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コロナ後、日本再興⑤ 世界共同体の創設 [コロナ後の日本再興戦略]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。

前回までの現状分析を前提に、コロナ後の日本再興戦略の要である世界共同体の創設について検討してみよう。日本は平和国家のブランドを活かして推進役を果たしたい。

下表は世界共同体の概念図である。詳細は後続の記事で述べる。

 

世界政府  (国連改編)

世界総会―世界行政府―世界行政府委員長(大統領)―各地域連合  スタッフ理事会:平和創造、経済社会、人権、軍事、その他

 

    ↓

     ↓

     ↓

地域連合

米州連合

アジア連合

欧州連合

構成国

アメリカ、カナダ、南米

日、中、韓、北朝鮮、

東南アジア、南アジア、

オセアニア、

ロシア、中央アジア

EU、中東、

アフリカ

核となる 経済連携

北米自由貿易協定(NAFTA)

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

ヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)

地域連合軍

米州連合軍

アジア連合軍

欧州連合軍

(NATO改組)

 

    ↓

     ↓

     ↓

地球防衛軍

国連軍を改組し、

アメリカ軍を中核として、各地域連合軍から精鋭が参加

 

1.世界政府

国連を改組して世界政府を作る。世界政府には行政府、防衛、警察の機能は必須である。世界行政府委員長が大統領である。現在の安全保障理事会は、平和創造理事会と改名し、世界平和の元締めとする。アメリカ第一をとなえる米国をいかに説得するかが課題である。

 

2.地域連合

地域連合として、米州連合、アジア連合、欧州連合の三つを作り、世界総会の傘下に置く。構成国は表のとおりとし、ロシアはアジアに、アフリカは欧州に含める。

 

3.経済連携

経済連携については、現在各地域の主要な貿易協定をベースに改編し、世界貿易機関(WTOを改編)の傘下に置く。

 

4.地球防衛軍と地域連合軍

軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。

防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界平和に貢献する。

 

一方、各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。こちらも、地域防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で済む。

 

5.コメント(筆者コメント)

 

①国連加盟国は200前後あるが、世界政府の構成国となる際には、国民国家として主権は最大限尊重されなければならない。

 

②トランプ米大統領の言動を見ていると、地域連合創設や、国連改革にとって、チャンス到来である。「米国第一」を逆手に取って、彼の任期中に23歩前進したいものだ。

 

EUやアセアンは先行事例として参考になる。ただし、官僚機構の腐敗や横暴には要注意。

 

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コロナ後、日本再興⑥ 世界政府の在り方 [コロナ後の日本再興戦略]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界統治機構の望ましい仕組みの概念図を示した。

各論の第一は、世界統治機構の頂点に立つ「世界政府」の在り方である。

 

1.国連は大改革が必要

194551か国で発足した国際連合(国連)は、現在193か国が加盟する国際機関となっている。

国連の安全保障理事会は常任理事国(戦勝国)の5か国、非常任理事国(任期2年)の10か国で構成され、日本は過去に11回、非常任理事国を務めた。

 

議題は9か国以上(60%以上)賛成で採択されるが、常任理事国が拒否権を持っていて、一国でも反対すると否決されてしまう。冷戦後、拒否権の発動は激減したが、常任理事国が「打ち出の小づち」を手放す気配はない。要するに国連は機能停止に陥っている。第二次大戦後70年以上も経過して、戦勝国による戦後体制が続いているのは異常である。

 

2.国連改革の経緯

1963年に非常任理事国が5から10ケ国に増やされたのが最初で最後、国連改革は何も進展していない。非常任理事国の数を15か国に増やす案か検討されているようだが、20年たっても成果はない。

 

3.国連改革・世界政府創設の提案

 国連に、世界政府機能を付加して、恒久的な世界平和を実現する組織機構の創設を提案する。国連行政府は世界政府、国連行政委員長は世界政府の大統領である。現在の安全保障理事会は平和創造理事会と改名し、地球防衛軍ともに、世界平和を担う機関とする。(前回ブログの概念図、参照)

 

4.世界政府創設のための戦略

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能を創設するが、真の目的と段取りを考えてみよう。

 

(1)世界政府が目指すもの

 自由貿易の推進、地域連合(共同体)の統括、地球市民の人権擁護と安全保障、核兵器廃絶、恒久平和の保障である。米ロ中などの大国の横暴と火遊びを終わらせよう。

 

(2)世界政府創設の準備

 難民流出問題を手掛かりにし、日本が主導して、国連内に難民流出予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

 

(3)世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

 

(4)世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

一国主義に向かうアメリカには、世界政府の中核を担ってもらって世界平和に貢献してもらおう。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。この危機を救うには、人類の勇気と英知を集めて、世界政府を樹立するしかない。

 

②難民流出後の対策より、流出予防が大事。世界政府の適切な対処が望まれる。

 

③核抑止力有用論は本当だろうか。核兵器は相互に防御不能であり、安価に、戦争をできなくしたというが、本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、決して安くはないと思う。代案がある。安心供与・信頼醸成に基づいた世界政府の樹立が答えである。核廃絶の近道でもある。

 

