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カントの永遠平和のために③ 法治のシステム [平和外交]

 カントの「永遠平和のために」のエッセンスを3回に分けて述べる

1.カントの形式愛

 前回の当ブログで述べた、公法の状態の実現・維持には、形式(筆者注=システム)の持つ力によるところが大きいとカントは考えた。

法治には公平性、公開性が最重要である。これは、国家内だけでなく、国家と国家の間にも適用される概念である。

2.邪悪な人間社会の公平性

分配は人間社会で重要な操作であるが、邪悪が本性である人間同志では上手に扱へないのがふつうである。ところが、ケーキを分ける場合、切り分けを担当した人が最後にとるルールを採用すれば、均等な切り分けが保障できる。

これは、最後にとるというシステムによって分配の公平性が確保された事例である。

3.公開性は法の最低限の要件

法が法として機能するには、公開されなくてはならない。公開されることで、法は「すべての人のまなざしに耐えうる」ものとなる。特定の人たちだけを、特別扱いする法は「すべての人のまなざしに耐える」ことができない。これもシステムの力である。

今日、アカウンタビリティ(説明責任)が問われることが多いが、法の公開性に由来すると思われる。

 

コラム 独裁国家は公平性と公開性が不十分で、カントの永遠平和の原理に反している。人口が14億人いても、システムの力を使えば統治は可能であり、国民の自由と平等を保障し、世界に平和をもたらす政治はできるはずだ。


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