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草木芽吹き始める [詩・俳句・エッセー]

3月1日~3月5日は、七十二候の「草木芽吹き始める」で、二十四節気「雨水」の末候にあたる。


天を指す木の芽は赤い萼を脱ぐ


放課後の兄と妹麦を踏む


 コラム  国債発行は貨幣発行


 高齢化社会になって高齢者の預金が取り崩されると国債発行ができなくなると、警鐘を鳴らす有識者が沢山いる。彼らは、金本位制時代の貨幣プール論にはまったとんでもない人たちである。


国債発行は誰かの預貯金を借りて発行するのではなく、信用創造によって発行されるものである。だから原資は事実上無限であり、唯一の制約はインフレ率であり、供給能力(国力)である。


早急に貨幣観を是正してもらいたい。


 


追伸:プロバイダーから提供された容量限度のため、画像の掲載はしばらく見合わせます。長い間写真を提供していただいた「鳥好閑人」さんに感謝します。


 


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巣籠虫戸を開く [詩・俳句・エッセー]

3月6日~3月10日は、七十二候の「巣籠虫戸を開く」で、二十四節気「啓蟄」の初候にあたる。


啓蟄やパンデミックを乗り越える


啓蟄や巣籠癖を卒業す


 コラム 国力とは、国の供給能力である


 経済財政政策の目指すところは、国の供給能力の増強であり、それによって国民を豊かにすることである。にもかかわらず、今だけ、金だけ、自分だけの新自由主義に汚染された為政者は、デフレを放置して30年間も日本の国力=供給能力を毀損してきた。大型港湾設備で後れを取り、中国・韓国に置いて行かれたのは、海運業界ではなく政府の責任である。


 国民の年間の成果(GDP)の内容を見ると、総生産(付加価値)、総所得(分配)、総支出(需要)の三つであり、すべて同額である。これを三面等価の原則という。


一番目の国内総生産は、国民が生み出した付加価値の合計であり、付加価値を生み出す生産要素の保有高が潜在供給能力(=潜在GDP)である。


重要なことは、潜在供給能力を100%発揮すること、さらにそれを増強して潜在GDPを増やすことが政治の仕事である。


一方、GDPを支出面から見た国内総支出は、消費+企業投資+政府支出+貿易収支(輸出-輸入)の和で、=総需要である。


総需要が潜在供給能力を下回る需要不足のとき(デフレ時)は、政府支出を増やして民間の投資や消費を刺激しないと経済が沈滞する。日本はGDPの6%、額にして30兆円程度の需要不足を毎年抱えて苦しんできた。政府の積極財政が必要なゆえんである。


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桃初めて咲く [詩・俳句・エッセー]

 3月11日~3月15日は、七十二候の「桃初めて咲く」で、二十四節気「啓蟄」の次候にあたる。

床の間や桃の一枝にまかせたり

古民家を借景として桃の花

 

コラム 税は財源か?

 

租税には、所得税、法人税、資産課税(相続、贈与など)、物品税(タバコ、酒など)の国税と、住民税、事業税、固定資産税、不動産取引税などの地方税がある。

ここで税の機能を考えてみよう。

税の機能

説明

1財源調達

租税は、社会資本や公共サービスの財源に供される。しかし、多くの場合、歳出が先で、歳入は後になる。いわゆるスペンディングファーストである。

時間差を埋めるのは国債しかない。

2景気調整

所得税、法人税の累進課税は景気安定化装置として働く。また、好況時の消費税増税や、不況時の減税もスタビライザーである。

3所得再分配

所得税、法人税の累進課税と資産課税は、国民の所得格差緩和に役立つ。

4政策誘導

たばこ税は禁煙推進に、農業やベンチャー育成などのための補助金支給はマイナス課税となり産業保護育成に役立つ。

 国債は貨幣であり、貨幣は信用により創造されることは当ブログですでに述べてきた。だから政府は現金が手元になくても財政支出ができる。いわゆるスペンディングファーストである。

税の財源調達機能を絶対視して、財政健全化・PB黒字化・緊縮財政を目的化にしてしまうと、それは結果的に永遠に達成できない目標になってしまう。不況期の積極財政、好況期の緊縮財政という適切な経済財政政策によって、国民を豊かにしたご褒美に健全財政は達成される。

税は財源ではないという議論があるが、「税は財源か」の結論は、結果としてはイエスではあるが、財源漁りをして国民を苦しめると、健全財政が吹き飛び日本は没落する。


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菜虫蝶となる [詩・俳句・エッセー]

 3月16日~3月20日は、七十二候の「菜虫蝶となる」で、二十四節気「啓蟄」の末候にあたる。


 初蝶や詩人の心鷲掴み


初蝶の光芒となり消えゆきぬ


コラム 財源問題はない


 GDPを収入面から見た、国民総所得(分配)は、個人所得、企業利益、政府の歳入(税など)の合計である。


不況期にはすべてが縮減して放っておくと悪循環を起こし、デフレスパイラルに突入する。だから政府は少ない歳入に赤字国債(実は貨幣発行)を足して、財政支出を増やし、デフレ脱却を図らなければならない。財源は増税ではなく、国債であって財源の心配はない。


需要牽引型(デマンドプル型)の好況になり、名目成長率5%、インフレ率2%程度が続くようになると、国民総所得が増加し、累進課税による税収も増えてくる。民間の活動が活発になるので、その分政府の歳出を減らさなければならない。歳入増、歳出減でPBは黒字となり、国債残高は減少する。


要するに、経済成長をしない限り、財源問題の解決はできない。政府の失政が恨めしい。


追伸:七十二候を題に俳句を披露してちょうど一年になる。目先を変えるため、来週からエッセーをメインにし、俳句をサブにしてブログを続けたい。引き続きご訪問ください。



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脱成長論とその批判 [詩・俳句・エッセー]

1.セルジュ・ラトゥーシュらの脱成長論


 ラトゥーシュによると、現資本主義国の成長至上主義は際限のない消費、自然収奪、環境汚染をもたらし、結果、地球の再生力を奪い、不平等が拡大している。


 そこで、脱成長論者は、「簡素な生活が好循環する社会」「節度ある豊かな社会」を構想する。


具体的には、①人間が資源やインフラを共有する「コモンズ」の復権、➁「成長なきグリーン・ニューディール政策」、③「所得とサービスの保障」④「労働時間の削減」⑤「環境と平等のための公的支出」の5つ改革を提唱している。


2.脱成長論に対する主な批判


①コモンズの復権などの復古的な対応では世界が直面する気候変動問題を解決できない


➁現在の新自由主義的市場経済の浸透力にはあらがえない、と批判している。


 ではどうしたらよいか次週以降のブログで述べる。


俳句 題:桜初めて開く


3月26日~3月30日は、七十二候の「桜初めて開く」で、二十四節気「春分」の次候にあたる。今年は桜の木の下に、マスクなしの素顔の花見客が団欒していた。


花見酒素顔の会話ここそこに


縁日の夜店の明かり花むしろ


 



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