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コロナ後、日本再興⑦ 地域連合の在り方 [コロナ後の日本再興戦略]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界統治機構の頂点に立つ「世界政府」の在り方について述べた。

各論の第二は、地域連合の創設である。

 

1.地域連合こそ世界平和への処方箋

第一次世界大戦後、地政学的見地から世界を四つの地域連合(総合地域と呼称)に分けて政治の安定を図る提案があった。「遠い親戚より近くの他人」の諺のとおり、近隣諸国の共存共栄をベースにした地域連合の構築こそ平和の要である。

 

地域連合のモデルである欧州連合(EU)に亀裂が生じているが、修復は可能であり、その優れた理念が悪いわけではない。

 

2.地域連合の構成

筆者が提案する地域連合は、米州連合、アジア連合、欧州連合(EU の三つであり、構成国は前々回のブログに記載した概念図のとおりである。各地域連合は、世界政府の傘下に入って、緩やかに統合されることになる。

 

各地域連合は世界政府の小型版であるが、三つの地域連合は、それぞれの地域の環境に合わせて、先を急がず、段階を踏んで進化・発展を目指すのが良い。

地域連合(共同体)の発展段階についてはコラム参照

 

3.まとめ(筆者コメント)

 

地域連合のモデルである欧州連合(EU)に亀裂が生じている。先を急ぎすぎた感がある。経済財政について、構成国が、国民国家としての自主性を取り戻せるよう是正が必要。

 

②2015年に発足した東南アジア諸国連合は、地域連合(共同体)の好例である。10か国が一体となって、アジア連合に参加するのが良いと思う。

 

③米中を震源としたあまたの混乱には原因がある。原因を取り除いて、世界政府創設につなげよう。

 

コラム 地域連合(共同体)の発展段階(バラッサの経済統合論による)

 

NO

発展段階

説明

課題

1

自由貿易

参加国相互間の域内関税を撤廃し、貿易を自由化する。

やむを得ず関税を残す品目があれば、各国間で誠実に交渉し、協定を締結する。粗悪品の流入には要注意。

2

関税同盟

上記に、非加盟国からの輸入品に共通関税をかける。

域外各国と個別の関税交渉ができなくなる。

グローバリゼーションの時代に、非加盟国に対し、排他的な関税政策をとると、軋轢を生む。米国が黙ってはいない。

3

共同市場

上記に、労働力、資本などの生産要素の域内自由移動を保障する。マクロ経済政策を統一して実行する機能も持つ。 

人の自由移動で、難民流入が増え、円で元を支えるリスクなどの不都合が起こり得る。

マクロ経済政策の統一で、各国の主権が侵される。

4

経済同盟

上記に、構成国間の経済政策の調整が、ある程度実施される。通貨の統一もテーマになる。

構成国の実力がそろわず、無理を押し付けると軋轢を生む。

経済財政政策の自由度が減る。

5

完全な

地域統合

経済、財政、金融、通貨が統合されて、一つの国のようになる。

このような地域統合は、まだ存在していない。


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コロナ後、日本再興⑧ アジア連合の在り方 [コロナ後の日本再興戦略]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界政府を構成する「地域連合」の創設について述べた。

  今回はアジア連合の在り方と、その進め方について考えてみよう。

 1.アジアの安全保障環境の現状

 安倍政権は中国を仮想敵国とみなした抑止政策に熱心である。アメリカと約束した安全保障法案を、20159月に強引に通し、集団的自衛権を行使できるようにした。日米同盟強化一辺倒の外交で、アジアの安全保障の緊張を逆に高めている。

 一方、中国は南シナ海に軍事施設を作り、ミサイルを配備するなど、海洋進出を強化している。中国は、日米同盟を仮想敵と定め、自国を防衛するため、最前線を前に構築したつもりであろう。質は異なるが、日本と同じことをしている。東アジアは軍拡競争の場になりつつあると言わざるを得ない。

2.地域連合創設による安心供与の外交 

 安全保障は抑止と安心供与が車の両輪である。いま、日中間で必要なことは軍備強化による抑止偏重の外交ではなく、安心供与の外交である。

 人は、向こう三軒両隣と仲良くして、居心地の良い地域環境を作ることが生活の知恵というものである。遠隔地の知人に縋りつかないと安心できないような生活設計は間違っている。

 日本は近隣諸国の懐に飛び込んで、地域のことは地域で解決するための、地域連合(共同体)の創設という大きな目標に向かって外交力を結集すべきである。地域ごとの平和の総和が世界の平和につながるのだと思う。 

 

3.アジア連合の構成国

 

アジア連合の構成国は、日、中、韓、北朝鮮、東南アジア、南アジア、ロシア、中央アジア、オセアニアとするべきである。 

ロシアは中国に向き合う際の、緩衝、バランス・オブ・パワーとして役立つと思う。日本は、中ロという二大荒馬を御する気概を持ちたいものだ。 

南アジアに含まれるインドは、将来中国に並ぶ大国になり、アジアの牽引役になると期待される。 

 

