南シナ海問題への対中国平和外交 [平和外交]
安倍首相に注文したいことの第一は、南シナ海問題に対する日本の対中国平和外交である。南シナ海問題は現在アジアで最も緊迫したテーマである。この解決にはアメリカに従属した力の外交ではなく、アジアのためのアジア人による、次のような新機軸の外交を進めてほしい。
1. 南シナ海をアジアのグローバル・コモンズと位置付ける。(当ブログの「安全保障の新思考」参照)
明確な根拠もなく、中国の領土と宣言し、力による現状変更をごり押しすることは、地域の平和を損なうもので、中国にとっても結局高くつくことになる。南シナ海は関係国の共有地として、資源や便益を共用するのが、大国となった中国の未来志向のふるまいである。
2.尖閣諸島について領土問題の棚上げを宣言する。
前項と引き換えに、日本は尖閣棚上げを提案する。これは保守右派の安倍首相にしかできない政策課題である。痛みは伴うが、清水の舞台から飛び降りるほどの新機軸の外交になる。
3.東アジア共同体創設を提案する。(当ブログの「共同体へ向けて中国説得の切り札」参照)
周辺国と協同して東アジア共同体の創設を提案すれば、経済の減速に直面した中国は、必ず乗ってくると思われる。また、日中の戦略的互恵関係をさらに深めることができる。
近隣国の間には困難な問題が山ほどあるのが普通である。小さな問題の解決に手間取るよりも、大きな問題に一気に取り組むアプローチのほうが、難しいだけに成果は大きくなるものだ。
中国にも良識派はたくさんいるはずである。韓国も巻き込んで、互いの心を知り合うことから始めよう。
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