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脱グローバリズム⑭ まとめ [脱グローバリズム]

1.日本の新自由主義と構造改革の経緯

新自由主義は、市場原理主義に基づいたグローバル資本主義で、小さな政府を指向する。米のレーガン大統領が採用したレーガノミックスが始まりで、日本では中曽根康弘、小泉純一郎が追随した。

 

 小泉純一郎元首相が「構造改革」の名のもとに、「小さな政府」、「官から民へ」、「中央から地方へ」などのキャッチフレーズを唱え、既得権の排除や規制緩和により、道路公団や郵政の民営化を断行し、経済再生を目指したが、結果は惨憺たるものになっている。

 

 「構造改革」の弊害として、国民生活の格差拡大、行き過ぎた市場・競争原理による拝金主義の台頭、社会保障での弱者切り捨てなどが起きた。今、「構造改革」への批判が高まり、見直しの動きが出ている。

 

2.グローバリズムの弊害の極致

 現在は、1980年代に始まった第二次グローバル化が、2008年のリーマンショックをピークに転換期を迎えている。図は、1997年を100とした、日本企業の売上高等の指数の推移(2017年まで)である。

 

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①配当金は5.73倍に急騰。国際金融資本の圧力を受けて、従業員の給与を削って捻出した利益を優先的に株主配当にまわすという、グローバル化の帰結。

②経常利益は3.06倍。日本の将来はそっちのけで、設備投資はせず、目先の利益を増やして配当へ。

③役員給与1.3倍。アメリカの経営者ほどではないが、役員報酬与を手前勝手に増やしている。

④、売上高1.03倍で横ばい。世界で唯一経済成長をしない国になった。

⑤従業員給与0.93倍、設備投資0.64倍。人件費をケチり、生産性向上の投資はバッサリ。

 

3.日本を売り渡す、構造改革に反対し、日本を取り戻そう

 行き過ぎたグローバリズムは、国民の命を守るべき「国民国家」の働きを損なってしまうものである。現に、移民法、種子法、水道法、IR推進法、漁業法など、安倍政権は、ろくな審議もせずに法改正を行った。米国などからの圧力に屈したとはいえ、国際金融資本に日本を売り払ったに等しい。

法改正の内容をもう一度見直して、過当競争を回避し、適正な賃金を払い、国民を大切にする日本を取り戻そう。

 

4.多国間連携の再構築

 健全な国民国家が取り戻せたら、その先は新しい「多国間連携」である。米国のような覇権国家が、「米国第一」を唱えながら、恣意的、利己的に世界を仕切るのはいただけない。地域連合と世界政府が正しく機能する、新しい統治機構を構想する時期が来ている。(当ブログ「世界政府」参照)

 

5.まとめ(筆者の意見)

 

①人はなぜ「改革という言葉」に騙されるのか。改革でコストを減らし、儲けを外国の業者に差し出すのが良いはずがない。コストは、本来、国内の「国民の所得」になるはずのものである。

②聖域なき構造改革とは何か。行政改革、公務員制度改革、規制改革などなど、改革の氾濫である。中身は、人員削減、予算削減、公共サービスの削減など、緊縮政策と新自由主義政策ばかり。 

③公務員たたきが激しい。地方公務員も含めて過剰で無駄だという。本当だろうか?公務員比率中国45%、米国27%、ドイツ21%、日本11%。災害時には国民の命を守る存在を邪見にすべきではない。

④大企業のトップが、政府の諮問会議の委員になって、規制緩和を叫び民営化を果たして、自社の利益を増やすのは紛れもなくレントシ―カ―(利益誘導)である。

⑤安倍首相はかつて「国境にこだわる時代は終わった」と発言された。グローバリム信奉者の発言であり、すぐに考え方を改める必要がある。

 

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