SSブログ

経済学者の財政意識調査 [詩・俳句・エッセー]

東京財団政策研究所が昨年末、経済学者(回答282人)を対象に財政意識調査を実施した。設問の一部を取り上げ、回答率を記載した。右の欄は筆者のコメントである。  


設問

選択肢

回答率

筆者のコメント

日本経済は将来成長できるか

成長はできない

50.0

経済は政治で動かせることがわかっていない。積極財政派は3%位しかいないことが分かった

構造改革をすればできる

36.9

大規模財政支出でできる

3.2

財政赤字は問題か

大変な問題である

44.3

学者のくせに貨幣観を間違えている。不況期の財政赤字は当然のことである。

ある程度問題である

42.2

問題ではない

6.0

借金増加で何が起きるか

増税と歳出カット

44.3

いまだに財政破綻を言う学者が11%、ハイパーインフレが21%もいる。

高インフレ

21.3

国債のデフォルト

11.3

消費税の増税は必要か

15%~20%への増税が必要

48.2

経団連や財務省の犬が大勢いる。消費税が日本衰退の原因であることを理解していない。

10%の現状維持

30.9

減税が必要

8.5

政策の優先順位は何か

規制改革

60.3

角を矯めて牛を殺すような規制改革頼みはダメだ。財政再建を主目的にすると財政が硬直化し永遠に達成できない目標になる。

分配政策

18.1

財政再建

12.8

大規模財政出動

3.9


文藝春秋の5月号に斎藤次郎元事務次官が「財政規律至上主義」の記事を掲載した。日本経済のパフォーマンスより、省益が大事だという。人格が疑われる寄稿であった。政治家が財務省を管理できないと、日本経済復活の道は大変険しい。


 


俳句 題:七夕


七夕の短冊赤し我卒寿


願いより重き祈りの星祭


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

新自由主義とミルトン・フリードマン [詩・俳句・エッセー]

 ミルトン・フリードマン: 1912年ニューヨーク生まれでシカゴ学派の重鎮。1976年ノーベル経済学賞受賞。


 彼は自由市場、自由貿易を重視し、市場競争が経済の繁栄をもたらすとして新自由主義を提唱した。具体的には、規制緩和、官から民へ(民営化)、小さい政府、自己責任、福祉の切り捨て、緊縮財政等の政策が推奨された。


筆者の意見:


この政策は、インフレ時には弊害が少ないが、デフレ時にはデフレスパイラルを昂進し、経済的格差を拡大し、自然災害への対応力を損なって、社会の不安定化を助長すると思う。


また、国際金融資本が好むグローバリゼーションと合体して世界的な富の収奪に加担している。


俳句 題: 虹


運命の妻との出会い虹二重


父母の子に生まれきて虹の朝



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

グローバリズムの病理 [詩・俳句・エッセー]

1.グローバリズムとその経緯


①グローバリゼーション歴史: 1914年の第一次世界大戦を契機に終わった第一次グローバル化の後、現在は、1980年代に始まった第二次グローバル化が、2008年のリーマンショックをピークに転換期を迎えている。


➁主導者と勝者: ミルトン・フリードマンの新自由主義に悪乗りし、物・人・金の移動を自由化して、世界の富を独占してやろうというのが、国際金融資本・軍産複合体・戦争屋である。


2.グローバリズムの構造


①自由貿易


「モノ」「サービス」「ヒト」「カネ」が国境を越えて自由に移動すること。政府による産業保護、経済活動の規制が非効率の源泉であり、正義に反するとして、「小さい政府」・「規制緩和」、さらには「国境の廃止」を指向する。自由貿易は必要だが、程度や限度というものがる。


➁規制緩和


 産業保護をはぎ取って、競争を促進し、国際金融資本に門戸を開放し、自由貿易を促進することになる。


これが過当競争を生み、国内産業を疲弊させ、勝者と敗者の経済格差を拡大させる。最後の勝者は国際金融資本だけという事態を招く。現に、アメリカなどの帝国主義国家が、軍産複合体や多国籍企業を操って、世界の富を吸い上げる戦略を実行している。


③緊縮財政


「小さい政府」は緊縮財政と親和性が高く、所得の中間層を減少させ、貧困層の大量発生につながっている。


 俳句 題: 梅雨明け


コロンとカップイン梅雨明けの青空


完治せし口内炎や梅雨明くる



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本維新の会と身を切る改革 [詩・俳句・エッセー]

 日本維新の会は「身を切る改革」を党是に掲げて勢力を伸ばし、今や野党第一党の地位を確保した。この党是は新自由主義の権化のようなスローガンで、国民の不満(ルサンチマン)を巧妙に掬い取り、党勢拡大に役立ててきた。


しかし、国力を失い衰退する日本にとっては毒薬である。


1.議員定数の削減はポピュリズムへ道を開く


 維新の主導により、大阪府議や市議の定数削減が進んでいる。中選挙区制から実質的な小選挙区制への移行により、勢いのある維新の議席独占を狙っている。これは地方議会に多様な民意を届ける道を閉ざすものである。歳費はGDPの一部で全く無駄というわけではない。僅かばかり削っても割に逢わない。


2.大阪都構想は新自由主義の申し子


維新が過去2回、住民投票で敗れた大阪都構想は、新自由主義の小さい政府を志向している。こんな考え方の首長がいる地方都市は、GDPを減らし、行政サービスを劣化させる。現に大阪府はそうなっている。脱グローバリズムを模索する日本の現状に合わない政策である。


3.新自由主義バリバリの維新の公約


①身を切る改革 国会と地方議会の議員数と人件費について、国会は3割、地方は2割削減すると公約している。


筆者の意見:維新は改革至上主義の右派ポピュリズム政党で、不況を克服できない今の日本にとって全く相応しくない政党である。貨幣観を根本的に間違えているからこそ出てくる政策ばかりです。


➁経済成長戦略 市場競争原理を徹底し、民間の創意工夫でイノベーションを創出し成長産業を伸ばすと公約している。


筆者の意見:需要不足に喘ぐ産業界に自由競争を強いるだけでは成長産業は作れない。不況期には政府と自治体が積極財政で需要不足を解消するのが先だ。


 


俳句 題: アイス


おやつ時赤いアイスをじゃんけんで


駄菓子屋のアイス売り切れ子らは悲鳴


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感