民主化の事例に学ぶ① 韓国 [平和外交]
アジアにおける民主化運動の成功事例として、韓国の場合を考察してみよう。
1.民主化運動の弾圧
韓国では、1979年10月に独裁者・朴正煕大統領が暗殺された後、全斗煥氏ら軍の一部勢力がクーデターを起こし、実権を掌握した。1980年5月、保安司令官であった全斗煥氏は、民主化を求め、学生デモが多発する光州に空挺部隊を投入して武力弾圧を図った。学生や市民に200人以上の犠牲者が出た光州事件である。同年9月に全斗煥氏は大統領に就任した。
2.民主化宣言の受諾
1985年の議員選挙で、大統領直接選挙を標榜する新韓民主党が躍進した。1987年に学生と市民のデモが多発し、100万人デモまで発生した。
全斗煥大統領は、同年6月、ついに、「民主化宣言」を受諾し、国民投票で憲法が改正されて、大統領直接選挙が実施されることになった。翌年2月、民主的選挙によって盧泰愚(ノ・テウ)氏が大統領に就任した。
3.民主化宣言の内容
民主化宣言は8項目からなるが、骨子は、人権保障強化、言論・教育の自由、政党活動の保証、地方自治実現などで、これによって民主政治の基礎が出来上がった。
4.民主化後の政治状況
盧泰愚(ノ・テウ)大統領のあと、金泳三(キムヨンサム)、金大中(キムデジュン)、廬武鉉(ノムヒョン)、李明博(イミョンバク)、朴槿恵(パククネ)と続いた。
大統領は重任禁止規定があって、1期で退任するが、任期中は不逮捕特権があって刑事訴追されないことになっている。
韓国の大統領は、本人または家族の任期中の不正行為などがあって、弾劾や訴追で退任後、不幸な最期を迎えた人がほとんどである。だが、軍事政権よりましである。
5.韓国の民主化に学ぶ
① 政党活動の自由の保証は民主国家の基本である。国民の多様な思想・希望・願いを代表する複数政党が組織され、選挙公約に基づいて政権を争うのが理想である。
② 公明正大な政治活動を保証するため、政治資金規正法を設けて、政党と政治家の 政治資金を監視できるようにすべきである。また、不正蓄財を防ぐため、政権担当閣僚の資産公開制度(配偶者含む)の運用も必要である。
コラム 政党の機能不全
韓国でも日本でも、政党の離合集散が激しすぎて、政治が機能不全をきたしているのではないかと思う。
原因は政治家本人の、こだわりや思い込み中心の政治活動になってしまい、国民の多様な思想・希望・願いに対する、分析も気づきも不十分なせいではないか
日本は与えられた民主化ですが、韓国のそれは
勝ち取ったものが多いような気がします。
わからない事が多いので勉強させて頂きます
by majyo (2017-04-15 07:50)