21世紀、日本の針路 ⑤平成不況期の「国のかたち」 [平和外交]
⑤の記事が、投稿漏れとなっていたので、遅まきながら投稿する。
バブル崩壊後の不況期と平成時代の30年は、ほぼ重なっている。この時期は、グローバル化の進展で、アメリカの多国籍(無国籍ともいう)企業の隠然たる支配があり、日米安全保障条約による、軍産複合体の日本支配も続いている。日本は、70年以上、体制転換をしようとしなかった。
平成不況期の「国のかたち」は、簡単に表わすと下図の通りになると思う。この図は、前回の当ブログに掲載した図と同じである。 平成不況期の主要な出来事の歴史的な意味を考えてみよう。
戦後 1945~2018 |
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国体 (米国) |
→ |
米・軍産複合体(注) |
→ |
政権 |
← |
国民 |
(注)ジャパンハンドラーともいわれ、日本の官僚を従えて、日本を支配している。
← :矢印の向きは国民主権の意味だが、権力の乱用もあって、十分ではなかった。
1.湾岸戦争
平成2年(1990)8月にイラクがクウェートに侵攻したのに対し、アメリカを中心とする55万の多国籍軍をアラビア半島に派遣した戦争。日本はアメリカの要求で130億ドルを支出したが、兵士を送らなかったということで感謝されず、バッシングにあった。
2.ソ連崩壊
平成3年(1991)12月に、ソ連のゴルバチョフ大統領が辞任し、同時に各連邦構成共和国が主権国家として独立したことに伴い、ソビエト連邦が解体され消滅した。アメリカとともに2大超大国として69年間続いたソ連が崩壊し、冷戦時代が終わり、アメリカ一極支配(1G)の時代に入った。
3.村山談話
平成7年(1995)8月15日、村山富市元首相は総理官邸で記者会見し、「日本の植民地支配と侵略によって、多くの人々、とくにアジアの諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」と発表、大東亜戦争を侵略戦争と断定し、「痛切な反省の意を表し、心からお詫びの気持ちを表明いたします」と述べて頭をたれた。この種の謝罪談話は、河野、小泉(演説)、安倍など何回も繰り返されている。
4.日米安保共同宣言(平成8年(1996)4月)
訪日したクリントン米大統領と橋本首相の日米首脳会談で合意された日米安保の共同宣言。冷戦終結に合わせて、中国を念頭に、範囲を極東からアジア太平洋に拡大し、軍事同盟色を強化した。
5.新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)
①平成8年の日米安保共同宣言を受けて、日本の分担を、極東以外の「周辺事態」に広げ、軍事大国化路線に踏み出した。
②平成27年、中国の海洋進出を念頭に、「切れ目のない対応」と称して、いつでも、どこでも自衛隊が米軍の後方支援をする体制を作った。
6.平和安全法制整備法案の強行採決(平成27年(2015)9月)
平成26年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて、11本の法律を作り、議会で強行採決をした。前項の新ガイドラインで約束した内容を法制化したもので、違憲を承知の解釈改憲である。
7.まとめ(筆者のコメント)
①平成時代というと、まず今上天皇のお姿が浮かぶ。天皇は国民一人ひとりの「祈り」を集めて祈ってくださるご存在である。平和日本の象徴であり、天皇の政治利用はすべきではない。
②謝罪談話は、村山、河野、小泉、安倍など何回も繰り返されている。日本は、アメリカに従属し、アジアで、自ら「よそ者」に身をやつしているせいだ。別の道がある。
③日米同盟は敵を作り出している。軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るもので、賢明な選択とは言えない。
冷戦終結から30年近く、いまだに、対米従属から抜け出そうとしない政治が情けない。
私が関わったのは5番の安保法制からです。
今でもあの数日間の事が脳裏に浮かびます
日米同盟だけでは敵を作りますね。特にトランプになってからは
ハチャメチャです。
不平等条約を平等に戻し、アジア主体の外交にも力を
入れるべきではないでしょうか
最後のお花がいつも良いですね
by majyo (2018-08-17 17:27)