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コロナ後、日本再興① 中国の現状分析 [コロナ後の日本再興戦略]

 米中新冷戦やコロナ禍で世界が混とんとしている中で、コロナ後の日本再興について考えてみよう。コロナ後の日本外交を考えるにあたって、日本を取り巻く周辺国の現状を再確認しておこう。

 

1.中国の経済力

 中国の名目GDPは12.3兆ドル(2017年)で、日本の2.4倍、米国の0.65倍となっている。ただし、一人当たりのGDPで見ると、8643ドル(2017年)で、日本の0.22、米国の0.15に過ぎない。

 

2.中国の軍事力

 中国の軍事費は円換算で19.8兆円(2019年予算べース)で、日本の3.8倍、米国の0.25倍。一方、伸び率は前年比7.5%増であった。内容的には、海軍力、ミサイル防衛力の増強が顕著である。

 

3.日本人から見た中国論

 


嫌中派の論点

親中派の論点

中国は共産党独裁政権で、監視社会化を強化し、少数民族を弾圧している。日本とは価値観も政体も異なり、永遠に理解しあえない国である。米国の力を借りて潰すべきだ。

政体を変えるのは自国民にしかできない。国を潰すなど不遜な干渉はやめるべきだ。中国にいる多様な、優れた人材を敵に回すのは得策ではない。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をし、相手を「識る」ことが大事だ。

南シナ海の領有を主張して、軍事施設を建設し、勝手に現状変更をしている

中国の主張に正当性はないが、周辺国と丁寧に協議をし、困難を克服して共同利用の方途を探るべきだ。

③東シナ海で尖閣への領海侵犯を繰り返し、情報戦を仕掛けて、沖縄独立工作に手を染めている。

日本の尖閣領有権は100%ではない。日中平和条約締結時には、決着先延ばしの空気があったが、石原元都知事の尖閣購入計画を受けて急遽国有化を進めた経緯がある。

④中国は「一帯一路」と称して、間接侵略的、覇権的な世界支配を画策している。親中派は、中国のこんな「超限戦」に協力する人々である。

習近平は、14億人の国民を養うためには何でもやるはず。中国の国家資本主義はある意味立派な戦略である。日本が「一帯一路」にコミットして、中国の行き過ぎを制御できれば、アジアに繁栄をもたらすことができる。

⑤中国は、南京虐殺30万人と称して反日攻勢を強めている。日本の親中派、媚中派は、自虐史観に染まって、そんな中国を擁護している。平和ボケのお花畑思考はやめるべきだ。

南京虐殺30万人は捏造と思うが、南京侵攻で犠牲者が出たのは事実。自虐史観と非難する側の人は、あったことも無かったことにしたいという、「恥知らず史観」と言われても仕方がない。歴史を正しく認識することは、自虐などではなく、同じ過ちを繰り返さないための重要な歯止め。

⑥日本は、追い込まれてやむなく大東亜戦争を戦ったが、西欧帝国主義者を追い出し、アジア各国の独立を助けた。

右派の人々は、「アジアを開放した」など歴史を美化し、名誉の回復に固執してる。戦前戦中の政治家、軍人、官僚の振る舞いを知れば知るほど悲しくなる。反省こそ至宝。

 

 

4.まとめ(筆者の意見) 

 

中国の粗暴な振る舞いには、原因がある。それは、日本が米国と同盟して、中国を仮想敵としているから

 

②安全保障は「抑止」と「安心供与」が車の両輪である。「安心供与」をおろそかにし、「抑止」偏重で軍拡競争をするのは高くつく。敵を味方に変える戦略を持とう

 

③嫌中派は、習近平主席の国賓来日を阻止する動きをしているが、心得違いも甚だしい。大嫌いな中国共産党の総書記でも、14億中国人のトップである。排除はダメだ。

 

④「遠くの親戚より近くの他人」というが、「近くの他人」は永遠の真理であると思う。日本は地政学上、アジアの一員だから、戦前の失敗を糧に、「アジアは一つ」の理念を掲げてアジア外交に注力しよう。

 

⑤米中の新冷戦が悪化している今だからこそ、日本の出番である。トランプ大統領の不条理な妨害をかいくぐって、しっかり自己主張をし、対米従属から脱しよう。

 

