21世紀の外交戦略① ドゥテルテ大統領に学ぶ [平和外交]
アメリカでトランプ氏が大統領戦に勝って、世界中が驚いている。トランプ氏は選挙戦の間、「アメリカ第一」の立場から、保護貿易主義、TPP即時撤退などを唱えてきた。
日米同盟については、米軍駐留経費の全額負担、日本の核武装推奨などの主張から、同盟が揺らいでいる。日本の外交にとって、このようなトランプ大統領の出現は、考えようによっては絶好のチャンスである。
フィリッピンのドゥテルテ大統領が、今年10月に中国を訪問し、同盟国の米国と距離を置き、南シナ海問題を一時棚上げして、中国との関係強化を訴えて多額の経済支援を勝ち取った。
日本はフィリッピンほど身軽ではないが、ドゥテルテ大統領に倣って、日米同盟一辺倒のアメリカ従属外交をやめ、アジアのためのアジア人による、新機軸の外交を進めるべきである。
21世紀にふさわしい日本の外交戦略について、国連外交、安全保障、経済、環境などの課題別に、当ブログの後続の記事で考察してみよう。
コラム ドゥテルテ大統領は、相次ぐ過激発言でフィリッピンのトランプと呼ばれている。
オバマ米大統領に「地獄に落ちろ」と暴言を吐き、「米国に犬のように扱われてきた」、「米国と決別する」という。
アメリカ嫌いの背景には、ダバオ市長時代から、駐留米軍との数々のトラブルや、過激な麻薬犯罪対策を批判する欧米への反感があるようだ。
南シナ海の権利をめぐって、国際仲裁裁判所に中国を訴えて、勝利した当事国・フィリッピンの大統領が、中国を訪問し、「南シナ海は難しい問題で今は語る時ではない」、「対話を通じて南シナ海問題をうまく処理したい」、「兄弟のような中国を永遠の友人としたい」などと発言した。
南シナ海・スカボロー礁で、中国によるフィリッピン船への妨害が続いていたが、ドゥテルテ大統領の中国訪問後は妨害が止まったという。大統領に対する国民の支持率は非常に高い。
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