カントの永遠平和のために① 国民主権国家の成立 [世界平和]
NHK「100分で名著」の番組で、カントの「永遠平和のために」が放送された機会に、そのエッセンスを3回に分けて述べる
1.人間の本性と国家の成立
人間は邪悪なもので、ほっておけば戦争をするのが本性であるが、一人一人は弱い存在である。弱い人間が相互にルールを守るという契約を結び、それが国家を形成した。
また、人は利己的な存在でもあり、自分の利益を最大化しようとすれば、人は法の支配する国家を形成することになる。
2.共和的体制とその3条件
個人の自由と平等が守られていて、共通の法に従う国家の状態を共和的体制と称した。
協和的体制には次の三つの条件が必要である。
① 各人が社会の成員として自由であるという原則が守られること
② 社会のすべての成員が唯一で共同の法に公平に従うという原則が守られること
③ 社会のすべての成員が国家の市民として平等であるという原則が守られること
3.国民主権国家と立法、行政の分離
国の統治の形式には下記があるが、国民主権国家にとっては、立法と行政の分離が重要な条件である。今日では、司法も含めて三権分立と呼んでいる。
① 協和体制 立法と行政の分離
② 専制体制 立法と行政の未分離
コラム 中国の統治の形式は専制体制
今の中国は習近平主席が全権を掌握しており、専制体制的な国家である。しかし、体制が違うか ら付き合はないなどという、いわゆる価値観外交はナンセンスである。平和外交を積極的に進めてほしい。
これまでの主催者の主張にすべて賛成します。
特に、先日の国連の核保有禁止提案に日本は本来ならば提案国になるべきにもかかわらず、賛成もせず、棄権とは何事か!
今こそ、私達は米軍の核の傘における憲法九条という矛盾に真剣に向き合わねばならないと思います。
200年以上も前に将来を見据えた人間社会の最大の課題提に提言していたカントの先見性に感銘しますが、彼が今生きていたら何というでしょうか?
by コウチャン (2016-09-03 10:26)