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21世紀の外交戦略⑨ 中国脅威論と中華思想 [平和外交]

 前回、前々回の当ブログで、中国脅威論の論点と反証、狙と克服法について述べた。今回は中華思想との絡みについて考察してみよう。

1.中華思想の意義
 中国・漢民族を世界の中心とみる思想。漢の武帝以来の、華夷秩序の実現を目指す対外膨張戦略で、遍く天下(世界)は王土(中国領)と考えられている。いまでは、中華思想は中華民族の偉大な復興・中国の夢の対象になっている。

2.中国史から見た中華思想
 中国の主な王朝は、秦、漢、隋、唐、元(モンゴル帝国)、明、清である。このうち、隋、唐、元、清は、遊牧騎馬民族による征服王朝であった。異民族に統治されて、逆に、栄えた時代であったが、被害者意識から、中国人のコンプレックスの元になっていると思われる。
 近代になって、西洋列強の植民地とされ、小国・日本に蹂躙されて、「中華思想」は形無しにされた。

3.中華思想の問題点
中華思想は敗者のコンプレックスを内包していて、事実に向き合うのでなく、都合の良いところだけ取り込む傾向がある。権力の一元化や、思想的同化を志向し、他民族、他文化、宗教にたいして不寛容になりやすい。
政権が統治の理念として中華思想を掲げるのは悪くないが、周辺国との共存共栄を損なう覇権的な行動は慎まなければならないと思う。
過去の栄光に縋らなくても、十分やっていける国である。中国の、今後の発展の足かせにならなければと、危惧している。


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