麦秋 [詩・俳句・エッセー]
6月1日~5日が、七十二候の「麦秋となる」である。小麦の世界生産ベスト5は、中国、インド、ロシア、米、仏となっている。ウクライナは8位、日本は53位である。
戦争の爪痕や濃し麦の秋
ウクライナ戦争の痣麦の秋
ロシア、ウクライナ戦争の両当事国は小麦の輸出大国で、世界中がパンの値上げに悩んでいる。戦争で麦畑が蹂躙される動画を見ると心が痛い。
コラムアベノミクス失敗の反省③
安倍政権のアベノミクスは金融、財政、成長戦略の3本の矢を放って2%のインフレ目標を達成し、デフレを脱却するはずであったが、全くの失敗であった。
アベノミクス失敗の第三は、成長戦略の失敗である。規制緩和を徹底して民間活力を引き出そうとしたが、施策が不徹底で全く経済成長ができなかった。
このうえは、国土強靭化、先端技術、人材開発などに対し、300兆円程度の長期投資計画を公表し、民間投資を誘発することである。財源の心配は全くない。
イソヒヨドリ 撮影:鳥好閑人さん
腐った草が蛍になる [詩・俳句・エッセー]
6月11日~15日は、七十二候の「腐った草が蛍になる」。 蛍は、卵、幼虫、さなぎから成虫になってやさしい光を放つ完全変態昆虫である。蛍の中でも、ゲンジ蛍は日本にしかいない貴重な蛍である。
蛍狩闇の深さに身を置けり
天地の闇を切り裂く蛍の火
やごからのもの今燃やす蛍の火
新月の深い闇夜の蛍狩りは素晴らしい。雄が草むらの雌を求めてスイーと飛ぶ姿は本当に神秘的である。
コラム 悪魔の財政健全化
6月発表の骨太の方針で、「財政健全化」の旗は降ろさないと決まった。為政者はありもしない通貨の信認とやらにとらわれて、「緊縮脳」から抜け出せないでいる。「財政健全化」依存症の政治家は、まさに、山本七平著「空気の研究」のモデルだ。
財政健全化(PB黒字化)を政治目標にしてしまうと、日本は永久に経済成長することができない。経済成長すれば問題にもならない、格差や人口減少などに苦しみ続けることになる。
ノビタキ 撮影:鳥好閑人さん
梅の実 [詩・俳句・エッセー]
6月16日~20日は、七十二候の「梅の実が熟す」。 梅の実は、入梅の頃収穫の適期になる。品種は、白加賀、豊後、南高などが有名で、梅干しや梅酒づくりが楽しみだ。
梅の実の紅の尻揃ひをり
「梅」や「紅梅」は、梅の花の意味で、春の季語。「青梅」、「梅の実」、「実梅」、「梅干し」などは夏の季語である。梅の実の赤いお尻は美しい。
コラム悪いインフレ
コロナや戦争による資源不足を原因とする悪いインフレ( #スタグフレーション )を克服する方法はある。代替資源への開発投資、生産性向上投資、減税による物価高緩和である。
悪いインフレを免罪符にして、緊縮財政を正当化し、25年以上のデフレを放置して日本を衰退させた政治家の責任をうやむやにしてはならない。
あやめの花が咲く [詩・俳句・エッセー]
6月21日~25日は、七十二候の「あやめの花が咲く」である。
アヤメはアヤメ科アヤメ属の多年草で、薬効がある。アヤメと燕子花(かきつばた)、花菖蒲は同じ仲間で、最も豪華な花菖蒲は、花の付け根が黄色なので見分けがつく。
ちなみに、菖蒲湯に使う菖蒲は、アヤメ科の植物とは異なる。
蟻たちも敬意を払う花菖蒲
究極のファッションモデルや花菖蒲
咲き競ふいずれかあやめ燕子花
コラム 黒田日銀総裁の発言
黒田日銀総裁が、「家計の値上げ許容度も高まっている」と発言し、国民の反発に驚いて前言を撤回した。
ただ、金融政策の独り相撲の限界を悟り、財政政策発動の必要性に初めて言及したのはよかった。日本の経済を動かすには、財務省や官邸に忖度している場合ではない。
ホホジロハクセキレイ 撮影:鳥好閑人さん