地球環境⑫ オゾン層破壊 [政治・社会]
1.オゾン層破壊とその問題点
大気中に放出されたフロン等が、地上10~50kmの成層圏に滞留するオゾン層を破壊する現象。フロンは太陽紫外線で分解され、放出された塩素分子によって、オゾン分子が破壊される。
その結果、有害な紫外線を吸収するオゾン層にオゾンホールが生じ、有害な紫外線が地表に到達して、生き物の健康や生態系のバランスに悪影響が出る恐れがある。
(下図参照・国立環境研究所作成)
2.オゾン層破壊原因物質
オゾン層破壊原因物質は、フロン、ハロン、トリクロロエタン、四塩化炭素、臭化メチルなどである。
そのうち、代表的なフロンは、冷蔵庫やエアコンを冷やす冷媒、電子部品などの洗浄剤、ヘアスプレーなどに使われてきた。
3.オゾンホールの現状
NASAの衛星観測によると、南半球では、8~11月頃(南極の冬から春)に、南極大陸の面積を超えるオゾンホールが毎年観測されている。
北極圏は、南半球より、もともとオゾン濃度が高いこともあって、オゾン層破壊は軽微とされている。
4.オゾン層破壊の防止策
1980年代に国連が中心になって、「オゾン層保護のためのウイーン条約」、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。
先進国は1996年以降、発展途上国は2010年までにフロンの使用を停止するという約束が交わされたが、オゾン層はまだ回復してはいない。
5まとめ(筆者コメント)
①地球の年齢46億年に比べると、人類が地球環境を壊し始めたのは、ごくごく最近のこと。すぐにも急ブレーキをかけないと、間に合わなくなる恐れがある。
②日本では、オゾンの脱臭力を利用した機器が出回っている。塩素型の使い捨て脱臭剤が不要になり、コストダウンにもなっている。オゾンを増やす意味もあり有効と思う。
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