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コロナ後、日本再興② 米国の現状分析 [コロナ後の日本再興戦略]

 米中新冷戦やコロナ禍で世界が混とんとしている中で、コロナ後の日本再興について考えてみよう。コロナ後の日本外交を考えるにあたって、日本を取り巻く周辺国の現状を再確認しておこう。

 

1.米国の経済力(数字は2018年の分)

 米国の名目GDP20.6兆ドルで、日本の4.1倍、一人当たりのGDPで見ると、62,946ドルで、日本の1.6倍。輸出額は2.5兆ドルでGDP12.1%、輸入額は3.1兆ドルでGDP15.1%。

貿易収支は8873億ドルの赤字、対外債務残高は33.3兆ドルの赤字である。

 

2.米国の軍事力

 米国の軍事費は円換算で75.3兆円(2019年予算べース)で、中国の3.8倍、日本の14.1倍。一方、伸び率は前年比6.6%増であった。内容的には、核兵器の小型化、新レーザー兵器開発などが顕著である。

 

3.日本人から見た米国論

 

 

親米・従属派の論点

離米・独立派の論点

①太平洋戦争が「悪」だったとする歴史観(東京裁判史観)を否定し、日本は悪くなかったと言いたい人が多い。安倍首相の戦後レジームからの脱却もその一つだ。

アメリカが日本を守ってくれると固く信じて、70年以上も米国に従属してきた。

いまだに「永続敗戦」の状態である。

米国は東京裁判において、勝てば官軍的な事後法裁判をやった。徹底的に日本を弱体化するため、戦争の罪悪感を日本人に植え付ける洗脳工作や報道規制を実行した。まさに復讐劇である。

幸いなことに、1950年に朝鮮戦争があり、日本を共産主義者の盾に育てようと、計画の見直しがあった。

 今や自主独立を模索する時だ。

②日本は憲法九条1項で戦争放棄をした。2項の戦力不保持は、解釈によって自衛隊を持つことができたが、近隣に、中国、北朝鮮のような危険な国があるので、日米同盟は200%必要である。

米国から見ると日米同盟は「瓶のふた」(日本弱体化)である。ジャパンハンドラーと称する米国要人が、日本の安全保障を牛耳っている。そのことを「日本をベイビーする」と言うらしい。時々、安保ダダ乗り論が噴出して、日本は役にも立たない兵器を爆買いさせられている。

③日本はグローバル化の波に乗り遅れないよう、国内の規制を緩和し構造改革を実行して、一層の自由貿易に取り組み、市場開放を進めなければならない。

米国を中心とした、ディープステートと称する国際金融資本が、日本をグローバリズム・新自由主義のターゲットにしている。日本は、おかげで実質賃金が低下し、誤った緊縮財政政策と相まって、国民の貧困化が進んでいる。

④米国は、中国との覇権争いに熱中しているが、中国の野望をくじくためやむを得ない。日本は米従属の他に選択肢はない。

米・中、新冷戦が勃発した。中国から日本に接近する動きもある。日本は米中の間に立って、冷戦緩和を促す力がある。米国べったりから距離を置く、離米のチャンスだ。

⑤米国は、核兵器の小型化を進めている。拡大核抑止に頼る日本は、米の核優位を歓迎する。日本の核保有もありだ。

トランプ大統領は、INF条約脱退を宣言し、核実験の再開を計画している。米国の軍拡は世界の軍事バランスを崩し、地球の平和を壊す恐れがある。軍縮こそ必要

                           

4.まとめ(筆者の意見)

 

①日本は、外交を誤って米国を敵に回し、太平洋戦争を戦った。戦術で勝ったが戦略で負けて、国民に大変な犠牲を強いた。日米開戦の経緯を検証し、学校でしっかり教えるべきだ。

 

②太平洋戦争は情報戦で敗れた。日本は、無線が解読されていることを最後まで気づかず、諜報の舞台にされ、負けるべくして負けた。日本は戦争をしない国になったが、インテリジェンス機関は必要だ。

 

