もみじや蔦が黄葉する [詩・俳句・エッセー]
11月2日~11月6日は、七十二候の「もみじや蔦が黄葉する」で、二十四節気「霜降」の末候にあたる。
二人して四国の旅の照る紅葉
亡き母の思い出深し紅葉狩
母は101歳で亡くなったが、何回も旅に誘い、親孝行ができたことを自負している。
コラム グローバリズムの三態様(規制緩和、自由貿易、緊縮財政)
経済のグローバリズムは、「規制緩和」・「小さい政府」、さらには「国境の廃止」を指向する。
「規制緩和」は産業保護をはぎ取って、競争を促進し、国際金融資本に門戸を開放し、「自由貿易」を促進することになる。これが過当競争を生み、国内産業を疲弊させ、勝者と敗者の経済格差を拡大させる。
最後の勝者は国際金融資本だけという事態を招く。現に、アメリカなどの帝国主義国家が、軍産複合体や多国籍企業を操って、世界の富を吸い上げる戦略を実行している。
また、「小さい政府」は「緊縮財政」を志向し、デフレを長期化して、所得の中間層を減少させ、貧困層の大量発生につながる。
グローバリズムにはメリットもあるが、国内では産業の空洞化、格差拡大などのデメリットが容認できないほど大きくなっている。
アオジ 撮影:鳥好閑人さん
山茶花が咲き始める [詩・俳句・エッセー]
11月7日~11月11日は、七十二候の「山茶花が咲き始める」で、二十四節気「初冬」の初候にあたる。
山茶花や霜焼けお手手がもうかゆい
山茶花の赤白ピンク豊かなる
● 冬の二十四節気と七十二候
「冬」の季節を表わす時候は下表のようになっている。二十四節気は半月毎、七十二候は5日毎に決められている。これらは四季の変化を美しい言葉で表した農事歴である。
四季 |
二十四節気 |
七十二候(注1) |
旧暦 |
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冬 |
初冬 |
立冬 11月7日 |
山茶花が咲き始める |
霜月 |
大地が凍り始める |
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水仙の花が咲く |
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小雪11月22日 |
虹を見かけなくなる |
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北風が木の葉を払う |
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橘の実が黄色くなり始める |
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仲冬 |
大雪 12月7日 |
天地の気が塞がって冬に |
師走 |
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熊が冬眠を始める |
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鮭が川を上る |
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冬至12月23日 |
夏枯草が芽を出す |
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大鹿が角を落とす |
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雪の下で麦が芽を出す |
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晩冬 |
小寒 1月5日 |
芹が生育する |
睦月 |
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凍った泉が動き始める |
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雄の雉が鳴き始める |
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大寒 1月20日 |
蕗の薹が蕾を出す |
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沢に氷が厚く張り詰める |
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鶏が卵を産み始める |
注1)七十二候の表現を文語から常用語に
コラム 構造改革で日本沈没
2001年からの小泉内閣は、「構造改革」の名のもとに、「小さな政府」、「官から民へ」、「中央から地方へ」などのキャッチフレーズを唱え、既得権の排除や、規制緩和により、道路公団や郵政の民営化を断行した。さらに、水道民営化、中小企業つぶし、農協つぶし、種子法改悪などが進行している。
弊害として、国民生活の格差拡大、競争原理主義の台頭、社会保障での弱者切り捨て、自己責任論の蔓延、地方の衰退、などが起きている。
今、「構造改革」への批判が高まり、見直しの動きが出ている。
アオジ 撮影:鳥好閑人さん
水仙の花が咲く [詩・俳句・エッセー]
11月17日~11月21日は、七十二候の「水仙の花が咲く」で、二十四節気「初冬」の末候にあたる。
城跡や往時を偲ぶ水仙花
房総の土手をうずめる野水仙
水仙の花言葉は、自己愛、神秘、尊敬。自己愛は、ギリシャ神話に出てくる青年・ナルキッソスの故事にちなむ。彼は、水面に映る自分の顔を見て恋をしたという。
コラム 防衛費倍増の問題
防衛費を5年の間にGDP比2%に増やす計画が浮上している。ウクライナ侵攻や中国の軍備増強を見れば納得できる面もある。
しかし、安全保障は、抑止と安心供与が車の両輪である。抑止一辺倒で、軍備増強を語る軍事評論家が多いが、外交と多国間連携による安心供与を忘れてはならない。
それに、増やすにしても額ありきでなく、効率的な防衛能力向上と、装備品の国産化を望む。
タンチョウ 撮影:鳥好閑人さん
虹を見かけなくなる [詩・俳句・エッセー]
11月22日~11月26日は、七十二候の「虹を見かけなくなる」で、二十四節気「小雪」の初候にあたる。虹は夏の季語で夏によく見かけるが、11月になると見かけなくなる。
子ども等の劇場となる雪の原
夜行バス雪原に立つ夢ん中
今、二十四節気の「小雪」。雪を季題にした俳句を作ってみた。
コラム 反撃能力
自民党安全保障調査会は、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を提起している。攻撃対象には敵の装備のほか指揮統制機能を含むという。
自衛権の範囲を明確にするのはよいが、先制攻撃ならないよう入念な歯止めが必要と思う。何よりも周辺国を無駄に刺激する言動は慎みたい。
キセキレイ 撮影:鳥好閑人さん