SSブログ

習近平主席に告ぐ② 覇権主義の自制 [平和外交]

 貴国と日本は1972年に、日中共同声明に調印し、主権・領土の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和的共存のいわゆる平和五原則を確認しあいました。また、同声明の第7項で、両国はアジア・太平洋地域の覇権を求めないと約束しました。1978年の日中平和友好条約の締結時にも、この平和五原則が再確認されました。

 貴国は最近、東シナ海におけるガス田開発で、日中共同開発の合意を無視して独走しており、そのうえ、尖閣諸島をめぐって、日本の領海侵入を繰り返しています。

 また、貴国は南シナ海で領有権を主張し、岩礁を埋め立てて軍事施設を建設して、最近、フィリッピンの訴えを受けて、常設仲裁裁判所が貴国のいわゆる「九段線」に基づく過剰な歴史的権利を否定する判決を出しました。世界の多くの国がこの判決を支持し、貴国の対応を見守っているのです。

貴国はどこへ向かおうとしているのでしょうか。貴国の海洋進出が国是であることは理解していますが、力に頼り、力だけしか信じない国づくりは、結局は破たんします。

帝国の衰退は何度も繰り替えされた歴史の真実で、しかもスピードは速くなってきています。大英帝国の衰退に続いて、アメリカ帝国が衰退に向かって進んでいます。代わって、貴国が力をつけて、中華帝国の時代を築こうとしているのでしょうか。

権力は腐敗します。貴国がこの権力をどう使うか世界が注視しているのです。

そこで、筆者は次の通り提案します。

1. 尖閣諸島(中国名・魚釣島)は日本に預けてください

 1970年代に尖閣周辺で、石油資源埋蔵の可能性が取りざたされて以来、貴国は領有権の主張をし始めました。2012年に日本が尖閣諸島を国有化して以来、毎日のように、尖閣周辺の領海侵入を繰り返しています。

 日本政府は、尖閣は日本の固有領土であると主張していますが、筆者は世界平和のためになるなら、一時棚上げし、将来、共同開発により共存共栄を図るのが最善と考えています。合意ができるまでは日本に預けてください。

2. 東シナ海のガス田協同開発に日本を誘ってください

貴国は、日中中間線の中国側において、16基のガス田プラットフォームを建設し、採掘を続けています。2008年に合意した共同開発の構想が停滞し、「平和、協力、友好の海」の理念がかすんでしまいました。

尖閣問題が絡んでいるようですが、対立を乗り越えて、ガス田共同開発に日本を誘ってください。

3.南シナ海を周辺国の共有地に指定してください

 南シナ海の「シーレーンの確保」は、アジアの多くの国にとっても死活問題であり、ベトナムやフィリッピンなど、島の領有を主張している国もあります。

そこで、南シナ海を周辺国の共有地(グローバル・コモンズ)と位置付け、資源や便益を共用するのです。「南シナ海シーレーン基金」を作って、各国に応分の出資を求めるのです。貴国がすでに支出した費用の一部を肩代わりすることになります。日本は航行の自由以外の権利は主張せず、海域の平和増進のための支援を惜しみません。

このような提案を快く受け入れるのが、大国となった貴国の未来志向のふるまいではないでしょうか。覇権主義は一定の限度を超えると、限界効用逓減の法則が働いて、利益に比べてコストが急激に高くなるものです。かつての日本の轍を踏まないで下さい。




nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0