2018年の日本の輸出額/ GDP 比は14.8%、うち、対米輸出額/ GDP 比は2.8。輸入額/ GDP比は15.6%、うち、対米輸入額/ GDP 比は1.6%。日本は今や、内需大国であって、貿易立国ではない。まして貿易でアメリカの顔色をうかがう必要はない。米国と距離を置く戦略を実行するときだ。

 

コロナ後、グローバル化の見直しが進むと思う。徐々に、海外進出企業の国内回帰が期待される。

 

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コロナ後、日本再興③ 日本の現状分析 [コロナ後の日本再興戦略]

 日米新冷戦やコロナ禍で世界が混とんとしている中で、コロナ後の日本再興について考えてみよう。コロナ後の日本外交を考えるにあたって、日本を取り巻く周辺国の現状を再確認しておこう。

 

1.日本の経済力


 少し古いが、図は名目GDPの推移である。1996年~2015年までの20年間、米国は2.5倍、中国は10倍以上になったが、日本は1倍である。日本政府はデフレ期に誤った緊縮財政をやった結果、世界で唯一経済成長をしない国になった。原因を少子高齢化に求めるのはウソで、まぎれもなく政府の経済政策の失敗である。

 

日本再興のためには早急に財政均衡から経済均衡政策に転換しなければならない。正しい政策で成長経済を取り戻せば、社会保障の財源問題などは生じないし、世界に向かって日本の存在感を高めることができる。

名目GDPの推移.png

2.日本の軍事力

 日本の2019年度の防衛関係費は、5.8兆円で、一般会計支出額の7.0%、名目GDP1.05%であった。2019年軍事力ランキングを見ると、米国、ロシア、中国、インド、フランスに続いて日本は6位となっている。ちなみに7位以下は、韓国、イギリス、ドイツに順である。

 内容的には、超高額の陸上配備型迎撃ミサイル「イージス・アショア」が、役立たずで、不要不急の代物ではないかと懸念されていた。幸い最近、河野防衛大臣から見直しの発言があった。

 

3.日本再興への論点

 

 

嫌中/親米・従属派の論点

親中/離米・独立派の論点

①米国の軍事力は世界一だ。中ロが束になってもかなわない。日本の安全保障のためには、勝ち馬に乗るべきだ。

米国の一極覇権は終わった。これからは多国間連携の時代だ。コロナ禍を契機に、脱・グローバルリズムが強まったたが、この時こそ、地域連合が機能する時だ。

②中国のサプライチェーンから脱するのは困難が伴うが、いずれ崩壊する中国についていくのは、もっとリスクが大きい。

中国に従属して第二敗戦を喫するな。

中国崩壊論はウソだ。崩壊待望論はもっと卑怯だ。社会主義現代化強国を目指す中国は、成功の確率が高い。日本は、中国の崩壊を待つのではなく、米中の間に立って仲介者、あるいわルールメーカーになろう。

③南シナ海の領有を主張して、軍事施設を建設し、勝手に現状変更をしている。

マラッカ海峡のシーレーンは、日本にとって死活的に重要である。

中国の主張に正当性はないが、仮想敵の立場からの説得は無理である。周辺国と丁寧に協議をし、困難を克服して共同利用の方途を探るべきだ。

その先に航路の安全が確保される。

④中国は、東シナ海で尖閣への領海侵犯を繰り返し、漁船を追尾したりしている。尖閣実効支配の実績づくりをやっているようだ。

日本の尖閣領有権は、日中平和条約締結時から保留事項であったが、元都知事の尖閣購入計画を受けて急遽国有化を進めた経緯がある。

後世の知恵者に任せればよい。

⑤チベット、ウイグル、香港などへの中国の人権侵害は、内政問題とは言え、看過できない。

米国と組んで、力で圧迫しても、両地域の解放はできない。中国に寄り添う過程で氷を解かすのが良い。

 

4.まとめ(筆者の意見)

 

①嫌中の多くの論客のように、中国に敵愾心を燃やし続けて、何か解決するだろうか。日本自体、財政均衡政策を克服して、経済を成長軌道に乗せ、国力増強を図るのが先だ。

 

米国が100年間も中国を支援し、日本の対抗馬に仕立てた。日中離反は米国の策略であった。

 

