国債発行は麻薬? [詩・俳句・エッセー]
元財務大臣の伊吹文明氏が、最近、「国債発行は麻薬中毒」と発言した。「国民は助けたいが、国にはお金がない」、「借金を将来世代に残してはいけない」、「税金の2割は借金の元利払いに消えている」とも。伊吹氏は議員を引退しているが、財務大臣までやった人がこんな認識では情けない。
筆者の意見:
①貨幣プール論:
「国にはお金がない」というのは典型的な貨幣プール論で、貨幣の信用創造の仕組みを理解していない。そもそも財源問題はなく、過度なインフレを管理することだけである。
➁次世代への付けではない:
国債発行残高は貨幣発行残高であって、減らすものでも、将来世代へのツケでもない。経済成長を続ければ自然にゼロになることはある。政治家がマクロ経済政策を失敗して、失われた30年を作ったが、失敗がなければ国債残高ゼロはあり得た。
③国債償還の元利払い:
今年度の国債関連費は27兆円で、内訳は国債元本の償還費が17.5兆円、利払い費は2兆円増えて9.5兆円となった.
④国債60年償還ルールは偽計:
政府は毎年、国債発行残高の60分の1(今期は17.5兆円)を歳出予算に計上している。これが国債60年償還ルールは、必要もないのに世界で唯一日本だけがやっている。
満期の国債は、毎年「国債借り換え」で済ましているので、国債60年償還ルールは実態と異なる会計制度となっている。
財務省の狙いは、歳出を見かけ上膨らませて(いわゆる鰐の口)、歳出カットの圧力に使いたいのであろう。
俳句 題: 蒲公英
蒲公英の絮は気ままに風に乗る
たんぽぽの原に漕ぎ出す三輪車
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