鶏が卵を産み始める [詩・俳句・エッセー]
1月30日~2月3日は、七十二候の「鶏が卵を産み始める」で、二十四四節気「大寒」の末候にあたる。
大寒や眉間に刻む皴の数
酷寒の川よ手の切れそうな水
コラム 防衛費倍増の財源
岸田内閣では防衛費倍増は既定路線としている。5年間43兆円の財源確保については、自民党内に赤字国債派と増税派がある。
防衛費を赤字国債で賄うのは、戦前、軍費調達に赤字国債を乱発したトラウマが気になるが、それは運用次第である。
安定財源を求める増税派にも一理あるが、デフレとスタッグフレーションの四重苦に陥っている現在の日本では、増税は死を意味する。
「赤字国債=国民の借金」という誤解を解き、国債は貨幣発行であるという正しい貨幣観を身に着ければ、正解は明らかである。それは防衛国債である。
欧米並みに、国債の60年償還ルールを廃止し、財政法4,5条の赤字国債禁止の条文を改定して、財源論に終止符を打ちたい。
国民を豊かにし、全員を救うのが政治の目的である。財政健全化やPB黒字化を目的にしては、デフレ深刻化―貧富の格差拡大―自己責任追及―日本没落の悪循環を抜け出せない。
ウミネコ 撮影:鳥好閑人さん
うぐいす鳴く [詩・俳句・エッセー]
2月9日~2月13日は、七十二候の「うぐいす鳴く」で、二十四四節気「立春」の次候にあたる。なお、うぐいすは春の季語だが、老鶯は夏の季語となっている。
うぐいすの声する方へ散歩道
老鶯に心預けて山路かな
コラム お願いベースの賃上げ要請
政府は経営者団体に物価上昇を上回る賃上げをするよう要請している。無駄とは言わないが、なんとも姑息な手段である。
答えは簡単である。政府にしかできないことをやればいいだけ。需要不足を政府支出で埋め、民間活力を促すことで、実質3%程度の高圧経済を実現すること。賃上げは黙っていてもついてくる。
政治家は財務官僚の口車に乗って、過去25年のデフレ期に、消費税増税や緊縮財政を採用し、民間の足を引っ張り、世界で唯一経済成長しない国にしてしまった。反省し国民に謝罪するべきだ。
オナガ 撮影:鳥好閑人さん
魚氷を出る [詩・俳句・エッセー]
2月14日~2月18日は、七十二候の「魚氷を出る」で、二十四四節気「立春」の末候にあたる。
この時期の関連語としては、薄氷(うすらい)、明日葉(あしたば)、ワカサギ、金縷梅(まんさく)、バレンタインデー、メジロ、などがある。なお、つがいのメジロに遭遇すると運気がアップするといわれている。
薄氷や飛び出しそうな魚の影
散歩道つがいのメジロ見つけたり
金縷梅は末(す)枯れの庭の立役者
コラム 国債60年償還ルールは偽計
政府は毎年、国債発行残高の60分の1(約20兆円)を歳出予算として計上している。これが国債60年償還ルールで、世界で唯一日本だけのやり方である。
満期の国債は、毎年「国債借り換え」で済ましているので、国債60年償還ルールは実態と異なる会計制度となっている。
財務省の狙いは、歳出を見かけ上膨らませて、歳出カットの圧力に使いたいのであろう。
国債は国民が負担すべきものではない。また、財政健全化は結果であって目的ではない。財政均衡は国民を豊かにする目標達成の結果、意図せずにもたらされるものである。
ムクドリ 撮影:鳥好閑人さん
霞初めてたなびく [詩・俳句・エッセー]
2月24日~2月28日は、七十二候の「霞初めてたなびく」で、二十四四節気「雨水」の次候にあたる。
春霞む「大」文字の妙義山
生き切って悔いを残さず遠霞
コラム 「ワニの口」の悪宣伝
日本の毎年の歳出と歳入を折れ線グラフで表すと、「鰐の口」のように年々差が開いていて、いずれ日本の財政は破綻する、ハイパーインフレになる、金利が暴騰するという言説がある。
現に、財務省の矢野康治事務次官(当時)が前回の衆院選を前にして文藝春秋に、「バラマキ合戦のような政策を続けていると、国家財政は破綻する」として「鰐の口」のグラフを掲載した。
コロナ禍の財政出動をバラマキと決めつけ、絶対に起こらない財政破綻を喧伝するのは、役人として絶対にやってはいけないことだ。
まして、鰐の上顎に、必要もない国債償還費20兆円(先週の当ブログ参照)を上乗せして歳出を多く見せる偽計に至っては言語道断である。