保守右派の論点検証② 憲法改正 [平和外交]
日本の平和憲法は、制定経緯はどうであれ、世界初の理想の憲法として、戦争の悲惨さをいやというほど経験した日本人に受け入れられてきた。いわば、北極星のように日本人の道しるべとなり、「究極の理想」の憲法とされてきた。自信をもって世界に広めていきたいものだ。
保守右派の憲法改正への執念が、国民に幸福をもたらすものか検証してみよう。
論点1.日本国憲法は占領軍に押し付けられたもので、二度と戦争ができないように、日本軍の武装解除を意図したものである。
新しい時代にふさわしい自前の憲法を、日本人の手で作り直すべきだ。
検証:保守右派を代表する、日本会議の創設者で、生長の家の教祖・故谷口雅春氏は、現憲法を大日本帝国憲法に戻したうえで、必要な個所を改訂するというバリバリの憲法改正論者であった。自由民主党にもこの時代錯誤な教祖の信奉者は数多い。
占領軍に押し付けられたとはいえ、その後すぐアメリカが、米ソ冷戦に対応するため日本に再軍備を迫った時、日本人はそれを拒否したが、その時から日本国憲法は自前のものになったのである。憲法改正を考える前に、安全保障環境の方を変える安心供与の平和外交をしてほしい。昨年10月の当ブログ「安全保障は抑止と安心供与」参照
論点2.日本の憲法は戦後すぐ、GHQによって一週間で書き上げられたもので、日本の国柄に合ったものになっていない。
検証:GHQは戦後すぐ、日本政府に憲法草案の提出を求めたが、出された草案は大日本帝国憲法を部分改訂した代物であった。日本人には任せられないとして、一週間後に出されたのが日本国憲法であるが、日本の敗戦を見越して、十分な時間をかけて作成されたものと思われる。
憲法九条の戦争放棄と戦力不保持(自衛権行使は例外で、国際法で認められている)は、いまや、日本の文化になっている。ノーベル平和賞受賞も近いのではないか。
日本は戦争をしない、戦争の種をまかない、国民の安寧を第一にする平和外交の国になってほしい。
コラム 朝日新聞の今年5月のアンケートによると、憲法改正反対は68%、賛成は27%で、3年前の52%、39%より賛否の差が開いている。
憲法は政治権力者を縛り、暴走を防ぐ防波堤である。安保法改正で憲法を捻じ曲げておいて、「憲法を解釈する責任者は私だ」とうそぶく安倍首相は間違っている。
「日本会議」の憲法改正の執念はすごい。洗脳隊を地方議会に派遣して、地方議員を改憲派に作り替えている。
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