北風が木の葉を払う [詩・俳句・エッセー]
11月27日~12月2日は、七十二候の「北風が木の葉を払う」で、二十四節気「小雪」の次候にあたる。
放課後の薪拾いには空つ風
北風やなけなしの髪無茶苦茶に
コラム 円安是正の本手。
ドル円相場は一時150円を超えて、2年前の102円と比べると5割近い円安となった。日銀の金融緩和継続の姿勢を批判する議論もあるが、いまの日本の景気状況で金融引き締めをやって金利を上げると倒産する企業が続出する。
円安是正の本手は、積極財政による景気浮揚と国力の増強しかない。
ムナグロ 撮影:鳥好閑人さん
橘の実が黄色くなる [詩・俳句・エッセー]
12月2日~12月6日は、七十二候の「橘の実が黄色くなる」で、二十四節気「小雪」の末候にあたる。橘はみかんの原種で、実は小さくて酸っぱい。みかんの産地は温州、紀州、伊予などが有名。
相続の会話の締めにみかん剥く
思い出の話の尽きてみかん剥く
コラム 英国の失敗と日本の財政主権
英国のトラス首相(当時)が、9月に発表した大規模減税で国債が売られ、金利の急騰とポンドの暴落が起きた。市場の反乱によりトラス首相は辞任した。
日本とは事情が違うにもかかわらず、財務省の飼い犬たちは辞任劇を出汁に、緊縮財政の旗振りをしている。
金融市場は金もうけの思惑で動くもの。日本政府の財政主権が市場に乗っ取られてはならない。
ムナグロ 撮影:鳥好閑人さん
熊が冬眠を始める [詩・俳句・エッセー]
熊が冬眠を始める
12月12日~12月16日は、七十二候の「熊が冬眠を始める」で、二十四節気「大雪」の次候にあたる。
温まる山の幸なる熊の鍋
測量機持ち熊の領土に踏み入れり
コラム 藤巻健司氏はオオカミ少年
文藝春秋12月号で前参議院議員の藤巻健司氏は、岸田内閣が乱発する赤字国債は、いずれ消費税増税で国民が負担する必要があると言う。ありもしない「市場の信認」とやらを言い立てて、国民を惑わす記事を書いた。
正解は、国債は貨幣発行であり、借り換えで維持するもので税金から返すものではない。経済成長の余禄で自然に減少するのは構わない。
オオメダイチドリ 撮影:鳥好閑人さん
鮭が川を上る [詩・俳句・エッセー]
12月17日~12月21日は、七十二候の「鮭が川を上る」で、二十四節気「大雪」の末候にあたる。
鮭上る身を粉にして生国へ
生国へ満身創痍の鮭上る
コラム 日本経済の四重苦
日本経済はいま四重苦に直面している。①25年も続くデフレ、➁コロナ感染による所得減少、③ウクライナ戦争による物価高騰、④日米金利差等による円安である。この四者は原因も対策も異なるので、ごっちゃにして議論するのは間違いである。詳細は次週。
オオメダイチドリ 撮影:鳥好閑人さん
大鹿が角を落とす [詩・俳句・エッセー]
12月27日~12月31日は、七十二候の「大鹿が角を落とす」で、二十四節気「冬至」の次候にあたる。
雄鹿の遠くを見つめピーと鳴く
角落とし大ジャンプする雄の鹿
コラム 日本経済の四重苦①(デフレ対策)
デフレは、政府が誤った「PB黒字化」目標に囚われて、需要不足を埋める財政支出を怠っているせいである。長期のデフレは死に至る病であるが、政治家も官僚も全く自覚がない。政府の不作為で、日本は世界で唯一経済成長しない国になってしまった。
デフレ期には民間が消費や投資を減らしてデフレギャップ(需要不足)が発生するが、この時こそ貨幣発行権を持つ政府が需要不足を埋める財政支出をしなければデフレ克服はできない。政府にしかできない仕事を放棄して店じまいしては、成長と分配の好循環は起きない。
後で述べる輸入物価高騰により、消費者物価は上昇しているが、企業はデフレ下で価格転嫁ができないでいる。特に中小企業は苦しい経営を強いられている。
最重要なことは、日本の供給能力の維持、増強であるが、それには政府の関与が必須である。
次週に続く。
イタチドリ 撮影:鳥好閑人さん