4.アジア連合の求心力

 共同体や連合への求心力は、共通の価値観であり、加盟動機となるものである。安全保障、経済成長戦略、環境保全、防災対策、人権尊重、信教の自由、文化尊重などが考えられる。 

 人権などの価値観で異なる国があっても、取り込んでいくべきで、排除していては何も始まらない。

  

5.まとめ(筆者コメント)

  

①地理的に近い国々は紛争の種を多く抱えているだけに、協同して互恵関係を作る意味は大きい。地域連合(共同体)の成否は、過去の「恨み」の誠実な処理と、「未来志向」の取り組み方にかかっている。

 

 ②「米国第一」を唱えるトランプ米大統領のような存在は、世界の政治経済システムの変革にとってチャンスである。日本は、心ある国々の指導者と手を組んで、国連改革や地域連合の構築を推進したい。

 

 ③中国は数年前、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線」を提案し、アメリカまで誘い込もうとした。狙いは、日本の領土要求(尖閣、竹島、北方領土)断念、日米離間であったと思われる。日本がアジア連合構築に踏み出せば、統一戦線などは霧消すると思う。南シナ海はアジア連合軍の基地にすればよい。

  

④香港やウイグルの人々に、筆者は同情する。だが、価値観外交とやらを持ち出して、共産党独裁政権は潰すべきだと騒ぐのは現実的ではない。中国の懐に飛び込んで、味方の立場から説得を試みるほうが、彼らの救済に近づけるのではないか。

  

⑤中国が主導する「一帯一路」の真の狙いがあいまいである。アジア太平洋地域の共益であれば歓迎だが、国威発揚、戦略優位、覇権確立であれば反対である。日本は失敗を期待して、高みの見物をしていてはいけない。関与し主張することで中国の政策の透明化を誘導すべきである。

  

⑥日米で進める「自由で開かれたインド太平洋」に「一帯一路」を統合する、大きい絵を描こう

  

 

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コロナ後、日本再興⑨ アジア連合の進め方 [コロナ後の日本再興戦略]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界政府を構成する「アジア連合」の在り方について述べた。

今回はアジア連合進め方について考えてみよう。

 

1.アジア連合が目指すもの

日本は、対米従属から脱却し、アジアに正面から向き合う新機軸の外交を進めたい。その第一歩は、アジア連合の推進である。

アジア連合の真の目的と、目指すものは何かを確認してみよう。

 

目的

内容

経済成長

貿易の自由化を通じて、地域の競争力を向上し、豊かさを実現する。21世紀はアジアの時代である。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の締結を主導して、アジア連合の基礎を築こう。

安全保障

隣国同士が敵対視せず、相互に国益を尊重し、戦略的互恵関係を結べば、戦争のない地域が実現できる。平和を担保するため、アジア連合軍を創設して、透明性のある協働の実力組織を作ろう。

人権尊重

人間は、自己本位で残虐な面を持っている。アジアに人権尊重を根付かせるために、専門の機関を創ろう。チベットやウイグルの人権問題の緩和に役立つ。信教の自由もテーマになる。

環境・防災

地球温暖化もあって、環境・防災の協働は喫緊の課題である。

 

2.対中国のアプローチ

アジア連合の交渉において、難物は中国である。中国と交渉開始の合意ができれば、8割がた、スタートアップは完了である。日本は、中国を仮想敵とせず、交渉の本気度を態度で伝えるべきである。  

いま、中国崩壊論や崩壊待望論がにぎやかである。しかし、「社会主義現代化強国」を目指すという中国は、帝国主義的ではあるが、世界を相手に取引をし、需要を創造する力がある。

財政均衡論に縛られた、下手な民主主義国家よりも、野性的、戦略的で、米中覇権戦争もうまくやり過ごすに違いない。

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が年内妥結を目指して交渉中である。参加国がアジア連合対象国とほぼ同じであり、中国も前向きである。日本は、早期妥結に向け指導力を発揮してもらいたい。

 

3.アメリカの説得

 日本が、アメリカを排除するのではなく、その支援を得ながら、アジアの平和的発展に、本気でコミットする決意を披露すれば、説得はできると思う。

 アジアのことは日本と中国に任せてもらって、アメリカは、地域連合を束ねる世界政府のような組織の中枢を担ってもらうのがよい。

構想について、アメリカの心ある要人への根回しは必須である。日米同盟に関わる、米の要人は20名程度という。国際情勢は激変している。固定観念を排し、遠慮はやめて、タフな交渉をしよう。

 

4.政府主導のプロジェクト立ち上げ

連合や共同体については、多くの産官学の枠組みで研究され、報告されている。しかし、すでに研究段階は過ぎた。政府が本気で取り組む時期である。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①米ヒューストンの中国総領事館が724日に閉鎖された。一方、中国は対抗措置として、27日に成都市の米国総領事館を閉鎖した。米中対立の激化はこの後も続くであろう。日本は、米中の仲介を買って出て、中国の譲歩を引き出す絶好のチャンスである。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。

 

現在、日韓関係は最悪だが、中国と未来志向の関係を築くことができれば、韓国はしぶしぶついてくると思う。「日・米」対、「中・露・朝鮮」という最悪の新冷戦構造を作ってはいけない。

 

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