SSブログ

保守右派の論点検証① 皇室尊崇 [平和外交]

 筆者は天皇ご一家を敬愛している一人である。無神論者ではあるが、無限で神秘的な宇宙を考えたとき、人間にとって「祈り」は必要である。天皇は国民一人ひとりの「祈り」を集めて祈ってくださるご存在であると思っている。保守右派の皇室への思いが、果たして正当なのか検証してみよう。

 

論点1.日本は「男系男子による万世一系の天皇」を戴く尊い国である。日本人はこの日本の「国体」に、誇りを持ち、死守すべきだ。

 検証:日本民族に誇りを持つのはよいが、行き過ぎると、他民族より優れていると思い込み、排他的となり、他民族蔑視につながる恐れがある。

 また、社会が日々変化する中で、目的と適応を考えないで伝統的制度に固守するのは、原理主義であり、思考停止である。

 

論点2.戦後、憲法一条の規定のとおり、象徴天皇となったが、保守右派の一部に、天皇は日本の元首に復帰すべきという人が少なからずいる。

 検証:昭和天皇は1946年に「人間宣言」を発し、天皇を神とする考え方を自ら否定し、象徴天皇の道を歩まれることになった。天皇の元首化は、明治憲法の時代に歴史を巻き戻そうとする企みである。

明治以前は、むしろ、天皇は象徴的なご存在であったと言われている。

 

 論点3.男系男子による皇位継承は「血統原理」に基づいたもので、日本の永久に守るべき伝統である。

 検証:少子高齢化の時代に、男系男子にこだわっていては、皇位継承で行き詰まるのは目に見えている。女系・女性天皇もお迎えすべきである。女性天皇は過去に8人おられたという。また継承を円滑にするため、養子をとる制度を設けるなど、皇室典範の大幅改正が望まれる。天皇制は国民と皇室のためにある。いまや、皇室は目的に適った形にデザインされるべき時代である。

 

 論点4.天皇陛下は88日に生前退位のご意向を示された。天皇の生前退位を認めると、国体の破壊につながる。天皇が休息を欲するなら、摂政を設ければよい。陛下は「開かれた皇室」などと言わず、皇居の奥深くにおられるだけで尊い。

 検証:陛下は国民統合の象徴として、一人ひとりの国民に寄り添うお気持ちが強いお方と拝察する。また、陛下は象徴天皇の務めが安定的に続いていくことを願っておられる。国民の9割が陛下のお申し出を理解し、賛成している。政治家は天皇の政治利用をせず、国民も過度な期待を押し付けないで、退位が円滑に進むよう希望している。


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0