日本再生⑤ 日本経済再生の処方箋 [平和外交]
「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。
今回は、新自由主義に基づくグローバリズムと構造改革路線を転換し、緊縮政策を克服して、日本経済を再生する方策を考えてみよう。
1.緊縮政策を脱して長期投資計画を発表しよう
政府は、2020年から10年間、年15.2兆円、20年間で総額219兆円の投資計画を発表しよう。そして、物価2%上昇、GDP実質5%成長を実現しよう。
政府が緊縮政策の呪縛を脱して、長期にわたる投資態度を鮮明にすると、民間企業は安心して、自社の設備投資、技術開発投資、人材開発投資を実施できる。これによって、日本は完全にデフレを脱却し、企業は一人当たりの生産性向上を実現して、経済成長体質を取り戻すことができると思う。
表は、政府の年間投資額、投資継続年数、投資案件の内容(提案)である。藤井聡著「令和日本再生計画」を参考に筆者が作成した。
投資額 |
年数 |
投資案件(幅の長さは継続年数) |
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5兆円 |
15 |
巨大災害対策 |
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4 |
20 |
インフラ整備(改修含む) |
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2 |
10 |
資源・エネルギー調達 |
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2 |
10 |
食料自給率向上 |
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1 |
10 |
安全保障 |
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0.4 |
10 |
SOCIETY5.0(物流基盤整備) |
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0.3 |
10 |
技術立国復活 |
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0.3 |
10 |
観光産業基盤(港湾含む) |
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0.2 |
20 |
交通網整備(都市と地方、地方と地方) |
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注)投資乗数(ケインズ理論):1単位の投資が何単位の所得を生み出すかを示す倍数のこと。投資先によって異なるが、2倍、3倍は期待できると思う。
2.反・グローバリズムの動きを加速しよう
自由貿易は必要ではあるが、移民の増加などのグローバル化の行き過ぎで、国民の間に分断が生じ、「米国第一」のトランプ大統領出現、英国EU離脱、フランスの黄色いベスト運動などの反・グローバリズムの動きが起きている。
日本では、「令和ピボット」のような運動が始まった。経世済民の精神を放棄し、緊縮財政と「小さな政府」に固執し、日本を長期低迷に導いた現政権に対し、「反・緊縮」、「反・グローバリズム」、「反・構造改革」へと政策の転換(ピボット)を促す国民運動である。政治を動かす力を倍加しよう。
3.日本を売り渡す、構造改革に反対し、日本を取り戻そう
行き過ぎたグローバリズムは、国民の命を守るべき「国民国家」の働きを損なってしまうものである。現に、移民法、種子法、水道法、IR推進法、漁業法など、安倍政権は、ろくな審議もせずに法改正を行った。米国などからの圧力に屈したとはいえ、国際金融資本に日本を売り払ったに等しい。
法改正の内容をもう一度見直して、過当競争を回避し、適正な賃金を払い、適正な価格で取引できる、経済環境を取り戻そう。
4.まとめ(筆者の意見)
①グローバリズムの対極は国民国家主義である。ゆるやかな規制(保護)と連帯による、横のナショナリズムが機能する国民国家が、平和で住み良い国家である思う。
②行き過ぎたグローバリズムは良くないが、インターナショナリズム(国際主義)は大事である。国際主議の尊重が、アジア地域連合から世界共同体につながってゆくと思う。かつての「国際連盟脱退」などという、ドツボに嵌る、悪夢の孤立状況を作ってはいけない。
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