春 |
啓蟄 3月6日 |
巣籠虫戸を開く |
弥生 |
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桃初めて咲く |
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菜虫蝶となる |
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春分 3月21日 |
雀初めて巣くう |
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桜初めて開く |
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雷声を発す |
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晩春 |
清明 4月5日 |
燕来る |
卯月 |
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雁北へ帰る |
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虹初めて現る |
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穀雨 4月20日 |
葦初めて生ず |
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霜やんで苗出る |
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牡丹花咲く |
注1)七十二候の表現を文語から常用語に直した
今、桜が満開で、まさに春爛漫である。近くの川の両岸にたくさんの桜があって、川面に向かって一斉に枝を伸ばしている。上記は、夕方の桜の華やぎを詠んだ句である。
ハシブトガラ 撮影:鳥好閑人さん
二十四節気の清明 [詩・俳句・エッセー]
清明は二十四節気のひとつで、4月5日から19日ころ。「清浄明潔」の略で、すべてのものが清らかで生き生きしている季節である。
清明の初侯が七十二候の「燕来る」、南の国から燕が渡ってくる頃となっている。
契約もなく軒を貸す初燕
初燕が、農家の軒下に巣を作るため、せっせと泥を運ぶ光景を句に詠んでみた。
ヤマガラ 影:鳥好閑人さん
雁北へ帰る [詩・俳句・エッセー]
七十二候の「雁北へ帰る」は4月10日から14日ころによく見られる「雁行」に由来する。何となく寂しい季語である。
雁北へ佐久高原の日は西へ
長野県の佐久は高原野菜で有名だが、日没のまえに雁行に遭遇した様子を詠んだ句である。中七を妻恋村(群馬県)に変えても成立すると思う。
雁北へ留学生は遠隔授業
コロナ禍で来日できない留学生は遠隔で授業を受けている。そんな中で雁が北へ帰ってしまうのは何とも寂しいと感じる。つき過ぎだろうか。
オオルリ 撮影:鳥好閑人さん
桜餅 [詩・俳句・エッセー]
桜餅は、きれいな桜色で、良い香りのする、春の季節には欠かせないお菓子である。
関東風と関西風があって、原料も作り方も異なる。雛菓子としても喜ばれる桜餅は春の季語となっている。
菜園の準備完了桜餅
毎年春になると庭土を耕して、落葉土や化成肥料をすきこみ、植え付けの準備をする。ひと汗かいた後の桜餅は格別である。
結納の式の終わりや桜餅
結納はめでたさや希望に満ちた行事。滞りなく済ませた後は桜餅が似合う。
コラム 円安の是正
円ドル相場が数日間に8%変動して129円となった。この円安は衰退日本を象徴する出来事である。
政府が誤った貨幣観と緊縮脳を是正し、「強い日本を作る決意」を表明すれば円安は止まる。金融政策だけでは経済は回らない。いまこそ積極財政に転換する時だ。
政府が店じまいしたら日本はますます衰退する。
キセキレイ 撮影:鳥好閑人さん
牡丹花咲く [詩・俳句・エッセー]
穀雨は二十四節気のひとつで、4月20日から5月5日ころ。田畑の準備が整い、植物の成長を助ける雨がよく降るころである。
七十二候の「牡丹花咲く」は5月1日~5日ころで、穀雨の末候にあたる。
ひと花の牡丹の庭のにぎはへり
今年、庭の牡丹は1輪しか咲かなかったが、それだけに大輪で、庭の賑わいになった。
花びらの数かぞへたき牡丹かな
大輪の牡丹を見て花びらの数を知りたくなった。散り際に数えてみたら237枚あった。
コラム 岸田首相の新しい資本主義
岸田首相は、市場に任せればすべてがうまくいくという、新自由主義を脱却し「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」を実現すると宣言して首相の座に就いた。
ところが、国会で演説するたびに政策はトーンダウンして、救国日本の期待はしぼんでしまった。周りを財務官僚に固められて、PB黒字化目標からの決別ができないでいる。
アカモズ 撮影:鳥好閑人さん
蛙が鳴き始める [詩・俳句・エッセー]
今日から二十四節気の立夏、もう夏だ。初候が「蛙が鳴き始める」となっている。
弄られて顔あおざめる蛙かな
昔からいじられキャラの青蛙
子供のころ、蛙の尻にストローをさし、腹を膨らませて遊んだ記憶がある。悪いことをしたと悔やんでいる。
「夏」の季節を表わす時候は下表のようになっている。二十四節気は半月毎、七十二候は5日毎に決められている。これらは四季の変化を美しい言葉で表した農事歴である。
四季 |
二十四節気 |
七十二候(注1) |
旧暦 |
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夏 |
初夏 |
立夏 5月6日 |
蛙が鳴き始める |
皐月 |
蚯蚓がはい出る |
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筍が生えてくる |
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小満 5月21日 |
蚕が桑を食べ始める |
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紅花が盛んに咲く |
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麦秋となる |
