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日本再生⑩ 日中連携戦略  [平和外交]

 前回は、アジアの安全保障の現状とアジア連合の在り方を検討した。今回は、アジアの大国である中国を、多国間連携であるアジア連合にどのように引き込むかを考えてみよう。

 

1.アジア連合に向けた日中連携戦略の考え方

 

(1)向こう三軒両隣の精神を取り戻そう

「遠い親戚より近くの他人」は真理。近いゆえに紛争の種が多く、友好には、何倍も努力が必要だが、努力の甲斐はある。民族の欠点をあげつらっても、得るものはない。

中国にも強権的な人ばかりではなく、多様な、優れた人材が多い。味方を敵に変えるのは愚の骨頂である。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をすべきである。

 

(2)嫌中という小児病を克服しよう

学者や言論人にも、嫌中派は多い。対日敵対工作があったという多くの報道は、プロパガンダである。たとえ工作があったとしてもそれには原因がある。冷静に原因を取り除く対応が必要である。

下に見ていた中国が、強大になり、蔑視と羨望の感情に揺れる気持ちはわかるが、克服する大人の対応が望まれる。人を変えるには、まず、自分が変わることだ。

 

(3)日中経済連携は戦争を防ぐ

 安全保障にとっては、抑止と安心供与が車の両輪である。抑止力(軍備強化)偏重は金食い虫で、非効率である。経済連携は安心供与の優れた手段で、互いに儲けながら戦争を防ぐことができる。

戦争ばかりしていた隣国同士の独仏が1952年の欧州石炭鉄鋼共同体加入を契機に友好関係を築いたのが好例である。利益を分かち合う心さえあれば、ウィンウィンの関係、すなわち戦略的互恵関係を構築できると思う。

 

2.アジア連合のための対中国のアプローチ

アジア連合の交渉において、難物は中国である。中国と交渉開始の合意ができれば、8割がた、スタートアップは完了である。日本は、中国を仮想敵とせず、交渉の本気度を態度で伝えるべきである。  

いま、中国崩壊論や崩壊待望論がにぎやかである。しかし、「社会主義現代化強国」を目指すという中国は、帝国主義的ではあるが、世界を相手に取引をし、需要を創造する力がある。

 

財政均衡論に縛られた、下手な民主主義国家よりも、野性的、戦略的で、米中覇権戦争もうまくやり過ごすに違いない。

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が年内妥結を目指して交渉中である。参加国がアジア連合対象国とほぼ同じであり、中国も前向きである。日本は、早期妥結に向け指導力を発揮してもらいたい。

 

3.アジア連合に向けた日中連携の段取り

 

(1)安倍首相は南京慰霊訪問しよう

南京虐殺30万人説は信じないが、慰霊訪問すれば、安倍首相と日本への見方ががらりと変わる。

 

(2)中国の「一帯一路」構想に参加を表明する

日米で進める「自由で開かれたインド太平洋」に「一帯一路」を統合する、大きい絵を描こう。

 

(3)AIIB加入とADBとの連携強化を表明する

AIIB中国主導のアジアインフラ投資銀行、ADBは日米主導のアジア開発銀行

 

(4)東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への関与を強める

 

(5)アジア地域連合(共同体)のキックオフを中国に向かって宣言する

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①中国崩壊論が良く聞かれる。中国崩壊待望論というべきかもしれないが、品性が透けて見える。ここは、向こう三軒両隣の精神で、おせっかいを焼くべきではないか。虎穴に入って、大きな虎児を調教するくらいの気概を持とう。

 

②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。間違っても、米日対中露が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。地球が壊れる。

 

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