人生の意味とは何か⑩ 宗教と生きがい [哲学]
今回は、神谷美恵子氏の著書「生きがいについて」を参考に「宗教と生きがい」について考えてみよう。
宗教の役割は、人格に新しい統合を与え、
生きがい感をもたらすこと。
恐怖や不安の防衛として始まった宗教も、
人間心理の解放、生きる力の付与にまで洗練されれば本物だ。
人が、神によって生かされている、
使命を与えられていると思えるようになれば宗教の存在価値はある。
愛生園の住人の半数が、孤独、不安、抑うつ、
ニヒリズム、すてばち、絶望にさいなまれている現実がある。
これらの病める人々の問題は人間みんなの問題でもある。
解決は簡単ではない。新たな光を求めつづけるほかない。
獄舎で正月を迎えたある死刑囚が次のように語ったことが印象的である。
「信仰、芸術、俳句、空の青さなどが生きがいを与え、
慰めてくれることに感謝する」と。
タンチョウ 撮影:鳥好閑人さん
コメント 0