3次世界大戦は絶対に避けねばならない。日本は中露などと連携することによって、米国の暴走を抑えられるのではないか。

 

見る角度によっては、正義は一つではない。一夜で人々をまとめてしまうような正義は危うい。

 

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コロナ後、日本再興④ 戦争と平和のシナリオ [コロナ後の日本再興戦略]

 コロナ後の日本再興を考えるにあたって、日本を取り巻く周辺国の現状を分析してみた。今回は、アジア太平洋外交のいくつかのシナリオを取り上げて、日本外交の進むべき方向を考えてみよう。

 

1.米中新冷戦は回避できるか

米ソ冷戦が終わって30年、今、米中新冷戦の間最中である。世界の歴史を見ると、随所に、愚かな人間の策謀と悪あがきで、多くの人命が損なわれてきた。美しく、かけがえのない地球の滅亡まで、地球終末時計であと3分という。憂慮に耐えない。回避の策はあるのか。

 残念ながら、米中二国間では解決できない。新しい多国間連携の枠組みが必要である。

 

2.G11は機能するか(G7+露韓豪印)

 トランプ大統領が、G7にロシア、韓国、豪州、インドを加えたG11を提唱した。中国包囲網を作って、中国の弱体化を狙った策略であろう。これは、日本の「嫌中/親米・従属派」が唱える中国崩壊待望論と一緒である。残念ながら、排除の論理からは何も生まれない。

 

3.自由で開かれたインド太平洋構想

日米で、アジア太平洋にインドを加えた、インド太平洋という概念が提起されている。「自由で開かれたインド太平洋」戦略によって、台頭する中国を抑え込もうとしているようだ。

自由で開かれたという枕詞は、自由と民主主義の価値を重んじる国々がまとまって、共産主義や独裁国家を排除する意図である。しかし、価値観外交や、排除の論理からは何も生まれない。

 

4.「一帯一路構想」+インド太平洋構想

中国の「一帯一路構想」は、ユーラシア大陸の東と西を結ぶ「陸と海のシルクロード」と呼ばれる地域に、交通インフラ整備(高速鉄道の建設)などの大規模な投資を実施することによって、地域経済全体の底上げを図るというダイナミックな構想であるが、やり方がえげつなく、批判がある。

前項の「インド太平洋構想」と、中国の「一帯一路構想」を統合し、理念を刷新して、インド洋からアラビア海、湾岸、アフリカに至る経済圏を構築したい。この際、枠組みからアメリカを排除するのではない。アドバイザーとして重要な役割をはたしてもらおう。

 

5.世界共同体(世界政府)の創設

政治の究極の目的は、「人が自分らしく生きる」ためのお膳立てである。ところが現実は、敵を探してバランス・オブ・パワーで凌ごうとする強権政治が、いま氾濫していて、それが軍拡競争を招き、世界平和にとって脅威となっている。

世界共同体は、そのような脅威を乗り越えて、共存共栄の精神で平和を創造する、国際協調の枠組みである。

 

6.5つの選択肢の評価

 アジア太平洋外交戦略の選択肢を5つ提示した。筆者の見るところ、1,2,3は落第、4は及第、5が理想だ。そこで、5項の「世界共同体(世界政府)の創設」について、後続の当ブログで考えてみよう。

 

7.まとめ(筆者の意見)

 

①「中国はすぐに崩壊する」、「日本は属国にされてしまう」、「政治体制が異なる国同士は交われない」、などの小児病的な俗論がはびこっているが、全くナンセンスである。

 

②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。

 

③間違っても、米日対中露鮮が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。地球が壊れる。

 

④最近、自民党がコロナ後の社会像を検討するため、「新国際秩序創造戦略本部」の設置を発表した。岸田会長、甘利座長という。今後、議論の中身を注視しよう。

 

⑤ドル基軸通貨体制が、世界の不公正の根源になっている。米IMFがドル発行権を持ち、世界中の国がドルの保有を目指すことでドル高が進み、米国に世界中の富が集まっている。

 基軸通貨をドルから世界通貨(仮称:カレン)に転換することでこの不公正を是正したい。世界中の国が束になれば不可能ではない。

 

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