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保守右派の論点検証④ 愛国教育 [平和外交]

 日本は戦前、皇民化教育と称して徹底的な国家に対する愛国心教育を実施した。“鬼畜米英”を標的に、青少年に精神論偏重の教育を施し、無謀な戦争に駆り立てた。

戦後はこの反省に立って昭和1947年に教育基本法が制定され、民主的な教育制度が実施された。日本教職員組合(日教組)が革新勢力と組んで、イデオロギーに傾いた教育を志向し、文部当局と軋轢が生じる場面もあったが、1989年の冷戦終結以後は革新勢力の退潮とともに、やや沈静化している。

2006年に、教育再生を目指して教育基本法が改定され、教育の基本理念として、道徳心、自立心、公共の精神が条文に盛り込まれた。

 

保守右派の愛国教育への思いが、健全な青少年の育成につながる検証してみよう。

論点1.祖国への誇りと愛情を持った青少年を育成しよう

 憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とうたっているが、これが、個人主義の行き過ぎにつながった。2008年に改訂された学習指導要領に規定するように、国や郷土を愛する青少年を育てることが最重要である。

検証:愛国心は国と自己を一体のものと感じる際に生じる愛着感であるが、しばしば排外主義や国家主義に取り込まれることがある。

健全な愛国心を持った青少年を育成するには、戦前戦後の現代史の裏も表も包み隠さず教えるべきである。現代史の学習時間が取れなかった、教師が政治がらみの微妙な問題を避けたなどは、言い訳にもならない。また、教師の教え方について、生徒から密告する制度を設けると聞くが、すえ恐ろしい発想である。

 

論点2.日本に誇りを持てる「新しい歴史教科書」を子供たちに届けよう

 大東亜戦争は日本の自衛戦争であり、アジア開放の戦争であった。また、南京事件や従軍慰安婦は幻で、過去の日本を貶める言いがかりである。自国の歴史・伝統や文化を蔑ろにした国の未来に繁栄はない。以上は「新しい歴史教科書をつくる会」の主張である。

検証:歴史修正主義的な主張である。歴史修正主義は、すでに確定している歴史事実について、自身のイデオロギーに沿って、なかったように主張したり、誇張、ねつ造、改ざんしたりすることで、歴史否認主義ともいう。

向き会いたくない過去があると、人は攻撃的になり、自己正当化したくなるものだ。しかしこの気持ちを前向き、外向きに転換しない限り、国際社会の理解は得られない。

日中韓の有識者間で、東アジアの歴史を共同研究すべきである。研究成果は各国の教科書に載せて、正しい歴史認識を持った未来志向のアジア人を育てたい。

 8月の当ブログ「歴史修正主義的な言論は封印してください」参照

 

コラム 2004年の秋の園遊会で、今上天皇が招待者との会話で、「学校での日の丸掲揚と君が代斉唱は強制になるということでないのが望ましいですね」と述べられた。

 招待者は愛国心を陛下に売り込んだつもりであったがかわされた。陛下をこのように政治利用するのはご法度である。日本人は国に一旦緩急あれば一夜にして皆、愛国者になってしまう民族である。そんな事態は、ふたたび、見たくはない。


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