原発ゼロ ⑥ 立民党のタウンミーティング [政治・社会]
立憲民主党は、「原発ゼロ基本法」の立案にあたって、国民の声を聴くため、タウンミーティングを各地で開催している。本年1月から2月にかけて、18回開催し、100件を超える貴重な意見を聴取したという。
2月16日に、神奈川県で開催したタウンミーティングの要旨を、簡潔に述べる。
1.基調講演 「原自連」会長 吉原毅城南信用金庫顧問
「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(「原自連」)が立案した、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の概要を紹介した。要約は下記。
運転中の原発を直ちに停止、中止中の原発は今後稼働させない。原発事業輸出は中止し、原発全廃の必要性を世界に発信。再生可能エネルギーの電力比率を、2030年までに50%以上、2050年までに100%とする。
2.基調講演 小田原商工会議所会頭 鈴木俤介氏
地方創生の一環として、エネルギーの地産地消を進めるため、2012年3月に、地元中小企業が連合して、「小田原箱根エネルギーコンソーシアム」を設立した。その際、1口10万円の市民ファンドを募って、初期投資に充当した。エネルギーの地産地消により、電力料金として外部に流出する金の一部を、地域で回すことができた。
講師は、鈴廣蒲鉾店の経営者であり、次の通り自社のエネルギー改革の一端を紹介された。太陽熱給湯器を導入し、工場や厨房の給湯に活用している。太陽光発電もしているが、太陽熱の方が効率良いことが分かった。両者合わせて東電への支払いの6割を削減している。日本は熱源の多い国である。工夫次第で、中近東から買う年20数兆円のオイル代は節約できる。
3.タウンミーティングの質疑応答
立民党エネルギー調査会から、逢坂誠二会長、阿部知子副会長、山崎誠事務局長ほか、10名近く出席した。主な質疑応答は下記。
聴衆からの質問 |
調査会&講師の回答 |
日米原子力協定上、廃炉に米の了解が必要ではないか |
廃炉は日本の主権であって、条文上、米の了解を要する規定はない |
共産党は原自連の案に賛成という。野党共闘に支障はないか |
原氏連は3月9日、立民党は3月11日、国会提出予定。野党の了解を得る |
再生可能エネルギーのシェアを4割にする目標の、障害は何か |
ネックは政府の姿勢。ゼロの決断が大事。 長すぎる環境アセス期間の短縮。 省エネの施策も重要。 |
箱根の地熱発電
|
箱根は温度が低く、湯量も少ない。 小規模熱交換は可能。 |
原子力規制委員会が大障害。安全哲学を蔑ろにする委員には試験を科そう |
役人の片道切符の規制が必要。透明性の確保。原子業界の金の力を規制したい |
連合はゼロに反対だが、組合員は賛成 |
支部長に訴えることで、漸進は可能 |
進むも地獄引くも地獄は本当。核脱却の覚悟はあるか |
今だけ自分だけはダメ。中央集権型社会から脱却し、地域分散自立型社会へ |
意見:リニアは4倍の電気を使い、原発使用を見込んでいる。3.11の被害者の立場を織り込め。太陽光等の乱開発を危惧、再エネは自然破壊エネだ(札幌での発言にショックを受けた)。再エネ関連会社の倒産多発を危惧。電力も銀行も変えた、消費者の力でゼロ実現しよう。 |
4.まとめ(筆者コメント)
①国民の声を聴いた振りの、おざなりの公聴会は過去にあったが、今回の立憲民主党の会には、本気度が感じられた。
②小田原箱根エネルギーコンソーシアムの試みは、地方創生と、エネルギーの地産地消について、全国のモデルになると思う。今後の横展開の動きを注視したい。
”原発ゼロ”シリーズ①~⑥通して拝読させて頂きました。いずれの章も分かりやすくまとめてあり大変勉強になりました。レッツ、ダイベスト’キャンペーンでみずほ株を売却したとか見習いたいと思います。小生も原発ゼロ大賛成です。家の屋根に太陽電池パネルをと考えた事もありましたが築40年以上なので止めて東電から湘南電力にパワーシフトしました。反原発と地産地消にささやかな貢献をと考えております。ペロプスカイト太陽電池の実用化に大いに期待しています。
by 鳥好閑人 (2018-03-02 15:25)
経済界にも脱原発の方がいて頼もしいです。
鈴廣蒲鉾店も応援したいですね。
電力の地産地消は可能だと思います。日本は温泉その他
エネルギーが多い。
タウンミーティングをやっているのは知っていましたが
内容は知らなかったです。
日米原子力協定は廃止しなくてはならないですね。
他国に主導権を持たせることは属国に他ならないです。
リニア反対です。
by majyo (2018-03-02 18:36)