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仲夏 |
芒種 6月6日 |
蟷螂が生まれ出る |
水無月 |
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腐った草が蛍になる |
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梅の実が熟す |
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夏至 6月21日 |
夏枯草が枯れる |
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あやめの花が咲く |
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半夏が生える |
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晩夏 |
小暑 7月7日 |
温風至る |
文月 |
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蓮の花が咲き始める |
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鷹の幼鳥が飛び方を覚える |
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大暑 7月23日 |
桐の花が蕾をつける |
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土が湿って蒸し暑くなる |
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時に大雨が降る |
注1)七十二候の表現を文語から常用語に直した
コラムアベノミクス失敗の反省①
安倍政権のアベノミクスは金融、財政、成長戦略の3本の矢を放って2%のインフレ目標を達成し、デフレを脱却するはずであったが、全くの失敗であった。
アベノミクス失敗の原因の第一は、金融政策偏重である。黒田日銀総裁などのリフレ派が、強引な金融緩和により超低金利を継続すればデフレを脱却できると誤認したせいである。
結果、円ドルは一時131円を超える円安となり、国民を苦しめる悪いインフレが進行中である。
是正策は、財政政策、成長戦略とのバランスを取り、金利上昇を容認することである。国債金利負担増の心配は無用である。また、財政を吹かせば、金利上昇による景気へのマイナス効果は緩和できる。
タカサゴモズ 撮影:鳥好閑人さん
蚯蚓がはい出る [詩・俳句・エッセー]
蚯蚓がはい出る
5月11日~15日ころが、七十二候の「蚯蚓がはい出る」である。ミミズは、陸地、淡水、海水に住む多くの種がある。畑や野原では、土壌改良や天地返し(深くの土を食べて糞にして表面に持ち上げる)の役割を果たしている。雌雄同体で、秋に産卵し繁殖する。生息数は無限大に近い。
目に見えぬ蚯蚓の仕事よ無常の世
地下で営まれている生態や繁殖の様子を想像すると、人間と同じ諸行無常を感じる。
コラム 岸田首相の「資産所得倍増プラン」
岸田首相が、「資産所得倍増プラン」を発表した。家計の現預金を株式などの資産運用に回し経済成長に役立てるという。金融市場で金を回しても万年デフレの日本では、経済成長にはつながらない。政府が積極財政に転換し、率先して財政をふかして需要を作るのが先だ。
モズ 撮影:鳥好閑人さん
筍が生えてくる [詩・俳句・エッセー]
5月16日~20日ころが、七十二候の「筍が生えてくる」である。ひと昔前、ゴールデンウイークに筍堀りをした記憶があるが、いまは適期が2週間位早まったような気がする。地球温暖化の影響だろうか。
湯気の立つ筍飯や妻と居て
「湯気の立つ筍飯を妻と食べた」では詩にならないが、下五を「妻と居て」とすることで様々な心情が描けたと思う。
コラム 環境関連投資
岸田首相は、10年間、官民合わせて150兆円の脱炭素新規投資をするという。悪くはないが、官民でなく官だけでその程度の投資が必要である。
首相はいまだに、プライマリーバランス黒字化政策にからめとられている。他国並みに経済成長できる積極財政政策を早く取り戻してほしい。
ツバメチドリ 撮影:鳥好閑人さん
蚕が桑を食べ始める [詩・俳句・エッセー]
5月21日~25日ころが、七十二候の「蚕が桑を食べ始める」である。実家は群馬の養蚕農家で、年3,4回、蚕を飼育し繭を出荷していた。昭和30年ころは県内で養蚕農家は6万戸以上あったが、今ではゼロに近い。
お蚕さんの桑食ふ音やレクイエム
農家は蚕に「お」をつけ、「おこさん」と呼んで大事にしていた。繭を作る前になると食欲旺盛で、まるで鎮魂歌を歌うような雰囲気があった。
コラムアベノミクス失敗の反省➁
安倍政権のアベノミクスは金融、財政、成長戦略の3本の矢を放って2%のインフレ目標を達成し、デフレを脱却するはずであったが、全くの失敗であった。
アベノミクス失敗の原因の第二は、第二の柱である財政政策の不全である。デフレギャップを埋める財政出動を渋り、その上に二度の消費税増税をやって消費に罰金を課した。世界で唯一経済成長しない国になるのは当たり前である。解決策は、大規模、長期、計画的な経済産業政策による高圧経済の実現しかない。
カササギ 撮影:鳥好閑人さん
麦秋 [詩・俳句・エッセー]
6月1日~5日が、七十二候の「麦秋となる」である。小麦の世界生産ベスト5は、中国、インド、ロシア、米、仏となっている。ウクライナは8位、日本は53位である。
戦争の爪痕や濃し麦の秋
ウクライナ戦争の痣麦の秋
ロシア、ウクライナ戦争の両当事国は小麦の輸出大国で、世界中がパンの値上げに悩んでいる。戦争で麦畑が蹂躙される動画を見ると心が痛い。
コラムアベノミクス失敗の反省③
安倍政権のアベノミクスは金融、財政、成長戦略の3本の矢を放って2%のインフレ目標を達成し、デフレを脱却するはずであったが、全くの失敗であった。
アベノミクス失敗の第三は、成長戦略の失敗である。規制緩和を徹底して民間活力を引き出そうとしたが、施策が不徹底で全く経済成長ができなかった。
このうえは、国土強靭化、先端技術、人材開発などに対し、300兆円程度の長期投資計画を公表し、民間投資を誘発することである。財源の心配は全くない。
イソヒヨドリ 撮影:鳥好閑人さん