コロナ後、日本再興⑫ 世界共同体のまとめ(軍事の課題) [コロナ後の日本再興戦略]
世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。今回は、世界政府の実力組織である地球防衛軍(仮称)や地域連合軍の役割について、まとめをしてみよう。
1. 地域連合軍の役割
アジア、米州、欧州の各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。地域防衛の具体的な役割は下記の通りである。
(1)国や地域の紛争の調停、予防
地域連合に所属する国や地域において、発生し、あるいは発生しそうな紛争の調停、停戦協定の斡旋、停戦協定順守状況の監視、NGOの保護などを行う。
(2)難民予防
難民発生原因の除去、難民流出阻止、難民申請手続きの監視、NGOの保護などを行う。
難民高等弁務官事務所の発表によると、難民の累計は6800万人を超えて増え続けており、しかも半数が子供だという。費用は善意の寄付に頼っているのが現状で、今後、十分な予算措置が必要である。
(3)内政不干渉
地域連合に所属する国は国民国家である。国民国家は、国民が、「人として自分らしく生きる」権利を保障する機関として存在意義がある。このような国民国家に、上から内政干渉してはならない。
2.地球防衛軍の役割
世界共同体の軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界の平和を保持する。
(1)地域連合軍の役割の補完
各地域の連合軍の役割を補完し、地域連合をまたがる紛争については調停、予防の任に当たる。
(2)核軍縮の推進
国連に、「核安全保障機構」(仮称)を創設し、核保有国を機構に取り込んで、核の一元管理を図ろう。核の傘の上に、大きな核の傘を被せることで、地球規模の核抑止、戦争抑止の体制ができると思う。
世界政府が、核兵器による安全保障の推進者、管理人、執行者となって、核保有国の核兵器の査察、監視を実行することになる。この大きな核の傘が機能するようになれば、核兵器の全面的な廃絶が視野に入ってくると思う。危険な魔物を退治するには、斬新なアイデアが必要である。
(3)中距離核ミサイル全廃条約(INF)の再交渉
最近米国が、ロシアの条約違反と中国の戦力保持を理由に、離脱を宣言した。米国は、離脱を考える前に、中国など関係国を広げて、条約の継続を協議するべきである。
(4)サイバー、宇宙空間に関わる兵器の統制
宇宙兵器開発競争が激化しているが、宇宙戦争は決して見たくない。世界政府を作って、早急に宇宙兵器禁止条約をまとめよう。
(5)フェイク・プロパガンダの統制
フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、誤った方向に導く元凶。ITを活用して根絶しよう。
3.まとめ(筆者提案)
①核先制不使用に賛成する核保有国を増やす運動をしよう。核軍縮、核廃絶への近道である。中国は賛成している。また、機能不全に陥っている国連の活性化策を考えよう。
②非核兵器地帯条約の締約国は現在、6地域、116か国である。非核兵器地帯の面積を増加する国際的な運動を展開しよう。
③核兵器禁止条約に日本は棄権したが、核拡大抑止力は幻想である。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、条約を率先推進しよう。
④核廃絶の取り組みに消極的な保有国に対し、不買運動含む市民運動を展開しよう。
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